国有林(熊毛流域)の概要
1.自然的背景
位置及び面積
熊毛流域は、九州本土最南端の南方に位置する4つの島嶼(種子島、馬毛島、屋久島、口永良部島)、1市3町(西之表市、中種子町、南種子町、屋久島町)から成っています。
熊毛流域の国有林はほとんどが屋久島に集中しており、屋久島38,392ha、種子島3,367ha(合計面積は41,759ha)となっています。
地勢
<屋久島>
岩質のほとんどが花崗岩から成るほぼ円形型(東西28km、南北24km、周囲132km)の島で、九州最高峰の宮之浦岳(1,936m)を中心に幾つもの高山が連なる山岳島です。
河川は、安房川をはじめ140余りの中小河川が島の中央部から放射状に流れ、いずれも急勾配で河床を深く浸食し、随所に滝を形成しています。
<種子島>
北北東から南南西に約55km、細長くのびた比較的平らな島で、高所でも海抜200m程度の丘稜地帯が広がります。
河川は、甲女川、川脇川、大浦川等がありますが、いずれも小規模な河川です。
気候
種子島は全島的に温暖な気候ですが、屋久島では標高によって亜熱帯から亜高山帯の気候が連続的に成立しています。
平成29年の平均気温及び降水量は、種子島で19.5℃ ・ 2,845mm、屋久島で19.5℃ ・ 4,795mmとなっています
2.国有林の概要
流域内の国有林面積は41,759haであり、九州森林管理局管内の国有林総面積においては8%を占めています。
蓄積は10,422千m3であり、九州森林管理局管内の国有林総蓄積においては8%を占めています。そのうち、人工林面積は8,972ha、人工林率は22%となっています。
3.国有林の管理経営方針
近年、原生的天然林の保存、希少野生動植物の保護、自然とのふれあいの場の提供といった、国有林の有する公益的機能発揮への要請が高まってきています。
熊毛流域の国有林のうち約5割に当たる20,268haが国立公園に指定されており、平成4年には旧学術参考林を含む15,185haが屋久島森林生態系保護地域に設定され、平成5年には生態系保護地域を含む10,260haが世界自然遺産地域として登録されました。
一方では、屋久島の森林資源・林産物を適切に利用した地産地消の取り組みが、環境負荷の低減策として期待できるとともに、島外の木材加工業においても一定の役割を果たしています。
このため、林産物の供給や地域振興への寄与にも配慮しつつ、国土保全その他国有林野の有する公益的機能の維持増進に重点を置きながら、近年国有林に対する期待が大きくなっている地球温暖化の防止や生物多様性の保全等にも対応した管理経営を行っています。
以上の旨とするものを下記の5つに区分しています。
山地災害防止タイプ
土砂の流出・崩壊、落石等の山地災害による人命・施設の被害の防備、その他安全で快適な生活環境と国土の基盤の保全・形成に係わる機能を重点的に発揮すべき森林。
自然維持タイプ
原生的な森林生態系からなる自然環境の維持、野生動植物の保護、遺伝資源の保存等、自然環境の保全に係わる機能を重点的に発揮すべき森林。
森林空間利用タイプ
スポーツ又はレクリエーション、教育文化、休養等の活動の場や優れた景観の提供及び都市又その周辺の風致の維持に係わる機能を重点的に発揮すべき森林。
快適環境形成タイプ
騒音の低減や大気の浄化、木陰の提供による気象緩和等人間の居住環境を良好な状態に保全する機能を重点的に発揮すべき森林。
水源涵養タイプ
国民生活に欠かせない良質で豊かな水の供給に係わる機能を重点的に発揮すべき森林。
お問合せ先
屋久島森林管理署
ダイヤルイン:0997-46-2111
FAX:0997-46-2113