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津軽白神森林生態系保全センター

「所長が語る!」

平成27年8月

津軽白神森林生態系保全センター

所長 石田  和彦 

はじめに

    当センターは、平成18年4月「津軽白神森林環境保全ふれあいセンター」として設置、平成25年4月に現在の「津軽白神森林生態系保全センター」に改組し活動しています。

    森林生態系保全センターは全国7箇所に設置されています。その中の一つの当センターは白神山地世界自然遺産地域(以下「遺産地域」という)に登録されている白神山地森林生態系保護地域(青森県側)とその周辺地域をフィールドとし生態系の管理と適切な利用を推進する機関として設置されています。

    以下、当センターの主な取組について紹介します。 

津軽峠からの白神岳

白神岳山頂

津軽峠からの白神岳

白神岳山頂

十二湖

冬の白神岳

十二湖(金山の池)

冬の白神岳

 1  白神山地森林生態系保護地域(遺産地域)の保全管理

   ①巡視(パトロール)

       植物の採取や樹木の伐採、ゴミの投棄などの違法行為や遺産地域の指定ルートが適切に利用されているかなど遺産地域内をパトロールしています。

       業務を進めていく上で、山を歩き現場を理解する事は何よりも大切な事です。そのため、パトロールと平行して現地の状況等の把握に努めています。

現地状況の把握

                           関係機関との合同パトロール         

現地状況等の把握

                              関係機関との合同パトロール

 

        また、白神山地世界遺産地域連絡会議が主催する合同パトロールの企画立案、巡視報告のとりまとめなどを行っています。白神山地世界遺産地域巡視員会議の開催等により、関係機関、ボランティア巡視員等との連携を図りながら、遺産地域の保全管理や入山者へマナーパンフレットを配布するなど、入山者マナーの向上に取り組んでいます。 

白神山地世界遺産地域巡視員会議

入山マナー啓発活動

白神山地世界遺産地域巡視員会議

入山マナー啓発活動

 

    ②ニホンジカ監視体制の強化

       近年、白神山地周辺地域でニホンジカの目撃情報が増加しており、食害等による森林生態系への影響が懸念されています。

       平成26年度は遺産地域から約150mしか離れていない深浦町追良瀬川上流でセンサーカメラにより撮影されました。

       当センターでは、平成27年度はセンサーカメラを前年度より3台増設し、25台で関係機関と連携しながら遺産地域周辺(青森県側)でニホンジカの監視を強化しています。

       一方でこれまでの監視にあたり、普段の巡視などでは見ることのできない数多くの動物が撮影されるなど、白神山地の豊かな生態系の一端を確認することができました。 

センサーカメラ

センサーカメラ設置

センサーカメラ

センサーカメラ設置

ツキノワグマ

ニホンジカ

センサーカメラで撮影されたツキノワグマ

センサーカメラで撮影されたニホンジカ

(追良瀬川上流)

 2  自然再生活動

       白神山地周辺には、戦後の拡大造林により、スギを主体とする人工林が分布しています。

      標高の高い区域では、広葉樹が侵入する人工林が見られ、このような人工林を本来の姿である広葉樹林に戻すため、学識経験者やボランティア団体から組織される「白神山地周辺の森林と人との共生活動に関する協議会」を立ち上げ、活動の方向性やボランティア活動の指針「自然再生マップ」を作成しています。

      自然再生活動は、年に3回程度、一般のボランティアを募り苗木の掘取等を行っているほか、NPO、企業・各種団体・教育機関などと連携しながら実施しています。 

      100年単位の膨大な時間がかかる活動ですが、白神の森林を多くの皆さんと作り、遺産地域と共に将来へ引き継いでいく、また生物多様性の保全につながる重要な活動と捉えています。 

スギ人工林

数百年後

広葉樹林

                                 スギ人工林(自然再生拠点)                                                                                       長期的目標の広葉樹林

 

           自然再生マップ

自然再生活動

   自然再生マップ

一般公募による自然再生活動

 

 

 3  森林環境教育

   ①林業体験学習等

        植樹、スギ人工林の抜き切りや枝打ち、丸太切り体験、木工教室などを通じて、森林・林業・国産木材利用等について理解を深めてもらおうと行っています。

        また、森林の多面的機能、緑とのふれあいなどについて学習してもらうため、こども園や小学校等に講師として職員を派遣しています。 

小学生植樹体験

願いを込めた植樹

小学生植樹体験学習

願いを込めた植樹

   親子木工教室

花いっぱい運動

親子木工教室

鰺ヶ沢こども園花いっぱい運動

     ②森林教室

        少しでも多くの方に「白神山地のすばらしさ」、「自然の魅力」を伝えるため、年に数回一般公募による森林教室や地元小学生を対象とした森林教室を開催しています。一般参加者の中には首都圏から来て下さる方もおり、「ここに来るのが本当に楽しい」といった言葉もいただきました。

       この活動は、単に「自然に触れる場の提供」というだけではなく、「白神山地や津軽地方の貴重な自然を後世に引き継ぐ」という意識を共有する場であると考えています。今後も、白神の自然を守る人々の輪がより大きくなることを目標に開催していきたいと思います。 

森林教室

小学生森林教室

一般公募森林教室(十二湖)

小学生森林教室(白神の森遊山道)

 

4  地域から頼りにされ地域貢献できるセンターを目指して

      当センターは、白神山地の森林生態系に関する講演や講師派遣など各種団体等の依頼を受け付けています。

      国際協力機構(JICA)や大学生からの依頼による研修生の受け入れや、NPOやユネスコが主体的に行う植樹・育樹活動への技術支援、ガイド団体への職員派遣などの協力を行っています。

     巡視中に職員が撮影した白神山地の風景や貴重な動植物の写真パネルの貸し出しも行っています。 

研修生受入れ

写真パネル

JICA研修生の受入れ

写真パネルの貸出し(五所川原図書館)

      また、当センターの毎年度1年間の各種活動内容をパネル等により紹介する「活動展」の開催や広報誌「津軽白神ふれあい通信」を毎月発行し情報発信に努めています。

     皆様から当センターの支援や活動に対するお礼や激励の多数のお手紙をいただいており、職員の仕事の糧となっています。

     今後も更に地域に貢献できる保全センターを目指して、職員一丸となって活動して参ります。 

ふれあい通信

広報紙「津軽白神ふれあい通信」

                      

             

活動展

                             活動展(イオンモールつがる柏店)     

                  

    手紙

                                  活動に対する激励のお手紙 

お問い合わせ先

津軽白神森林生態系保全センター
〒038-2754
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字米町25-2
TEL0173-72-2931 
FAX0173-72-2932

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