由利森林管理署

「署長が語る！」

平成28年12月

由利森林管理署

署長  佐々木  欣雄

     当署は、国定公園に指定されている鳥海山をはじめ、丁岳（ひのとだけ）、鬼倉岳、八塩山など様々な山を管内に持ち、由利本荘市、にかほ市の2市に所在する国有林約2万3千ヘクタールの森林を管理しています。

由利森林管理署庁舎

1  鳥海山と豊かな自然

        鳥海山は四季を通じて様々な姿を見せてくれます。春から秋にかけては登山や観光、レクリエーションと多くの方々に幅広く利用して頂くため、レクリエーションの森として「鳥海自然休養林」を設定するとともに、自然の生態系を守るため「獅子ヶ鼻湿原植物群落保護林」や「鳥海山植物群落保護林」から奥羽山脈へ連結する「鳥海朝日・飯豊吾妻緑の回廊」などを設定し、その豊かな自然を後世に引き継ぐこととしています。 

2  管内の見どころ

        当署の管内には、国指定の天然記念物「鳥海山獅子ヶ鼻湿原植物群落及び新山溶岩流末端崖と湧水群」のほか、「森の巨人たち100選・あがりこ大王」、「法体の滝」などがあり、多くの人々が訪れています。

3  地域と連携した森林保全と利用

       鳥海山3合目付近のレクリエーションの森「桑ノ木台湿原植生自然観察教育林」は、長年にわたり人の踏み込みによって荒らされていたため、平成23年度に木道等の施設整備を行うとともに、学識経験者、地元自治体や自然保護団体等で構成する保全管理協議会において、植生の回復状況や観光客の利用状況などについてモニタリング調査を行いながら、適切な利用と保全管理に努めています。

4  低コスト林業の推進

       林業経営の低コスト化を推進するため、当署では、一貫作業システム（伐採と植栽を同時に行う作業）、列状間伐、コンテナ苗の活用、下刈の省力化、低密度植栽などに取り組むとともに、子吉川流域活性化センターとの共催により、国有林作業現地において列状間伐や森林作業道などの低コスト林業技術に関する現地検討会を開催するなど、地域の低コスト林業の普及に取り組んでいます。 

5  森林環境教育の推進とボランティア活動の支援

       小学生や高校生の森林環境教育の一環として、国有林のフィールドを活用した森林教室や海岸林の再生活動の一翼を担う間伐作業などの体験学習を支援しています。

       また、地域のクリーンアップ活動や松林再生など、地元ボランティア団体と連携、協力を得ながら取り組んでいます。

6  森林病虫害被害の拡大防止

       海岸林やナラ林の森林被害拡大防止のため、林野巡視の強化や薬剤散布による防除、被害木の早期駆除に取り組んでいます。

7  国民の生命・財産を守る治山事業

       山地等で発生する自然災害から国民の生命や財産を守るために、保安林の森林整備や治山ダムを設置するなどの治山事業を実施しています。