三陸中部森林管理署
森林官紹介!(平成26年6月)「シカ対策」
森林官(高田担当区)
金野 匡宏
平成23年の東日本大震災により高田森林事務所は全壊し、大船渡市にある森林管理署の二階に仮事務所が設置され、その後、平成25年11月上旬に森林管理署の敷地内に事務所が新築され、業務を行っています。
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高田森林事務所
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高田森林事務所は、岩手県沿岸南部の陸前高田市と大船渡市の2市の国有林を担当しています。国有林は民有林に隣接するような形で点在しており、面積は合計約3,000haです。天然林・人工林の割合がおよそ半分ずつで、人工林はスギが多く、約50%、次いでアカマツが約30%です。
管内の見所として、五葉山を紹介します。北上山地南部の主要な山の一つで、住田町・釜石市・大船渡市にまたがり、昭和41年に県立自然公園に指定されています。標高は1,351mで、三陸沿岸では最も高い山です。動物はニホンジカ、カモシカ、ツキノワグマ、ニホンザルなどが生息し、植物はゴヨウマツ、ヒノキアスナロ、コメツガ、ツツジ、シャクナゲなどが見られます。
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五葉山頂上付近からの風景
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管内の大きな課題として取り組んでいるのはニホンジカによる被害対策です。近年、被害が多く発生しており、被害地域も以前と比べ広がっています。樹皮はぎによる枯損、枝葉の食害、頂芽の食害等、特にスギの若齢木の被害が著しい傾向です。その対策として防鹿柵の設置などを実施しておりますが、まだ手の及ばない箇所もあるのが現状です。防鹿柵についても継続的な点検や補修がないと傷んでしまい、シカの侵入を許してしまいます。少しでも高さが足りない所があれば飛び越え、地面が掘れていれば潜り抜けて侵入しますし、網そのものに穴を開けたりします。また、柵自体も経年劣化や、降雨、倒木等により破損します。そこをシカは見逃しません。今後、新しく植樹する箇所をさらに増やす予定ですので、シカ対策が重要な課題となっていきます。その他の森林病虫獣害対策にも今後力を注いでいくこととしています。
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ニホンジカ
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