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更新日:平成26年10月20日

担当:森林整備部技術普及課

近畿中国森林管理局フォレスター等会議開催

    国有林においては、公益重視の管理経営を一層推進するとともに、森林・林業の再生に貢献していくこととしています。
    近畿中国森林管理局では、林業の持続的かつ健全な発展を図るため、目指すべき森林の姿を念頭に置きつつ、国有林と民有林が連携して、地域の森林・林業の再生を先導する取組を推進しています。
    このため、各署等で府県と連携して取り組んでいるフォレスター活動(市町村森林整備計画策定支援等)及び低コスト再造林に係る技術開発等について情報共有を図り、川下における木材需要(バイオマス発電、CLTを利用した大規模木造建築等)の動向なども踏まえて、民国連携をはじめ、地域の森林・林業の発展のための取組を更に一層推進することを目的に、9月24日から26日にかけてフォレスター等会議を開催しました。 

◆会議議事次第◆

  9月24日

  (1)新たな木材需要について銘建工業株式会社視察

  9月25日

  (1)民国一体管理の推進

  (2)低コスト造林試験地での現地検討

  9月26日

  (1)グループ討議(民国一体管理の経営、国有林フォレスターの役割、市町村の地域課題を把握する手法)

9月24日(開会、銘建工業株式会社視察) 

開会

   森林管理局 石井次長からの「民国連携を始め、地域の森林・林業の発展のため、それぞれの立場で工夫した取り組みができるよう本会議でしっかり議論し、各職場に持ち帰り取り組んで下さい。」との挨拶で、近畿中国森林管理局フォレスター等会議をスタートしました。 

 開会  石井次長挨拶

フォレスター等会議開催

開会挨拶をする石井次長 

 

銘建工業株式会社視察

   銘建工業株式会社では、再生可能エネルギーを利用するバイオマス発電に他に先駆けて平成10年度から取り組まれており、また、木材の新たな需要が見込まれるCLTの国内第一号のJAS工場認定を取得されていることから、川下の木材需要の動向を探るべく視察させていただきました。

※バイオマス発電とは、木屑や燃えるゴミなどを燃焼する際の熱を利用して電気を起こす発電方式であり、燃やしてもCO2の増減に影響を与えない「カーボンニュートラル」という発想でつくられています。植物は燃やすとCO2を排出しますが、成長過程では光合成により大気中のCO2を吸収するので、排出と吸収によるCO2のプラスマイナスはゼロになります。そのような炭素循環の考え方のことをカーボンニュートラルといいます。近畿中国森林管理局管内では、今後16箇所のバイオマス発電施設の建築が予定されており、年間140万トンの木材など再生可能資源の供給が必要となります。

※CLTとは、Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略で、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した重厚なパネルのことを呼び、欧州で開発された工法です。一般的によく知られている集成材は、張り合わせる板の繊維方向が並行方向に張り合わせるのに対して、CLTは、繊維方向が直交するように交互に張り合わせていきます。断熱性、耐火性や強度に優れ、欧州においては、マンションや商業施設の建築に用いられています。

 

 田口代表取締役専務 銘建説明 
▲銘建工業株式会社 田口代表取締役専務から 会社の概要、木質バイオマスの利活用、CLTへの取り組みなどについて説明いただきました。
 質問する職員  いざ工場見学へ

 ▲質問にも丁寧に回答いただきました。

 ▲その後、工場を案内いただきました。

 サイロ

 差城図
▲写真は木質ボイラの発電系統図です。 ▲この建物は、木質チップを貯蔵するサイロです。2000㎥入ります。
 端材  プレーナークズ
▲端材(写真左)、バーク、プレーナ屑(写真右)が、発電用に使用されています。
ペレット作成工程 ペレット機械
 ▲プレーナ屑は、ペレット作成にも使用されています。  ▲ペレット造粒機
 ペレット造  ペレットストーブ
 ▲リングダイの無数の穴から材料が圧縮されて押し出され、カッターで切断されてペレットとなります。  ▲ペレットとペレットストーブ

 CLT

製造ライン2

 製造ライン

▲CLTの製造ラインです。

   

銘建工業株式会社の皆様、ご多忙のところ、ご対応いただきありがとうございました。

 

9月25日(フォレスター等会議2日目、林野庁情報、民国一体管理の推進、低コスト造林現地検討) 

