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宮城北部森林管理署

「署長が管内を語る!」

平成26年7月

宮城北部森林管理署

署長 飯田 裕一

はじめに

当署管内は、皆様ご承知のとおり平成20年以降これまでの6年間に、「岩手・宮城内陸地震」と「東北地方太平洋沖地震」に伴い発生した津波と2度にわたり甚大な被害を受けたところです
こうした中で、当署では「宮城山地災害復旧対策室」及び「海岸防災林復旧対策事務所」と他署にない特別な部署が設置され、局の支援も受けつつ、現在も被害箇所の早期復旧に向けて災害復旧事業に取り組んでいるところです。
今回は、このコーナーを利用して、これら2つの部署について、以下によりご紹介させていただきます。

「宮城山地災害復旧対策室」

 

岩手・宮城内陸地震栗駒山麓

平成20年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震によって、栗駒山麓では地すべり、山腹崩壊、土石流などの山地災害が多発しました(写真左)。
「宮城山地災害復旧対策室」(以下、山地対策室)では、治山計画に基づき渓間工(治山ダム工、流路工など)、山腹工(土留工、落石防止工)、地すべり防止工などの復旧工事を実施しています。

 

1山地対策室の概要

(1)所在地
平成20年9月1日に設置された山地対策室は、栗原市一迫総合支所(宮城県栗原市一迫真坂)の一室をお借りし業務にあたっています。
一迫川を中心とした田園地帯の中に事務室はあり、春は栗駒山の駒形や種まき坊主、夏はあやめの花、秋は栗駒牛とほんにょ(稲のはさがけ)、冬は白鳥など渡り鳥の姿など、四季おりおりの変化が見られます。

(2)担当区域及び事業計画
山地対策室では、栗駒山から流れる一迫川、二迫川、三迫川の各流域の森林を単位に、栗原市内及び大崎市内の一部(鬼首地区)において、治山施設や地すべり防止施設の設置を通じて、森林の復旧を担当しています。
なお、被害の大きかった民有林においても、宮城県知事からの民有林直轄治山事業実施の要請を受け、耕英、日影森・洞万、温湯、浅布・本沢軽井沢区域からなる迫川民有林直轄治山事業を実施しています。

主な事業内容
一迫川流域 河原小屋沢などにおける治山ダム工、浅布・本沢軽井沢区域の地山補強土工、温湯区域の落石防止工など
二迫川流域 荒砥沢地すべりにおける排土工、日影森区域などにおける法枠工など
三迫川流域 耕英区域などにおける山腹緑化工など

なお、平成20年岩手・宮城内陸地震宮城県内の対策概況については、東北森林管理局のホームページに掲載しています。http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/tisan/pdf/miyahoku1.pdf

 

2主な復旧工事

(1)ヒアヒクラ沢治山工事(国有林直轄治山事業)  

地すべり性崩壊時

(地すべり性崩壊時:栗原市栗駒の深山岳国有林のヒアヒクラ沢では、地震の影響で山腹斜面が約2.5haにわたり崩壊し、大量の土砂が渓流へ流れ下流域へ流出しました。)

対策工施工後

(対策工施工後:このため、下流域の保全を図る対策として谷止工を1基、崩壊地を森林に復旧させる対策として鋼製枠土留工、木柵工、植生工を施工しました。)

現在の状態

(現在の状態:毎年、県・市・NPO団体,市民などにより、森林再生活動を実施しております。(昨年度は、約90名によりブナ、サクラなど200本を植樹))

 

(2)浅布地区治山工事(民有林直轄治山事業) 

一迫川大規模崩壊時

(崩壊時:一迫川沿いの斜面で大規模崩壊が発生し、崩落した土砂による河道が閉塞し、下流域に甚大な被害を及ぼす危険が高まりました。)

一迫川対策工施工後

(対策工施工後:ふたたび崩壊により河道を閉塞しないよう、斜面整形の後、法枠工、地山補強土工など山腹工を施工しました。)

 

今年度も引き続き、栗駒山の南山麓において、森林の復旧工事を予定しています。

3その他

地震による特異な被災形態や未曾有な規模であったことから、その状況や対策については、国内外の学識研究者、NGO、マスコミなどから高い注目を浴びております。また、被災森林を活用した防災教育等についても検討しております。 

