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広報九州・平成17年6月号

宮崎県・綾の照葉樹林

プロジェクトが始動 官民5者が協定書に調印

宮崎県綾町文化ホールで5月28日と29日の両日、約600人が参加し、「照葉樹林文化シンポジュウム2005」が開かれました。
28日は、はじめに調印式が行われ、当局、宮崎県、綾町、綾の照葉樹林プロジェクト推進協議会(てるはの森の会)、(財)日本自然保護協会が、綾の照葉樹林プロジェクト「綾川流域照葉樹林帯保護・復元計画」の協定書に調印。対象地域は、宮崎森林管理署が管理する綾町を中心とする国有林約8700㌶を核に、隣接する県・町有林を合わせた約1万㌶です。
同プロジェクトは、開かれた国有林づくりのためのモデルプロジェクトとして、学術的、学際的にも貴重な綾の照葉樹林を舞台に、多様な主体が参画し、新たな市民参加型の森づくりに取り組むもの。昨年10月から当局、宮崎県、綾町、同推進協議会、日本自然保護協会との間で準備会合を重ね、基本理念、エリア、照葉樹林の保護・復元のあり方や活動方向、運営体制などの課題について合意されたことから、今回、調印の運びとなりました。

「照葉樹の森林」保護・復元し未来へ継承

調印式はテレビ局など多くの報道陣が取材する中、当局の鶴園重幸計画課長がプロジェクトの概要と経緯について説明した後、島田泰助局長、安藤忠恕宮崎県知事(代理)、前田穰綾町長、上野登綾の照葉樹林プロジェクト推進協議会(てるはの森の会)代表、田畑貞寿日本自然保護協会理事長の5者が協定書に調印しました。
調印後、島田局長が「本プロジェクトが大きな成果を生み出し、より豊かな綾の森林として未来へ継承していけるよう、今後も関係者の皆様とともに努力していきたい」とあいさつ。
続いて、前田綾町長が「綾町が推進してきた照葉樹林を核とした自然と共生する町づくりや世界遺産登録に向けて夢が大きく膨らみ、その果たすべき役割は大きなものがあると期待しています」とあいさつしました。
調印式終了後、第1部で大澤雅彦東京大学大学院教授が、「綾の照葉樹林-守るべき意味は何か-」と題し基調講演。
第2部でパネルディスカッション「自然と共生する地域づくりを目指して」が行われ、当局の肥後賢輔計画部長がパネリストとして参加しました。
29日は、森林ボランティア班と自然散策・ネイチャーゲーム班に分かれてイベント「照葉樹林を歩こう!」が行われ、多くの参加者で賑わいました。
(担当=計画課)

署長等会議

新生国有林の確立を会議に林野庁からも出席

当局では5月19日と20日の両日、局大会議室において、新生国有林2年目として初めての森林管理署長等会議を開催。林野庁からも青木庸三管理課長らが出席しました。
会議では、島田泰助局長の訓示に続いて、林野庁の青木管理課長が平成16年度決算、平成17年度予算とその事業運営の林野庁方針などについて説明。その後、3部長が説示し、質疑討論を行い、新生国有林の確立に向けて、諸課題に局・署一体となって全力で取り組む決意を新たにしました。
なお、局長訓示の主な内容は、次のとおりです。

局長訓示・攻めの姿勢で

新生国有林の確立に向けて、集中改革期間終了後2年目をよりしっかりとした形で色々な活動を定着させなければならない。そのためには、次の3点について努力して頂きたい。
一つには、公益的機能重視の森林経営と収入確保の両立を図るため、間伐を積極的に行い、間伐が収入に結びつくよう取り組んで頂きたい。
二つには、モデルプロジェクトや地域発案システムなど、地域の皆さんや広い範囲の方々と連携していくような、外に向いた事業を積極的に展開して頂きたい。
三つには、我々が行っていることを国民に知ってもらうため、積極的にPRして頂きたい。
最後に、署長等は攻めの姿勢を忘れず、強いリーダーシップを発揮するとともに、労働災害の防止に万全を期するようお願いする。
(担当=総務課)

