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更新日:平成27年6月30日
担当:徳島森林管理署
徳島森林管理署は、徳島県内の国有林を吉野川と那賀・海部川の流域別に、国土の保全や水源の涵養、自然環境の保全など公益的機能の維持増進を重視した管理経営を推進しています。 このため、公益重視の管理経営を一層推進し、国民の要請に適切に対応するため、国有林野を重視すべき機能に応じ「山地災害防止タイプ」、「自然維持タイプ」、「森林空間利用タイプ」、「快適環境形成タイプ」、「水源涵養タイプ」に区分し、これらの機能類型区分ごとに森林施業を推進しています。 |
機能類型総 面積16,287ha 100% |
吉野川流域 11,830ha |
那賀・海部川流域 4,457ha |
---|---|---|
山地災害防止タイプ 3,178ha (19%) |
2,005ha |
1,173ha |
自然維持タイプ 943ha (6%) |
914ha |
30ha |
森林空間利用タイプ 4,254ha (26%) |
3,571ha |
683ha |
快適環境形成タイプ |
― |
― |
水源涵養タイプ 7,912ha (49%) |
5,340ha |
2,572ha |
きれいに間伐された水源涵養タイプ |
森林空間利用タイプ |
国有林野事業は、公益重視の管理経営の一層の推進及び我が国の森林・林業再生への貢献を旨として、民有林との連携に積極的に取組み、民有林へ貢献することとしています。
地域における適切な森林整備や林業・林産業の活性化を図るためには、流域を単位として、民有林と国有林で協調しながら計画をたて、事業を進めることが重要です。
このため、民有林行政を担当する県や市町村と連携して、流域の課題やニーズの的確な把握、森林計画等の策定のための意見調整などを進めています。
流域 | 市町村 | 総面積 | 国有林 | 官行造林 | 民有林 | 森林面積計 | 森林率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
吉野川 | 三好市 |
72,148 |
9,019 |
416 |
53,546 |
62,981 |
87% |
吉野川 | つるぎ町 |
19,480 |
1,752 |
- |
14,466 |
16,218 |
83% |
吉野川 | 美馬市 |
36,738 |
632 |
74 |
28,428 |
29,134 |
79% |
吉野川 | 神山町 |
17,331 |
427 |
- |
14,446 |
14,873 |
86% |
吉野川 | 徳島市 |
19,162 |
- |
21 |
5,025 |
5,046 |
26% |
吉野川 | 佐那河内村 |
4,230 |
- |
7 |
2,892 |
2,899 |
69% |
吉野川 | 阿波市 |
19,097 |
- |
127 |
9,967 |
10,094 |
53% |
吉野川 | 吉野川市 |
14,419 |
- |
104 |
8,037 |
8,141 |
56% |
吉野川 | 東みよし町 |
12,255 |
- |
114 |
9,473 |
9,587 |
78% |
吉野川 | その他 |
49,874 |
- |
- |
25,615 |
25,615 |
51% |
吉野川 | 小計 |
264,734 |
11,830 |
863 |
171,895 |
184,588 |
69% |
那賀・海部川 | 那賀町 |
69,486 |
3,887 |
513 |
61,675 |
66,075 |
95% |
那賀・海部川 | 海陽町 |
32,758 |
570 |
625 |
28,690 |
29,885 |
91% |
那賀・海部川 | 美波町 |
14,085 |
- |
112 |
12,365 |
12,477 |
89% |
那賀・海部川 | その他 |
33,604 |
- |
- |
19,860 |
19,860 |
59% |
那賀・海部川 | 小計 |
149,933 |
4,457 |
1,250 |
122,590 |
128,297 |
86% |
計 | - |
414,667 |
16,287 |
2,113 |
294,485 |
312,885 |
75% |
率(%) |
- |
5.2 |
0.7 |
94.1 |
100 |
釜ヶ谷国有林(那賀町) |
那賀川治山事業(那賀町木沢地区) |
|
施工前(崩壊状況) |
施工後(木製治山ダム) |
崩壊地には、山腹工事を計画し、早期緑化を図ります。
はじめに、法切工などを行い崩壊地を整地し、土留工・水路工などの山腹基礎工により斜面を安定させ、その後、筋工・種子吹付工・伏工・植栽工などの緑化工を施工し、斜面の植生を回復させます。
剣山リフトの崩壊地 |
施工状況 |
野生動植物の生育・生育地の拡大と相互交流を促すため、平成15年3月「四国山地緑の回廊」(約1万ha)設定しました。この地域では、四国では絶滅のおそれのあるツキノワグマ、特別天然記念物のカモシカ、猛禽類のクマタカなども生息しています。当署に係る緑の回廊は4,142haとなっています。