平成27年度に向けた林野庁からの連絡事項

フォレスター等会議2日目は、林野庁からの情報提供で始まりました。

林野庁経営企画課齋藤企画官から、平成27年度林野庁予算の概算要求の概要について説明がありました。その後、同課、石塚流域管理指導官から公益的維持増進協定の締結について、協定事例の説明及び近畿中国局においても積極的に取り組みを進めるよう指導がありました。

 齋藤企画官  石塚指導官
 ▲齋藤企画官による説明  ▲石塚流域管理指導官による説明

 

民国一体管理の推進について

近畿中国森林管理局では、将来的に地域の林業・林産業の発展に寄与するため、国有林を核として周辺の民有林で1団地を形成する森林において、地域条件に適合した効率的な作業システムとそれを可能とする路網配置の検討や収支比較を行い、一体的管理経営を目指す取組を各署等で推進しています。
具体的には、国有林の機能類型が水源涵養タイプの森林であって、民有林と国有林で一定規模の木材生産の団地形成が見込める地域(1千ha以上を目安)を基本とし、民有林所有者が市町村、大規模林家などで理解が得やすい箇所で、民有林と国有林を一体的に管理経営する取組を実施することに適していると考えられる地域を各署等1箇所(既存の森林共同施業団地を含む)選定することとしています。(詳細は、「近畿中国森林管理局平成26年度重点取組(PDF:6,815KB)」をご参照下さい。)

 

計画課長1 計画課長2
▲民国一体管理経営の進め方について説明する石上計画課長
岩田指導官 森合
▲民国一体管理経営における出材予測の手法について説明する計画課 岩田流域管理指導官 ▲伐出コストなど、出材量試算の前提条件について説明する資源活用課 森合企画官
   
中村補佐1 中村2

▲新見市における小規模林家プロジェクトについて説明する企画調整課 中村課長補佐

(概要)

岡山県新見市が小規模林家自らによる森林整備の推進等を支援する施策を実施するにあたり、地元林家、有識者、関係機関が一体となってニーズに合った実現可能な政策提言を行い、市がその提言を施策展開へ反映させる取組を進めることとしており、上半期は3回の作業部会を開催しました。この中で、具体的な取組方向の作成を支援するなど、局署等はその中で積極的に役割を果たしています。

和歌山署 岡山署
▲既に経営モデル林を設定している和歌山署(写真左)、岡山署(写真右)から現在の取組状況を説明いただいた後、各署等から設定に向けた取組状況について報告いただきました。
次長コメント

最後に石井次長から積極的かつ計画的に進めるようまとめの言葉があり午前の会議を終了しました。

午後は、低コスト造林の現地検討です。

   

低コスト造林現地検討

 (三光山国有林試験地)

三光山国有林では、森林総合研究所関西支所と共同で試験地を設定し、コンテナ苗など季節別(8月、10月、5月)に植栽して活着状況や生長量調査を実施しています。

また、無下刈区を設定し、苗木と競合関係にある雑草等が繁茂する状態で、ヒノキコンテナ苗の生長量、生存率を調査し、下刈区と比較することとしています。

三光山試験地

 

技セ職員 技セ職員2
▲森林技術・支援センター池田技術専門官(写真左)、矢野業務係長(写真右)から試験地の概要について説明。
発根状況 現地
▲事前に掘り取った夏植えのコンテナ苗等の根の発根状況について説明。 ▲植栽木の活着状況を確認。
現地状況 説明林野
▲植栽木の活着状況を確認。 ▲林野庁齋藤企画官に生育状況を説明する池田専門官
   
(入開山国有林[列状間伐])  
入開山国有林列状間伐試験地では、平成3年、平成14年、平成24年の3回にわたり列状間伐を実施しています。
列状間伐 試験区説明
▲試験区の現状(林齢54年生、蓄積約320㎥) ▲池田技術専門官による試験地概要の説明。
無間伐異動 無間伐区
▲間伐区(写真左)から無間伐区(写真右)へ移動し、下層植生、樹木の生育状況を確認。
論議 論議2
▲ここ入開山国有林は、将来の森林総合管理士(フォレスター)を目指す国・県等の方々が参加する「技術者育成研修」の実習場所でもあり、参加者全員で森林の将来構想を考え、森林所有者にどのように説明するか論議しました。
   
(入開山国有林[一貫作業システム])  