被災箇所での見地検討会実施状況

(被災箇所における現地検討会実施状況)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「海岸防災林復旧対策事務所」

平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、津波により宮城県沿岸の防潮施設、海岸防災林等に甚大な被害が生じました。
「海岸防災林復旧対策事務所」(以下、海岸事務所)では復旧対策を円滑に実施するため、大型土のうによる応急対策や復旧計画の調査及び復旧工事を実施しています。 

1海岸事務所の概要

(1)所在地
平成23年10月1日に設置された海岸事務所は、宮城県大崎合同庁舎(大崎市古川旭)の一室をお借りし業務にあたっています。
事務所は5階にありますので大崎市街地が一望でき、晴れた日は栗駒山まで見通せるので、パソコン業務で疲れた目を休めたり、気分転換のため窓の外を眺めることもあります。 

宮城県大崎合同庁舎

(宮城県大崎合同庁舎)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事務室からの景色(虹)

事務室からの景色(飛行機雲)

(事務室からの景色(虹))

(事務室からの景色(飛行機雲)

 

(2)担当区域及び事業計画
海岸事務所では、気仙沼地区と東松島地区の治山施設や海岸防災林の復旧を担当しています。
なお、気仙沼地区では被害の大きかった民有林においても、宮城県知事からの特定民有林直轄治山施設災害復旧等事業施行の要請を受け、事業を実施しています。 

気仙沼地区

東松島・石巻地区

 

主な事業内容
気仙沼地区防潮堤の復旧約4.5km大きい図面はこちらから(PDF:173KB)

東松島地区海岸防災林の復旧約180ヘクタール大きい図面はこちらから(PDF:191KB)

2応急対策

津波により防潮堤が流失や倒壊したことで、高波や高潮等による侵食や浸水などの被害が懸念されました。そのため、被災直後から応急対策として耐候性大型土のうを海岸線に配置しました。 

大型土嚢設置前

大型土嚢設置後

(大型土のう設置前)

(大型土のう設置後)

 

また、津波がもたらしたガレキ等を撤去や、枯れたクロマツなどを伐採するなど、景観や環境の保全に努めています。 

津波によるガレキ及び被害木の状況

ガレキ及び被害木撤去後の状況

(津波によるガレキ及び被害木の状況)

(撤去後の状況)

 

3復旧工事

(1)住民説明会や関係機関との調整
工事の実行に先立ち、地域住民の皆様に対し復旧計画をご説明し、事業へのご理解を得たうえで工事に着手します。
また、効率的かつ速やかに復旧事業が進められるよう、関係機関等との情報交換や調整など行っています。 

住民説明会の様子

関係機関との会議・調整

(住民説明会の様子)

(関係機関との会議・調整)

 

なお、住民説明会の実施状況については、宮城北部森林管理署のホームページに掲載しています。

「東日本大震災復旧・復興の取り組み」(住民説明会の開催)
http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/syo/miyagihokubu/kaigannsetumeikai.html

 

(2)矢本海岸(1)治山工事
施工地は、津波により海岸林や土壌が流出しましたので、盛土工を実施し、植栽ができるように復旧しました。 

施工地東側施工前

(施工地東側施工前)

施工地東側 施工後

(施工地東側施工後(盛土工及び綱矢板護岸工))

施工地南側 施工前

(施工地南側施工前)

施工地南側 施工後(盛土工)

(施工地南側施工後(盛土工))

 

(3)野々下海岸治山工事
既設の防潮護岸工が被災したため、防潮堤を設置しました。
なお、野々下海岸治山工事は、防潮堤背後の盛土など今年度も引き続き工事を予定しています。 

 

野々下海岸治山工事(右)
           野々下海岸治山工事(右)
野々下海岸治山工事(中)
          野々下海岸治山工事(中)
野々下海岸治山工事(左)
          野々下海岸治山工事(左)

お問い合わせ先

宮城北部森林管理署 
〒989-6166 宮城県大崎市古川東町5-32 
IP電話050-3160-5930
一般電話0229-22-2074 
FAX0229-23-8624

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