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由利森林管理署

なだれ防災林造成

なだれ防災林造成は、なだれの発生、流下又はそのおそれのある箇所に、予防施設を設置しなだれの発生を予防しつつ、同時に森林造成を行い、なだれ災害の防止又は軽減を図ることを目的とします。

 

なだれと森林の関係

なだれは、一般的に傾斜25°~65°の斜面で、特に凹形の浅い谷状の斜面で多く見られ、以下のようにタイプが区分されます。

 

形態を主とするなだれの分類(日本雪氷学会1965) 

なだれ分類の要素

区分名

定義

(1)なだれ発生の形

点発生

一点からくさび状に動き出す。一般に小規模。

イメージ図(JPG:64KB)

面発生

かなり広い面積にわたりいっせいに動き出す。一般に大規模。

(2)なだれ層の雪質

乾 雪

なだれ層が水気を含まない。

 

湿 雪

なだれ層が水気を含む。

(3)すべり面の位置

表 層

すべり面が積雪内部

イメージ図(JPG:138KB)

全 層

すべり面が地面

 

一方、森林には、降雪・積雪に対し以下の機能を有しています。

(1)林内積雪量の減少及び分布の均一化

(2)気温や雪温の急激な変化の緩和による積雪の安定度の向上

(3)樹幹の支持力による積雪の移動防止

(4)樹木の抵抗による流雪の緩衝作用

(5)雪ぴの発生防止

(6)なだれの発生防止

(7)なだれの緩衝作用

 

しかしながら、なだれの発生しやすい場所ではなかなか樹木が育たず、慢性的になだれが発生してしまいます。

そこで、なだれ防災林造成を行い、早期に森林を形成し、なだれ発生の防止およびなだれによる被害の軽減に努めています。

 

 

なだれ予防柵工

 

なだれ防災林造成には、様々な工種がありますが、由利森林管理署では「なだれ予防柵工」を行っています。

なだれ予防柵は、なだれの発生区に設置し、なだれの発生を未然に防ぐための柵状の施設で、全層なだれ及び表層なだれの両者に効果があり、予防工の中で最も確実な工種とし現在広く実行されています。

 

写真:平成17年3月末のなだれの様子

(由利本荘市鳥海町鷹巣)

大規模(面発生)なだれの状況です。

黒く帯状になった部分がなだれの発生区です。

写真:なだれの発生

写真:根曲がりした小径木

なだれ多発地では、樹木が育ちにくく、また、根曲がりしやすいため、森林によるなだれ防止効果が減少しています。

写真:根曲がりした小径木

写真:施工後の状況(事業途中)

平成21年3月末の様子です。小規模(点発生)なだれは発生していますが、平成17年にくらべ、その規模はかなり抑えられています。

写真:施工後の状況(事業途中)

写真:予防柵工の状況

写真中央上段に予防柵が設置されています。

なだれの発生する可能性が高い箇所に予防柵を設置することにより、予防もしくは規模の縮小が可能となります。

写真:予防柵の状況

 

なだれは、降雪状況や気温の変化など気象条件に左右されることが多く、今までなだれが起こったことが無い場所でも、突然発生する可能性があります。

気象情報等に十分ご留意ください。

お問い合わせ先

由利森林管理署 
担当者:治山課
ダイヤルイン:0184-22-1076
FAX:0184-22-2274

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