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広報九州・平成17年10月号

新産希望の森

「法人の森林」を契約社員教育の場として活用

当局では9月13日、局長室において新産住拓株式会社と分収造林「法人の森林」を契約しました。
対象地は、熊本南部森林管理署管内の大塚国有林内(熊本県あさぎり町)の分収育林伐採跡地10・14㌶で、スギ・ケヤキ・ヤマザクラ・ヤマグリの4種類約2万300本の広葉樹を、今年度から2カ年にかけて植樹。名称は「新産希望の森」で、契約期間は80年間です。
同社は昭和39年11月創立、年間約170棟にのぼる木造住宅を、天然乾燥の熊本県産材を使用し建築しており、今回、会社創立40周年を記念し、また、「緑の循環」認証会議(SGEC)で、SGEC認定事業体に認定(住宅会社としては全国で2番目、九州では初めて認定)されたのを契機に、社員教育の場として活用することを目的に契約されたものです。

会社挙げて森林づくり

調印式には、新産住拓の小山幸治社長をはじめ、当局の島田泰助局長らが出席。多くの報道陣が取材する中、島田局長が「今回の契約は、県産材の地産地消に直結するものであり、安全で安心できる住宅供給の証として広く活用して頂きたい」とあいさつ。小山社長は「創立40周年を記念し、今回の契約カ所を自分の山として、また、社員教育の場として山を育てたい」と抱負を述べられました。
同会社では、会社を挙げて森林づくりに参加し、社員等が植栽から育林、伐採までの一連の作業体験を通して、「木の素性や特性」を踏まえた住宅の設計・施工に活かす研究の場として、また、森が住宅に変わる全過程を公開できる「木材のトレーサビリティー(追跡可能性)システム」の構築を目指すこととしています。
(担当=国有林野管理課)

-ことばの説明- *「緑の循環」認証会議(SGEC)

SGECは、日本の森林・林業を守るために、森林・林業関係団体、環境NGO、市民団体、学識者など角界の人たちが議論が重ねて生まれました。日本の森林管理のレベルを向上し、生産者と消費者とを結ぶ、「自然環境の信頼と安心」を届ける日本にふさわしい森林認証制度として平成15年6月に設立。
SGECには、森林と事業体があり、これまでに全国で12カ所の森林及び10事業体が認証されています。

法人の森林

森林資源の造成を推進するもので、分収育林と分収造林があり、今回の契約は分収造林。国有林野に契約者が樹木を植栽し育てていく制度です。
また、契約者は企業のイメージアップの看板や森林利用拠点としてあずま屋・ベンチ・遊歩道などの設置、社員教育や顧客とのふれあいの場としての活用などができます。

九州林政連絡協議会

九州は一つとなって森林・林業・木材振興に全力

第90回九州林政連絡協議会が8月29日と30日の両日、宮崎市において開かれました。
この協議会は、民有林と国有林の連携強化を図り、九州地域における森林・林業・木材産業の振興に資することを目的に開かれているもので、今回は林野庁から城土裕治山課長を迎え、九州各県や林業関係機関から約30人が出席しました。
会議では、はじめに会長の島田泰助局長が、「林業・林産業を取り巻く状況が依然として厳しい中で、伐期を迎える人工林資源をいかに供給し、また、新規需要を開拓していくか、地球温暖化防止対策として健全な森林の育成をいかに国民の期待に応える形で実現していくかなど、様々な課題が山積している。特に国産材の安定供給に関しては、一地域では解決できないものもあり、民有林と国有林の連携などの広い繋がりが必要である。そういった意味でも、当協議会は関係者が一同に会する良い機会である。本日の会議で活発な意見交換がなされ、有意義なものとなることを祈念する」とあいさつしました。


綾の照葉樹林を視察

続いて、宮崎県の野中憲二環境森林部長を座長に選出し、各県からは、(ア)県産材の需要拡大(イ)スギ原木の流通対策(ウ)伐採跡地における再造林対策(エ)第3者機関が行う森林認証制度に対する取組について、当局からは、間伐推進のための運動の実施についてを提起し、これらを中心に活発な審議が行われました。
審議では、各県が抱える問題等について各委員が共有するとともに、九州が一つとなって森林・林業・木材産業の活性化に取り組んでいくことや、間伐の推進を図るため協議会の下に部会を設置し、勉強会を開催していくことを確認しました。
2日目は、当局、宮崎県、綾町、綾の照葉樹林プロジェクト推進協議会(てるはの森の会)、(財)日本自然保護協会の5者で、今年5月に協定を結びスタートした「綾の照葉樹林プロジェクト」の現地や大型木造モデル建築施設「綾てるはドーム」の視察を行い、協議会を終えました。
次回は、来年、熊本県で開催される予定です。
(担当=企画調整室)