農林水産まつりで国有林をPR

宮崎森林管理署

今回で22回目となる宮崎農林水産まつりに参加し、例年好評のタケノコ、ワラビ、イタドリなどの山の幸を販売しました。例年出店していることから顔なじみも増え、大盛況でした。また、地域発案システムで取り組んでいる「みんなで創ろう一ッ葉の森林」のパンフレットを配布し、開かれた国有林をPRしました。

第1回実践・公開講座 心温まる絵手紙

植物の息吹個性豊かに描く

当局では5月15日、熊本城内の監物台樹木園において一般市民を対象に、平成17年度第1回実践・公開講座を開きました。
今回の講座は「心温まる絵手紙」。講師は昨年もご指導頂き、美術家として活躍中の怒留湯誓先生で、20人が参加しました。
怒留湯先生から植物の花や葉っぱの描き方、葉脈の表現や光と影などについて学んだ後、植物を前に腕をふるいました。参加者は、ハガキに植物の特徴を描こうと真剣に、また楽しげに筆を動かしました。時折、講師の手助けもありましたが、次々と出来上がった色鮮やかな素晴らしい作品に満足していました。
後日、参加者から、公開講座で描いた心温まるお礼の絵手紙が届きました。
(担当=指導普及課)

ボランティア200人が植樹

西都児湯森林管理署

宮崎県高鍋町の蚊口浦国有林で、当署と高鍋町が共催し、植樹祭を開きました。地域住民、高鍋みどりの少年団などのボランティア約200人が抵抗性クロマツ300本を植樹。また、同海岸林のゴミ拾いも行い、不法投棄の防止を呼びかけました。同海岸林の整備は、地域発案システムの一環として行っているもので、今後も地域と一体となって取り組むこととしています。

森林保全巡視員10人が遊歩道整備

大隅森林管理署

多くの小中学生や市民らが利用している「たかくまふれあいの森」において、森林保全巡視員10人がボランティアで参加し、遊歩道の整備を行いました。これは、地域発案システム活動の一環で、朽ちていた階段が見事に整備され、快適な散策などが行えるようなり、今後、さらに多くの人の利用が期待されます。

シカ食害から希少植物守る

宮崎北部森林管理署

「九州中央山地森林生物遺伝資源保存林」や宮崎県の天然記念物「白岩山石灰岩峰植物群落」に指定されている三方界国有林の白岩山(1620m)に、ボランティア40人が参加し、シカの食害からキレンゲショウマなどの希少植物を守るための防護ネットや支柱などを担ぎ上げました。同国有林周辺はシカの食害が著しく、希少植物の絶滅が危惧されており、近日中には防護ネットを設置することとしています。設置カ所は林道から2kmもあり、運搬は大変でしたが無事終わりました。

緑のオーナー60人がタケノコ掘り

福岡森林管理署

宗像市の国有林において、緑のオーナーや同家族ら60人が参加し、タケノコ掘りを行い、親睦を深めました。はじめに、参加者は分収育林公売の予定などについて説明を受けた後、山鍬を手に竹林へ。慣れない手つきで悪戦苦闘していましたが、やっと掘り取ったタケノコを手に大喜びでした。最後に、「良い思い出になりました」とお礼がありました。

