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米代東部森林管理署上小阿仁支署

「森林官紹介!」(平成25年11月)

米代東部森林管理署上小阿仁支署

三里森林事務所 森林官 今野 梢

自然の営みに触れて

初めての森林官となり3ヶ月が過ぎました。一人きりの森林事務所での勤務も、最近やっと寂しさが薄れて来ました。
寒さが強まり、そんな森林事務所に毎日のように来訪者があります。カメムシ襲来!!!一人きりの森林事務所では、もちろん自分が対峙するしかなく、あの独特な音が聞こえるたびに「また出たなっ」と、ひとり言が増える日々を送っています。  

カメムシ

網戸についたカメムシ


私の勤務する三里森林事務所は、秋田県の北部中央に位置する北秋田市合川地区にあり、国有林約1,500haを管理しています。阿仁川と小阿仁川が合流する合川地区は、とてものどかな農山村地域です。
管内には、天然秋田杉の変異株「アオヤジロ(蒼弥白)」があります。推定樹齢約160年、高さ約33m、幹周り約80cmのアオヤジロは、針葉が黄色に近い独特な色をしており、その材は良質で特殊な芳香を放つため、古くは酒樽の材料として珍重されていました。江戸時代後期の紀行家菅江真澄は、その著書の中で芳しい香りのする杉として紹介しています。また、昭和10年秋田営林局発行の「秋田山形の老樹名木」には珍樹として記されています。そのほとんどが伐採され、繁殖力も弱いことから、現存するアオヤジロの報告例は少なく、次世代に残すべき貴重な遺伝子資源として、管理する必要があります。このため北秋田市にある北欧の杜公園には、平成20年の全国植樹祭で数本のアオヤジロが植樹されました。

アオヤジロ(写真中央)

アオヤジロ(写真中央)


慣れない業務に右往左往しながらですが、ツキノワグマにズタズタにされた蜂の誘引捕殺器を見ては青ざめ、炎天下のなか木陰で涼んでいるニホンカモシカに見つめられ、サケの遡上を見て自然の営みに触れたりと、いろいろな経験、出会いがありました。
そういった森林官ならではの出会いを大切にしながら、まだまだ未熟ではありますが、一歩一歩前進していきたいと思います。

 

ニホンカモシカ

ニホンカモシカ

 

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