また、シコクシラベやシャクナゲなどの稀少な植物は保護林として保護するほか、生物多様性の保全に資するよう、長伐期化や広葉樹林化などの取組みを行っています。
近年、剣山系を中心にニホンジカの生息数が急増しており、その食害が深刻な問題となっています。このため、剣山地域ニホンジカ被害対策協議会や徳島県、近隣署、NPOなどと連携して対策を行っています。
具体的には、シカの食害を防止するための樹木ガード、シカ除けネット、ツリープロテクターの設置などにより植物の保護を図るほか、平成23年度からは箱ワナによるシカ捕獲にも取り組んでいます。
スギ、ヒノキ人工林の大部分が成熟期にあるため、適切に間伐等を行い、健全で公益性の高い森林に育てると共に、間伐材は原則として搬出することにより木材の安定供給に努めています。
森林を適切に管理・経営するためには、林業専用道等の路網の整備が必要です。
このほか路網は、森林レクリエーションなどへの利用や、間伐を行うための作業路として開設しています。
国有林の管理経営は、国土の保全その他国有林の有する公益的機能の維持増進を図るとともに、林産物を持続的かつ計画的に供給し、国有林野の活用によりその所在の産業の振興又は住民の福祉の向上に寄与することを目標として、
①公益重視の管理経営の一層の推進
②森林の流域管理システムの下での森林・林業再生に向けた貢献
③国民の森林としての管理経営を推進すること
としています。
また、開かれた国民の森林としての管理経営を一層推進するため、各種計画の策定、変更時の意見聴取や国有林モニターなど、双方向の情報発信による対話型の取り組みを進めています。
国有林の管理経営は、地域管理経営計画などに基づいて行ないます。
計画策定(森林法第7条の二に基づく)の際には、公告・縦覧等により国民の皆様や市町村など関係行政機関のご意見を反映するよう努めています。
国有林には、国民が国有林に木を植えて、成林するまでの一定期間育てた後伐採し、その収益を分収する「分収造林」(9件約41ha)を設定しています。
また、ボランティアによる森林整備(ふれあいの森、約5ha)も行っています。
国有林は、国民の共通の財産として、地域や団体と協定を結び多様な取組を進めます。
那賀・海部川流域
締結日 | 平成15年8月6日 |
場所 | 徳島県那賀郡那賀町釜ヶ谷国有林103林班い小班面積4.59ha |
相手先 | 高知林業土木協会「しこくの森づくりに参加する会」 |
協定の有効期間 | 平成26年4月1日から平成31年3月31日 |
目的 |
国有林では、森林づくりに参加したい、直接森林とふれあいたいなど皆さんの声に応えるため、国有林を提供しボランティア活動の場として活用。 |
吉野川流域
締結日 | 平成20年3月26日 |
場所 | 徳島県三好市東祖谷祖谷山国有林2林班は小班外58箇所面積:660.72ha |
相手先 | 祖谷のかずら橋・架け替え資材確保実行委員会 |
協定の有効期間 | 平成24年4月1日から平成29年3月31日 |
目的 | 国指定の重要有形民俗文化財「祖谷のかずら橋」、同市東祖谷にある「奥祖谷二重かずら橋」の架け替え用資材である「シラクチカズラ(サルナシ)」の安定的確保と資源の育成。 |
平成27年2月23日竣工 |
那賀・海部川流域
締結日 | 平成26年3月27日 |
場所 | 徳島県那賀郡那賀町(なかちょう)六丁陰傍示(ろくちょうかげぼうし)国有林137林班外、面積424.02ha |
相手先 | 那賀町、徳島森林づくり推進機構、徳島水源林整備事務所、徳島県 |
協定の有効期間 | 平成26年4月1日から平成31年3月31日 |
目的 |
民有林と国有林が連携して森林共同施業団地を設定し施業の集約化、効率的な路網の整備等を行い、民有林と国有林が一体となって効果的な森林整備を推進。 |
吉野川流域
締結日 | 平成21年6月29日 |
場所 | 徳島県三好市東祖谷菅生三嶺(さんれい)国有林24林班外面積133.82ha |
相手先 | 徳島水源林整備事務所 |
協定の有効期間 | 平成24年4月1日から平成29年3月31日 |
目的 | 民有林と国有林が連携して森林共同施業団地を設定し施業の集約化、効率的な路網の整備等を行い、民有林と国有林が一体となって効果的な森林整備を推進。 |
吉野川流域
締結日 | 平成23年7月12日 |
場所 | 徳島県三好市東祖谷樫尾国有林20林班外面積:494.76ha |
相手先 | 徳島水源林整備事務所 |
協定の有効期間 | 平成24年4月1日から平成29年3月31日 |
目的 | 民有林と国有林が連携して森林共同施業団地を設定し施業の集約化、効率的な路網の整備等を行い、民有林と国有林が一体となって効果的な森林整備を推進。 |
吉野川流域
締結日 | 平成24年3月14日 |
場所 | 徳島県三好市東祖谷五郎谷国有林62林班外面積229.25ha |
相手先 | 徳島水源林整備事務所 |
協定の有効期間 | 平成24年4月1日から平成29年3月31日 |
目的 |
