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京都大阪森林管理事務所

松の育て方についてプロの苗木屋さんの中西様から聞きました!

2007年6月8日

かわいい松葉が鳥に食べられてしまうことがあるそうです!ご注意を!!

2名の里親の方から、松が何者かに折られたり、食べられたりしてしまったという相談がありました
お一人の方は全滅だったそうです。。。すぐに種をお送りしましたが、このような悲劇が、他の里親の方に起こってはいけません

早速、プロの苗木業者、中西至誠園 (なかにししせいえん)の社長 中西 信市郎さんに聞いてみました

「松の苗が鳥に食べられるなんてことが、あるのでしょうか?」

スズメなどの鳥害がまず考えられます。
マツ類の種は好物のようで、発芽して子葉が完全に開葉するまでは喜んで食べに来ます。
鳥害の場合は、発芽直後ならば全部食べてしまいますし、葉が開きかけたものも上のほうの柔らかそうなところだけをかじる事もあります。
発芽前なら種皮だけ残して内側だけキレイに全部食べてしまいます。
対策はネット状のものをかけるのが一番と思います。

「他にも虫とかいませんか?」

ヨトウムシという蛾の幼虫による食害が考えられます。
マツ類にはあまり加害しませんが、今の時期、苗木の地際からポキッと折れて倒れていることが時々あります。
しおれて間もない状態なら、その苗木の根元を少し掘って見ると灰色のイモムシのような幼虫を見つけることが出来ます。
こいつはその名の通り、夜、土の中から出てきて根元をかじるようです。
見つけ次第つぶすか、ホームセンターなどで市販されている殺虫剤をかければいいと思います。
苗が生長して軸が太くなれば少々かじられてもだいじょうぶになります。
もうしばらくすれば心配ないでしょう。

それからもうひとつ、立ち枯れ病があります。
苗の地際のところが細くなってしおれて枯れることがあります。
立ち枯れ病の場合はポキっと折れた感じではなく、やんわり曲がってしおれているはずです。
苗の根元(土の直ぐ上あたり)が黒ずんで細くなっているようならこれです。
主な原因はもちろん病原菌とあとは日光不足・水分過多などです。
市販の土をお使いなら日光不足か水のやりすぎが原因になります。
苗畑では土壌消毒してから播種しているのであまり出ませんが、発芽間もない頃に曇天が続くと立ち枯れが出る年もあります。
立ち枯れももう少し成育が進むと心配なくなります。

「中西至誠園では松の苗木の様子はいかがですか?」

今は、白い寒冷紗で覆いをしていますが、これは、スズメなどの鳥害対策です。

ようやく発芽がそろってきたので、近々取ってしまう予定です。

スギ・ヒノキは発芽がそろってくると黒い寒冷紗をトンネル状にしてお盆過ぎまでかけますが、マツ類は極端な陽樹なので鳥害対策が終われば覆いなしで育てています。
潅水・施肥等は基本的にやりません。

「ありがとうございました」

中西様、ご助言、本当にありがとうございました
さすがはプロの苗畑ですね!規模が違います!
日焼けに弱いと聞いていたのですが、鳥害対策が終われば覆いなしで大丈夫のようです。
松は太陽が大好きですから、松葉が大きくなってきたら、私も、直接日の当たる場所に移動してみようと思います
里親のみなさんも、トライしてみてください!

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