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宮城北部森林管理署森林官紹介!(平成27年2月)「森の違和感」森林官(鮎川担当区) 小林 あずみ
鮎川森林事務所に私が赴任して、もうすぐ1年が経とうとしています。 去年の4月に、はじめて鮎川森林事務所管内の国有林に入ったとき、森の様子に違和感を覚えました。次の写真はその違和感をよく表した牡鹿半島の森の写真です。おかしい点がわかりますか? まず気づくのは、明るい広葉樹の林なのに、地面に草が生えていないこと。そして、地面から2mくらいの高さまで、木も葉をほとんど付けていません。ふつうなら、地面には草本植物や、次世代の森を作る稚樹達がたくさん生えているはずです。 なぜこのようになってしまったのか。これはニホンジカが口の届く範囲の葉をすべて食べてしまったからでした。
鮎川森林事務所は、宮城県牡鹿半島とその先端に浮かぶ金華山にある国有林を担当しています。背骨のように半島の中央をはしる山々に国有林は存在するため、仕事中少し高いところにでると東西どちらかにコバルトブルーの海が見え、気持ちのいい風が吹きます。来年には三陸復興国立公園への編入も決まっており、景色が良くドライブには最適の場所です。
牡鹿半島は昔からニホンジカの生息地として知られている地域でした。金華山にある黄金山神社ではシカは神の使いとして崇められています。しかし、近年ではシカの数が増えすぎたため、シカの好きな植物は食べ尽くされ、嫌いな毒や棘、においの植物ばかりが生えるようになりました。畑はもちろん、民家の庭木まで食べられてしまうため、多くの家ではシカ除けのネットが張られています。
せっかく植えたスギなども食べられてしまうため、国有林でも植えた木の周りを柵で囲い守っています。しかし、柵は一箇所でも穴が開いてしまうと、効果が激減してしまうため、点検を定期的に行うなどの維持・管理が欠かせません。柵の周りを点検しながら歩いているとよくシカに出会いますが、かわいらしさと憎らしさ半々な日々を過ごしています。
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