第2回実践・公開講座

手作り作品に満足地球に優しい木工品

当局では8月28日、熊本城内の一角にある監物台樹木園において、第2回「実践・公開講座」を行いました。
この講座は、森林のもたらす様々な働きや大切さを理解してもらうことが目的です。
今回はスギの間伐材を利用した木工品作り。ボランティアの熊本市伝統工芸館木工サークルのメンバー5人に協力して頂きました。
当日は25人が参加し、木工サークルのメンバーから鋸の使い方などの指導を受けながら、熱心にまた楽しく木工品作りに取り組みました。時折、サークルのメンバーに手伝ってもらいましたが、見事な花台や万能台が完成。
参加者は、完成した作品を目の前に自画自賛するなど、温かみのある木製品の良さや手作りの良さを実感していました。
(担当=指導普及課)

「遊々の森」を再締結

佐賀森林管理署

「自然がいっぱいあそびの森」の名称で協定締結している「遊々の森」の協定期間が終了するため、佐賀県・背振小学校で脊振村長、脊振小学校長、一谷田中・田中分収造林組合代表と改めて協定を締結。設定カ所は脊振山国有林の23㌶です。これまで、巣箱の設置などの体験学習を行ってきましたが、今後も枝打ちなどの体験林業をボランティア団体NPO森林監視隊福岡・佐賀県支部と計画しています。

小学5年にお届け講座

宮崎北部森林管理署

宮崎県五ヶ瀬町立鞍岡小学校5年生10人を対象に、お届け講座を実施。児童らは森林の大切さを学んだ後、折り紙で種子模型を作り、「種子とばし」などを行いました。最後に、先生から「鞍岡小学校は、文部科学省の子供の居場所空間づくり推進事業による五ヶ瀬風の子自然学校が開校したばかりで、良い機会に森林教室を開いていただきました」とお礼の言葉がありました。

国有林の仕事を体験

大学生がインターンシップ

当局では、人材育成プログラム「インターンシップ(就業体験実習)」で、日本大学生物資源科学部の加藤早百合さんを受け入れ、8月25日から30日まで実習を行いました。
これは、大学生に就業体験を行わせることにより職業意識の育成、農林水産行政に対する理解を深めてもらうことを目的に、大学と農林水産省が連携して行っているものです。
実習では、森の塾、実践・公開講座の事前準備などの手伝いや、希少野生動植物であるチョウ(ゴイシツバメシジミ)の食草であるシシンランの保護増殖調査、二酸化炭素動態観測調査による地球温暖化対策への取組などを行い、国有林野についての知識を深めました。
最後に加藤さんは、「国有林がより身近なものになりました。また、バイオマス関係の勉強をしているので、資源の循環利用や地球温暖化について考えるうえで、大変勉強になりました」と感想を述べました。
(担当=指導普及課)

童夢の森に児童らの歓声

都城支署

今年6月、ユニバースアカデミーと協定を結んだ「遊々の森(童夢の森)」において、小学生20人が川遊びをしました。当支署も同アカデミーから協力の依頼があり、水鉄砲作りや孟宗竹を組み合わたイカダ作りを指導。児童らは、水鉄砲で遊んだり、貯水池でイカダに乗ったりして楽しみました。

親子が間伐を体験

鹿児島森林管理署

鹿児島市の甲突川源流近くの国有林において、親子60人が間伐作業を体験。これは、「鹿児島水と緑の委員会」(原口泉委員長)から体験林業の依頼があったもので、当署から6人が参加し、間伐作業の指導を行いました。参加者は、悪戦苦闘しながらの間伐作業でしたが、作業後の明るくなった林内に満足していました。

緑の団員が森林調査体験

西表森林環境保全ふれあいセンター

沖縄県緑化推進委員会の主催する「緑の少年団体験学習会」が沖縄県石垣島のバンナ公園で開かれ、当センターも協力しました。地元小学校4校の団員約30人は、木の高さを測る竿と巻尺を使って樹高、直径を測定する森林調査の体験や、樹木名あてゲームを行いました。団員らは、森林とふれあい楽しい一日となりました。

