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三陸北部森林管理署宮古森林事務所

「森林官紹介!」(平成25年8月)

三陸北部森林管理署 宮古森林事務所

森林官 新井 潤子

本州最東端の街 宮古から

  宮古森林事務所は本州最東端に位置する岩手県宮古市にあります。
  現在は、事務所が平成23年の震災により被災したため、宮古市の内陸に位置する川井地区の宮古市川井生涯学習センター内に森林管理署とともに仮住まいさせていただいています。来年の春には、宮古湾に面した旧庁舎跡地に建設予定の三陸北部森林管理署新庁舎と一緒に引っ越す予定です。

宮古市は、東に風光明媚な浄土ヶ浜でも有名な陸中海岸が広がり、港町であるほか、本年5月に新たに誕生した「三陸復興国立公園」に指定される豊かな自然が売りの観光地でもあります。
一方、西の内陸部は高山植物の宝庫である早池峰山で有名な北上高地が広がり、森林が宮古市の総面積の90%を占める山岳地域になっています。

宮古森林事務所は、宮古市街地や北上高地を遠望できる月山の西斜面や、地元のお花見スポット「一本桜」で名の知れた内陸に位置する亀ヶ森など、宮古市の東部の国有林と山田町の一部の国有林、約7,000haを管理しています。
沿岸の山域は急峻な地形が多く、冬季は太平洋側の気候で雪が少なく、夏季はやませによって涼しい日が多いという特徴があります。アカマツが多く見られ、広葉樹との混交林が森林面積の約75%にも及びます。多くは水源涵養保安林に指定されていますが、海沿いの国有林では豊かな漁場を守るため、魚つき保安林に指定されている箇所もあります。
  一方、内陸に位置する亀ヶ森は山頂付近はなだらかな地形で牧場になっており、冬季の積雪も多くみられます。人工林はカラマツ林が40%以上と多く、沿岸の山域とは異なった林相が見られます。
地域の特徴としては、宮古湾の東側に位置する重茂半島では、地元の方々の海を守ろうとする取り組みが活発で、合成洗剤を使わずに環境に優しい石けんをなるべく使うといった様々な取り組みが行われています。また、地元の漁協の方々は豊かな漁場づくりのため、流域での豊かな森づくりにも関心を持っており、国有林では植樹や森林観察等のためのフィールドを提供しています。国有林を豊かな森として育てていくためには、このような地域とのつながりを今後も大事にしていくことが重要であると思います。

森林官になって4ヶ月が過ぎましたが、わからないことがまだ多く、こつこつと勉強しながら通常業務をこなしていくことに日々追われています。もう少し仕事に余裕ができたら、新しく誕生した「三陸復興国立公園」も管内にありますので、環境省など関係機関の外部の方々とつながりをもって、宮古の豊かな自然をもっとたくさんの人に知ってもらい、国有林をもっと身近に感じてもらえるような仕事もしていきたいと思っています。

 

月山からの宮古市街と北上高地 亀ヶ森の「一本桜」

月山からの宮古市街と北上高地の遠望

亀ヶ森の「一本桜」

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