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京都大阪森林管理事務所

「松風景再生シンポジュームin京都」での岩北森林警備隊の"宣言"を公開!!

岩北森林警備隊 研究発表

松風景再生シンポジューム in 京都「松の木の美しき京都復活を願ひて」

私たちは『IWAKITA森林警備隊』です。日頃は40名ほどで活動しています。 学校裏の岩北山をベースに自然観察を中心に山で思い切り遊んだりしながら、 自然を見守り自然を大切にする方法を学んでいます。 私たち「IWAKITA森林警備隊」は、7月23日に「山の樹の声を聞く会」という自然観察会に雨の降る中、参加しました。 岩北山には、生まれたての松から2~3m、そしてどこまで伸びるのだろうと思うほど背の高い松。 特に2~3mの若い松が密生している中に入り、太陽の光が当たると別世界にいるような景色になる場所があります。 でも、岩北山の中で枯れて倒れたり伐採され細かく切られている樹は、ほとんどが松であること、 そして岩北山全体(約7200m2)の3分の1の2000m2の範囲だけで、175本が枯れて倒れていることを観察で知りました。 この活動を通して、グループごとに見守る松を決めました。岩北山に1週間に2回出かけ松の様子を詳しく観察し 枯れ始めた部分を少しでも発見したら、「IWAKITA森林警備隊」隊長に報告します。 でも,マツノザイセンチュウの被害をこうむった松の救い方はまだ分かりません。 これから研究するしかありません。まず、観察し続けること・見守り続けることでスタートしました。 でも何十年~2・3百年マツノザイセンチュウの被害を受けることなく大木になっている松もとっても多い事もわかりました。 長い間かかって大木になったんだから「大木は抵抗性が高いのかな?」など、みんな色々考えるようになりました。 各グループで見守る松5本を決めました。

その中の1本が偶然にも、8月17日に私たちの一人が枯れかけていることを発見しました。 この時には、私たちは『岩北森林警備隊』は松枯れに大変な興味を持ち、被害の重大さも知っていました。 なぜかというと、8月5日に伏見の森林総合研究所へ見学学習に出かけ、黒田慶子先生に指導していただき、 松枯れのことを中心にいろんな事を学習していたからです。 マツノマダラカミキリが原因でマツノザイセンチュウが松に入り松枯れを起こします。 それから毎日心配で、写真で記録をしましたが、8月27日には、どう見ても松の緑がもどる姿ではありませんでした。 黒田先生から教えていただいた方法で寺田先生がマツノザイセンチュウの抽出を試みたところ、残念なことに、 森林総合研究所で見せていただいたものと同じうごめく1mm以下のものがウジャウジャと実態双眼顕微鏡を通して見えました。 そんな観察をするなかで松ががどのような働きを持つのか、その一部ですが、森林警備隊として調べたり考えたりしました。

9月30日には岩北山で、「遊びと新発見学校」という松の観察を中心にした観察会をしました。 その日は、完全に松枯れになった松を切り倒す寂しい日でもあったのです。 この日は、黒田慶子先生、村上幸一郎先生、野崎愛子先生が私たちの指導に来て下さいました。 森林警備隊長の手で根元から切り倒されました。数日前に既にマツノザイセンチュウが抽出されていました。 でも今回は、切り倒された松をきめ細かく観察できました。 マツノマダラカミキリが食べた痕だと思う枝を野崎愛子先生に見せました。 すると「これは、去年噛んだ痕で松も頑張って囓り痕を治そうとして、途中でできなくなってしまったのです。」 と教えて下さいました。「やはり松も本当に頑張っているんだと思いました。」

でも、今まで森林警備隊は、「自然の中で役に立っていないものは何もない。」 という考え方を常に持ちながら活動してきました。少し変ですが、私たちは、マツノザイセンチュウは何のために この地球上に生まれてきたのだろう? こんなことを考える森林警備隊です。

そして、森林警備隊が何より大切に考えている事は森林の中のあらゆる自然を見ることです。 さらに森林全体を一つの生き物として見る事です。そうすればいっぱい新しい発見と感動があり、 自然の巧みさ・不思議さ・美しさ・物を生み出す力・そして自然に生かされている自分たち自身が見えてきます。

私たち岩北森林警備隊は松の緑がよみがえるためのパイオニアになる努力を続けます。

主催: 林野庁 京都府 森林総合研究所 協力: 京都「おやじの会」連絡会
写真撮影: 山下道隆・寺田克彦・長永広江・野村英之・上野聡司
ビデオ撮影: 京都大阪森林管理事務所・上野恵美
マツノザイセンチュウ・ムービー: 黒田慶子
ビデオ編集: 上野恵美
ビデオ制作責任者: 上野聡司
制作協力: フェアーウインド

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