音楽通じ環境保全を

植樹指導などで協力グリーンアース21

音楽を通じ環境保全を訴えようと、歌手の五木ひろしさんが中心となり立ち上げたイベント「GREENEARTH21inASO」(実行委員会会長・海部俊樹元首相)が5月21日と22日の両日、熊本県南阿蘇村野外劇場アスペクタで開催。
その関連イベントとして21日に「植樹会」が開かれ、当局や熊本森林管理署から島田泰助局長をはじめ9人が参加しました。
今回の「植樹会」への参加は、実行委員会から協力要請があったもので、植樹会場までの苗木運搬や山鍬の貸出し、植樹指導などを行いました。
「植樹会」では、海部元首相や五木ひろしさんらが、200人の一般参加者とともに記念植樹。2㌶の村有地にクヌギやケヤキなどの広葉樹を植えました。
また、森林の働きなどのパネルの展示も行い、九州森林管理局をPRしました。
(担当=総務課)

「遊々の森」協定記念し森林教室

鹿児島森林管理署

鹿児島県伊仙町において、カムィヤキジョギング大会が開かれ、遊々の森「カムィヤキの森」の協定を記念し森林教室を実施。この森林教室は、同町と当署が連携して行ったもので、約100人が参加。参加者は森林の働きなどについて学んだ後、森林内を散策しました。最後に、同町から「水資源について森林の果たす役割が重要であることを多くの町民に知ってもらうことができました」と感謝されました。

林業事業体ら60人が間伐学ぶ

大分西部森林管理署

大分県九重町の寺床国有林において、当署と林業事業体の関係者約60人が参加し、収穫調査規程等の一部改正に伴い、その周知と適切な実施に向け現地検討会を開催。技術専門官が改正点のポイントや留意事項などを説明した後、高齢級間伐予定カ所に設定していたプロットにおいて、実際に間伐木を選木し検討しました。検討会では活発な意見交換が行われるなど、有意義な現地検討会となりました。

地元国有林材でグループホーム「銀河の里」完成

大隅森林管理署

平成16年9月から建築が進められていた社会福祉法人内之浦会グループホーム「銀河の里」がこのほど完成しました。
この「銀河の里」は木造平屋建ての合掌造りで、延べ面積500平方㍍。構造材をはじめ、すべての材は内之浦町の国有林から産出されたもので、スギ材約200立方㍍(従来工法の約2倍の木材を使用)を使用した地材地建(地域で生産された木材を使って地域の大工・工務店等が住宅を建てるという趣旨)の木造施設です。
施主によると、入居者や地域の方々に国産材の魅力を肌で感じて欲しい一念から「とにかく地元内之浦材にこだわりました」とのこと。
使用部材は地元材の特性があますところなく活かされ、また、随所に入居者への心配りがなされており、早くも遠方からの見学者が訪れています。
見学者は、国産材が醸し出す落ち着いた雰囲気や木の香ばしい純木造建築の素晴らしさに感動し、国産材の良さを再認識するなど、国有林材の普及宣伝にも一役かっています。

森林保全巡視員5人に委嘱状

宮崎森林管理署

一ッ葉海岸の松林を再生させようと「松のみどり自主管理促進事業」に取り組んでいる宮崎市の檍振興会の日高郁夫会長はじめ5人に、署長が森林保全巡視員の委嘱状を交付しました。日高会長は委嘱状を手に、「ゴミの不法投棄の監視・指導などが一層強化できます」と決意を述べられ、今後、同松林がさらに美しく保全されることが期待されます。

森の巨人たち百選 3 九州国有林の巨樹・巨木

国指定特別天然記念物「鬼杉」

巨木の概要
所在地=福岡森林管理署管内(福岡県添田町英彦山国有林)、樹種=スギ、樹高=38m、幹周=12・4m、樹齢=1200歳(推定)。
巨木周辺の状況
日本三霊山の一つ・国定公園英彦山の麓に巨木は生育し、風雨と雷に打たれ、樹木の頂点が折れている。周辺は鬼杉とはいかないまでも比較的大きな杉が林立する。林道や登山道は急な斜面が少なく、緩やかな登り道が続く。
県内最大最高のスギで、一見の価値あり。大正13年12月9日国指定特別天然記念物に指定。
根が地上に出て樹勢が低下しているため、根の周囲を踏まないよう要注意。

森林管理局の案内

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