高校生と会員が奮闘

監物台樹木園の花壇を整備

当局では8月23日、熊本県立北稜高等学校造園科の生徒と「監物台樹木園花壇づくり友の会」の会員が参加し、熊本城内の一角にある監物台樹木園の花壇を整備しました。
これは、市民の身近な樹木園として親しまれている同園の活性化と充実を図ることが目的です。
生徒らは、野外実習も兼ねており、時折、小雨のぱらつく中、造園科の先生の指導のもと、同会員と一緒に、泥だらけになりながら枕木で花壇を作りました。苦労しながら出来上がった花壇には、ゴールドクレストなどの苗木を植え、見違えるようになった花壇に、生徒や会員は満足していました。
今後も同校や会員などと連携し、樹木園内の花壇を整備することとしています。
(担当=指導普及課)

海岸保安林整備に130人

西都児湯森林管理署

浜山国有保安林において、当署が呼びかけ結成された新富町の森林ボランティア団体「富田浜の緑を育てる会」の会員約130人が参加し、当署職員指導のもと、雑草の刈払い、クロマツ・ツツジなどの植樹や、木製ベンチ15脚を設置。これは、当署と高鍋・新富町の3者が締結した「高鍋・新富海岸の国有林と両町有林の森林整備等にかかる協定書」によるもので、締結後初めての活動です。

「一ッ葉の森林」に看板

宮崎森林管理署

地元宮崎市のボランティア団体「檍振興会」と協力し、職員手作りの看板を設置しました。これは、地域発案システム「みんなで創ろう一ッ葉の森林」の取組の一環。参加者は、猛暑の中にも心地よい松林の風を感じながら、 地域から愛される「一ッ葉の森林」となることを願い、看板を設置しました。

100人が歩道整備に汗流す

福岡森林管理署

御側山国有林において、ボランティア約100人が参加し、環境保護啓発活動(「源流の森」整備)が行われました。同活動は、毎年、同国有林で福岡県矢部村の協力のもと、矢部川下流域の人たちがボランティアで行っているもので、今年で4回目です。当日は当署職員も参加し、安全指導などを実施。参加者は、造林鎌や鍬で悪戦苦闘しながら、歩道に差しかかった雑木・雑草の刈り払いや歩道修理などを行い、「源流の森」の整備に汗を流しました。

児童ら森林散策を楽しむ

西表森林環境保全ふれあいセンター

サンゴ礁で世界的に有名な沖縄県石垣島において、「石垣島白保の子供会」が夏休みの行事として行ったサイクリングに当センターも協力し、森林の案内やネイチャーゲームを実施。参加した子供や保護者らは、「ジャックと豆の木」のモデルになったとも言われる巨大豆の木「モダマ」のマメ拾いや、目隠をして森林の中を歩くゲームなどで楽しみました。

先生11人が体験林業

林業の厳しさと楽しさ知る

当局では8月26日、熊本森林管理署管内の小萩園において第10回「森の塾」を開きました。
参加者は、小学校の先生を対象に募集した11人で、枝打ち、間伐作業の体験や同公園内を散策しながら樹木名などを学んだり、木工教室で花台などを作りました。
枝打ち体験では、「腕を上げたままの作業でつらかった」と話していました。また、間伐体験では、木の方向を定めるために切る「受け口」切りに苦労していましたが、木が倒れると拍手や歓声が上がっていました。
木工教室では、設計図をにらみながら真剣に作業する先生や、自分で考えた作品を黙々と作る先生ーなど、それぞれ苦戦するところもありましたが、出来上がった作品に満足していました。
先生らは、体験林業を通して林業の厳しさの中にも楽しみがあることを感じ取っていました。
(担当=指導普及課)

緑の団員に森林教室

熊本南部森林管理署

熊本県球磨村立一勝地第二小学校の「緑の少年団」18人を対象に、森林教室を行いました。1泊2日のキャンプを利用しての森林教室でしたが、児童らは紙芝居や森林クイズなどで楽しみました。団員らは「森林の大切さが良く分かりました。森を大切にしていきます」と感想を述べました。

保護者30人に森林教室

都城支署

宮崎県立都城西高校の「PTA交流会」の保護者約30人を対象に、森林教室を行いました。保護者は地球温暖化などについて学んだ後、当支署職員の指導で、地元の間伐材を利用した木製プランター枠を製作。また、使ったことのない大鋸で丸太切りにも挑戦しました。参加した保護者は、「初めての体験で、童心に戻り楽しめました」と感謝の言葉がありました。

樹木観察の手法学ぶ

大分森林管理署

大分市高尾山自然公園において、森林官ら職員16人が参加し、第1回森林ふれあい研修を実施。研修は「樹木観察の手法」について、類似する樹種の見分け方・特徴のポイントを学びました。今後も知識を深め、積極的なふれあい業務ができるよう、さらに研修を充実させることとしています。