民有林と国有林が連携して森林共同施業団地を設定し施業の集約化、効率的な路網の整備等を行い、民有林と国有林が一体となって効果的な森林整備を推進。 |
吉野川流域
締結日 | 平成25年3月22日 |
場所 | 徳島県美馬郡つるぎ町実平・広沢国有林118林班外面積1,171.44ha |
相手先 | 徳島県西部総合県民局、つるぎ町、美馬森林組合 |
協定の有効期間 | 平成25年4月1日から平成29年3月31日 |
目的 |
民有林と国有林の連携モデルとして、森林共同施業団地を設定し施業の集約化、効率的な路網の整備等を行い、民有林と国有林が一体となって効果的な森林整備を推進。 |
間伐作業中 |
間伐作業後 |
徳島森林管理署では、森林環境教育等の一環として教育関係機関や地方関係機関と連携し、森林教室等の実施や外部団体主催のイベントへの参加等を行っています。この取組みを推進することにより、森林の役割や木材を利用することの大切さを伝え、国民の森に対する理解と関心を高めています。
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パネルを用いて森林の働きについて学ぶ (徳島市立加茂児童館) |
自然のものに触れながら行うクイズ (徳島市立上八万児童館) |
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丸笹山での登山及び自然観察 (美馬市木屋平中尾高原[平成荘]及び丸笹山) |
樹木の名前や由来について学習 [沖洲児童館](徳島市総合動植物公園とくしま植物園) |
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山時と緑のフェアにおいて実施した丸太切り体験 (徳島市藍場町藍場浜公園) |
モミの葉っぱを使ってクリスマスリースづくり (徳島市立西富田・新町児童館) |
人と森林とのふれあいの場を提供するため、四季折々の自然の美しさを楽しむことができる風景ゾーンや野外スポーツゾーンのある自然休養林などのレクリェーションの森を設定し、森林とふれあえる環境を整備しています。 徳島森林管理署には、剣山自然休養林等の6ヵ所,4,143haのレクリェーションの森があり、多くのビジターに親しまれています。
高城(たかしろ)山風致探勝林(ファガスの森) |
丸笹山山頂 |
名称 |
みどころ |
施設 |
アクセス・宿泊先等 問い合わせ先 |
剣山(つるぎさん)自然休養林 | 剣山からの眺望及び稜線に連なる高峰からの山岳美 |
剣山登山リフト (4月末~11月末営業) |
徳島県三好市役所東祖谷総合支所 0883-88-2211 徳島県つるぎ町役場一宇支所 0883-67-2111 |
三嶺(みうね)自然休養林 |
三嶺からの眺望 |
三嶺ヒュッテ(無人) トイレ、駐車場 |
徳島県三好市役所東祖谷総合支所 |
矢筈・烏帽子(やはず・えぼし) 風景林 |
烏帽子から矢筈山にかけての稜線からの眺望 |
避難小屋(無人) トイレ、駐車場 |
徳島県三好市役所東祖谷総合支所 0883-88-2211 徳島県つるぎ町役場一宇支所 0883-67-2111 |
土佐矢筈山(とさやはずやま) 風景林 |
山頂からの眺望 コメツツジの群生 |
トイレ、駐車場 | 徳島県三好市役所東祖谷総合支所 0883-88-2211 高知中部森林管理署 0887-58-3131 |
雲早(くもそう)風景林 |
林道上からの眺望及び四季を彩る渓谷美 | 徳島県神山町役場 088-676-1111 |
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高城山(たかしろやま)風致探勝林 |
探勝・散策に適した樹齢数百年のブナ(ラテン語でファガス)を主体とした森林美 |
ファガスの森高城 |
徳島県那賀町役場木沢支所 |
国有林では、貴重な自然環境としての天然林等の保護を適切に図るため、保護林を設定して、保護に努めています。
剣山系と石鎚山系のみに生育する北方系のシコクシラベ林(面積4.23ha)を平成3年に保護林に設定し、稀少な遺伝資源を保存するとともに、シカ食害からの保護を行いながら、試験研究などを行っています。
シコクシラベの雄花と雌花(球果) |
鎗戸植物群落保護林(面積25.48ha)は、高標高域の森林で、四国では少ない亜寒帯林の様相を呈し、高齢級のヒメコマツ(ゴヨウマツ)やコメツガ等の針葉樹天然林が広く分布しています。
シコクシラベ林木遺伝資源保存林と隣接。
剣山植物群落保護林(面積446.01ha)は、剣山・次郎笈の北西斜面に位置し、ブナが優占する落葉広葉樹林が広い範囲を占め、沢沿いにはサワグルミ等の渓畔林が成立し、高標高域にはシコクシラベなどの亜寒帯性の樹種が残された貴重な原生林です。
久藪国有林内、津志嶽の中腹に広がるシャクナゲ群落は、自生地が広く本数も多いため全国的にも珍しく、適切に保護管理するため津志嶽東面の天然林18.93haについて、平成23年9月に四国森林管理局とつるぎ町の間で郷土の森保存協定を締結しました。
徳島森林管理署
ダイヤルイン:088-637-1230
FAX:088-666-1818