京都大阪森林管理事務所

プロジェクト発足について

平成18年9月14日

古都のマツの緑復活プロジェクトの発足について

松のある風景は、見る人の気持ちを清々しくさせる力があり、古都京都にふさわしいものです。近年、北米産のマツノザイセンチュウ（1mm未満の線虫）による松枯れが原因で、京都市内のアカマツは、一部を除いてその多くが枯れてしまっています。
この松枯れ被害を食い止めるべく、専門家らは長年にわたり防除法や品種開発などの研究を進め、予防薬や抵抗性マツの利用が始まるようになりました。
こうした中、古都の松が失われる危機感を抱いた京都の文化人や社寺、市民団体だけでなく、文化組織、研究機関、市、府、国など多くの関係者が、京都府が推奨する「モデルフォレスト」の理念に基づき、マツの緑を復活させるプロジェクトチームを発足させましたので、ここにお知らせいたします。
このプロジェクトでは、世界文化遺産をはじめ京都のマツの緑を守り「松のある風景」を取り戻す運動を次のとおり予定しています。詳しいプロジェクトの内容については、別紙をご覧になってください。

平成18年度のプロジェクト活動予定

(ア) シンポジウムの開催（11月12日実施予定）

社寺の庭園にみられる松や歴史遺産としての天橋立など、京都における松の文化的価値を再確認する
松枯れと抵抗性マツの科学的な仕組みを学ぶ
松のある風景を復活するために相互連携で何ができるのか議論する
今ある松を守るための総合的な防除の普及啓発

(イ) 京都産の抵抗性マツの開発に向けた取組

庭園用の松に求められる素質の勉強会（既実施）
被害地の中から抵抗性マツの候補木を探索し、増殖用の枝を採種（1月～3月）
抵抗性アカマツの採種園を改善するためのデータを収集する。

(ウ) 社寺等への抵抗性マツの供給と総合的な防除の普及啓発

主に林業や治山事業用に生産されてきた抵抗性マツを、希望する社寺に販売（1月～3月）
記念植樹会の開催（1月～3月）

(エ) 環境教育の題材に活用

おやじの会や、小学校の先生による、松を題材にした環境教育の実践（7月～）
枯れた松を探す、生き残った松を探すなど、プロジェクト活動への参画

(オ) その他

京都三山の景観をどのように守っていくのか、そのあり方についての調査事業（林野庁実施）
松林再生事業の実施（京都府、林野庁実施）

（お問合せ先）

古都のマツの緑復活プロジェクト

今後の活動内容、シンポジウムについては、
京都嵯峨芸術大学観光デザイン学科　真板（座長）
Tel　075-864-7858

抵抗性マツの供給方法、モデルフォレストについては、
京都府林務課　鳥越
Tel　075-414-5015

マツの枯死と抵抗性のメカニズムについては、
森林総合研究所関西支所　黒田
Tel　075-611-1201

全体的な話については、
京都大阪森林管理事務所　村上（事務局）
Tel 075-451-6511

ホームページ
http://www.kinki.kokuyurin.go.jp/kyoto/index.html