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国有林を生息地とする希少野生動物を対象に、定期的かつ継続的に巡視を行うことによって、対象個体の生息状況を把握し、より良い生息環境を保全することを目的とする。特に、森林整備については、林内の光環境を良好にして、下層植生を繁茂させる目的として保育間伐やネズミ類や鳥類の餌となるドングリの実る樹木を植栽することなど「ツシマヤマネコにやさしい森づくり」を実践している。主な事業として、①定期的な巡視、②センサーカメラによる生息確認、③森林整備等を行っている。
平成22年度より、施業方法の違いがもたらす環境の変化により、ツシマヤマネコの餌である小型哺乳類のネズミの生息数を調査し、ツシマヤマネコの生息環境に最適な施業方法を模索するための試験地を設定している。
対馬南部地域(下島)の国有林でも、平成22、23年度に委託事業によるツシマヤマネコの生息状況調査及び生息に有効な森林管理のあり方を検討するとともに巡視ルートや巡視マニュアルの策定を行った。下島においても、白嶽、有明山及び龍良山周辺において、委託巡視、自動撮影カメラによるツシマヤマネコの生息確認調査及び諸動物調査を検討している。
延人数2,069 人(希少野生生物保護管理対策事業(巡視委託)
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ツシマヤマネコ巡視 |
ツシマヤマネコの痕跡(糞) |
(2)センサーカメラによる生息確認
設置箇所16箇所(カメラ・水溜まり)
(3)森林整備等
下刈り、除伐、枝打ち、保育間伐等
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保育間伐実行箇所 |
シカによる食害防止対策(シカネット) |
1.目的
ツシマヤマネコの餌である小型哺乳類等に着目し、施業方法の違いによる環境の変化によって、ネズミの生息数や植生に与える影響を調査し、ツシマヤマネコの生息環境に配慮した施業方法の開発を目的とする。
2.事業内容について
一重国有林306林班よ小班のヒノキ人工造林地内(47年生)において、択抜(0.72ha)を実施し、ヒノキを主体とする針葉樹(0.36ha)及びクヌギ、コナラを主体とする広葉樹(0.36ha)の試験地を設定し、ツシマヤマネコの餌資源となるネズミ等の動態(施業前と施業後)を比較する。また、試験地と同じ小班内において列状間伐区域、非間伐区域を設定し、同じくネズミ等の動態等の調査を実施する(ともに11年間)。
以上のことから、ツシマヤマネコの生息にとって良好な環境条件を備えた森林施業のためのひとつの指針を得ることを目的としている。
3.調査内容について
① 群落調査(平成22年度~平成32年度)
保護伐内および保残帯内において、保護伐の前後、群落の稚樹の種組成、発生状況、定着具合の調査を行う(Braun-Blanquet (1964)の基準に従う)。
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群落調査 |
ヒノキ植林 |
② 齧歯目等調査(平成22年度~平成32年度)
試験地の区域の端から横に5m、縦に10m間隔に箱罠(計130個)を設置する。
齧歯類の捕獲については、年3回実施(1回につき連続5日間)し、個別ごとに体長及び体重等を調査し、標識再捕獲法により個体数の推定を行う。
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ネズミ捕獲用罠 |
ネズミ捕獲状況(ツシマアカネズミ) |
③ 自動撮影カメラ調査(平成22年度~平成32年度)
ツシマヤマネコも含めた諸動物の調査のために、センサーカメラの設置を行う(定期的に回収・分析)。
長崎森林管理署
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