親子40人などに森林教室

熊本南部森林管理署

五木村の資料館広場と五木小学校跡地で、当署と国土交通省川辺川砂防事務所が主催し、親子・川辺川ふれあい体験「アウトドア絵日記2005」を開催。熊本県全域から1泊2日の共同生活を体験しようと、親子13組約40人が参加しました。当署は紙芝居などで森林の大切さを話したり、しおり作りなどを行いました。
また、熊本県人吉民芸村では、社会福祉法人ナザレ園の子供らを対象に、森林教室を実施。これは、毎年恵まれない子供らを励まそうと民芸村の村長が地域住民と交流会を開いているもの。当署も森林の話や壁掛け作りなどを指導し、子供らと交流を深めました。

指導官2人が研究発表

西表森林環境保全ふれあいセンター

沖縄県那覇市で亜熱帯森林・林業に関わる大学、行政、民間などの人々で構成される「亜熱帯森林・林業研究会」の総会・研究発表会が開かれ、11課題が発表されました。当センターからも、藤原昭博自然再生指導官が「西表島の外来種(ソウシジュ)の分布状況と繁殖抑制・個体管理に向けた取組について」、野邊忠司自然再生指導官が「船浦のニッパヤシ植物群落保護林の樹勢回復試験について」をそれぞれ発表しました。

住所変更のお知らせ

大分森林管理署直川森林事務所が、新築工事に伴い、次のとおり仮事務所に移転しますのでお知らせします。

住所 〒876ー0851
大分県佐伯市常盤東町8ー5(青山森林事務所内)
T E L 0972ー24ー0125
F A X電話番号と同じ
期 間平成18年1月31日まで

森林倶楽部特別企画

一生の思い出世界遺産の島「屋久島」 生命たぎる屋久杉に感動

当局では9月14日から16日の3日間、森林倶楽部特別企画「世界自然遺産の島『屋久島』2泊3日の旅~太古の森を訪ねて~」を行いました。
今回は特別企画ということで参加者を全国の森林倶楽部会員から募集したところ、遠くは東北森林管理局の会員2人を含め全国から23人が参加。また、スタッフとして屋久島森林管理署と屋久島森林環境保全センターから4人が協力しました。
1日目は、屋久町安房港に集合。屋久島環境文化研修センターと「島内産材住宅」を見学。

縄文杉を目指し登山

2日目は「縄文杉」を訪ね、屋久町・荒川登山口を午前7時に出発。平坦なトロッコ道をトコトコ歩くこと約午前2時間半、大株歩道登山口に到着しました。
ここからは、ウイルソン株、大王杉、夫婦杉、縄文杉を訪ねる、急な登山道を歩く難コースです。ウイルソン株を過ぎたあたりから、足の痛みなどを訴える参加者もいましたが、正午頃には全員が「縄文杉」に到着。参加者は時をこえ、なお生命たぎる屋久杉に感動するとともに、登り切ったという安堵と満足感に浸っていました。
近くの高塚小屋で昼食。昼食時にはヤクジカに遭遇するなど、楽しいひとときを過ごしました。その後、「縄文杉」をバックに記念撮影し、午後1時に下山開始。予定時間より30分遅れの午後6時に荒川登山口に帰り着きました。
3日目は、「千尋の滝」や屋久杉貯木土場、屋久杉加工工場を見学し全日程を終わりました。
最後に、参加者の皆さんから「一生の思い出になった。いい経験をさせてもらった」と感謝の言葉がありました。
(担当=指導普及課)

森の巨人たち百選 7 九州国有林の巨樹・巨木

モミ「尾鈴大山神」宮崎県都農町

巨木の概要
所在地=宮崎県都農町川北尾鈴国有林(西都児湯森林管理署管内)
樹種=モミ
樹高=27m
幹周=471cm
樹齢=不明

巨木周辺の状況
宮崎県都農町の管理するキャンプ場内に巨木は生育する。巨木が生育する尾鈴山は名貫川、坪谷川及び小丸川の源流部に位置し、特に名貫川の美しい渓谷は大小30を超える見事な瀑布群を形成している。この中の「矢研の滝」は「日本の滝100選」にも指定されている。
また、尾鈴山の尾根一帯に自生するシャクナゲの群落は九州一と言われ、開花は5月から6月上旬までで、淡紅色の花が咲く。

森林管理局の案内

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