一貫作業システムとは、伐採(素材生産)と造林の2つの契約を一つの契約として一括発注することです。

一貫作業システムを導入することで、以下の効果が期待されており、引き続き検証していきます。 

  ・事業の発注コスト(間接費)の削減(2割~3割程度)が可能である。

  ・下層植生が繁茂するまでに苗木の成長が見込まれることから下刈り回数が削減できる可能性がある。

  ・素材生産で使用する林業機械(グラップル等)を利用して枝条の整理ができることから地拵えが不要となる可能性がある。

  ・素材生産で使用する林業機械(フォワーダ等)を利用して苗木ほか資材の運搬も可能である。

  ・年間を通じて事業を計画的に実行できることから雇用の安定化が図りやすい。

など

一貫作業システム森合 一貫作業システム河本
▲一貫作業システムについて説明する資源活用課森合企画官 ▲発注内容について説明する岡山森林管理署 甲元地域林政調整官
概況1 概況2
概況4 概況3
 

 

 

 9月26日(フォレスター等会議3日目、グループ討議)  

最終日は、それぞれのテーマに基づき、グループ討議を行いました。

グループ討議は、KJ法を用いて行いました。

   KJ法(ケージェイホウ:名称由来は発案者の川喜田二郎氏のイニシャルから)は、小グループのコミュニケーションの手法であり、同時にグループとしての思考整理法です。複数の人が集まり、話し合いのテーマについての課題や問題点などが絞り込めていない段階では特に有効な方法です。
   KJ法は話し合いのテーマに沿って、1枚のカードに1つの発想(アイデア、コメント、考え方、課題、問題、解決方法など)を書き出します。頭に浮かんだ分だけ何枚でも書きます。「必ず1 枚のカードには1 つのことだけを書く」のがルールです。その理由は「書き出された内容を似たグループでまとめる」「原因と対策でつなげる」など、カードを動かしながら話し合いを進めてゆくためです。

A班   テーマ:民国一体の管理経営(国有林提案型)

 民国連携による木材の安定供給(協調施業)等による地域の林業・林業再生への貢献に係る具体的手法(森林施業団地既設定地における施業の遅れなど、過去の反省を踏まえた新たな手法の構築)について、討議しました。

検討1  検討2
▲検討  ▲検討
 まとめa  発表a
 ▲まとめ ▲発表 
国と府県等では会計制度の相違から入札などを連携して取り組めないこと、事業体の育成が重要であることなど、今後取り組むべき多くの課題が挙げられ、府県等との連絡調整をしっかり行い、できるところから少しづつ連携を強化していく必要があるとのまとめとなりました。
   

 B班   テーマ:民国一体の管理経営(地域ニーズ支援型) 

 国有林の事業量が少ないこと等から、通常の民国一体管理(国有林提案型)の対象地を設定することが困難な地域において、木質バイオマス利用などの地域ニーズに対して、民国連携してどのように取り組むのか、その具体的手法(森林施業団地既設定地の反省から、地域ニーズに即した新たな手法の構築)について、討議しました。

 検討B1  検討B2 
▲検討 ▲検討
まとめB 発表B
▲まとめ ▲発表
民有林からの情報収集の必要性や国と府県等での会計制度の相違から入札などを連携して取り組めないことなど多くの問題点が挙げられた中で、森林施業の集約化と合わせて、手遅れ地など国が民有林の施業を実施できるとする「民有林直轄林道事業」や「民有林直轄生産事業」といった制度改革の提案もありました。
   

C班   テーマ:国有林フォレスターの役割(市町村森林整備計画等への支援)

 市町村森林整備計画支援など、国有林フォレスターとしての役割を果たすため、府県等と連携して何にどのように取り組むべきか、課題と対応策について、討議しました。

検討c1 検討c2
▲検討 ▲検討
まとめc 発表c
▲まとめ ▲発表
国有林野事業は、平成25年度から一般会計化の下、積極的に民有林支援を実施するとしているが、今まで実績もない中で、国から支援しますといわれて、府県等も戸惑っている状況にある。このため、国としてどのような支援ができるのか、府県担当者等と連絡調整をしっかり行い、まずは信頼関係の構築から始めるとのまとめとなりました。
   

D班   テーマ:市町村の地域課題を把握する手法

市町村等が抱える地域課題の把握手法と現在所属する署等で得た市町村の情報を下に国有林として取り組むべき課題と対応策について、討議しました。

検討d1 検討d2
▲検討 ▲検討
 まとめd  発表d
 ▲まとめ  ▲発表
会議や国が主催して定期的に会合するなど、意見交換の場をより多く持つことで、様々な地域課題を収集することができるので、日頃から情報共有できる関係の構築が重要である。また、広範な分野を一人で受け持つことは難しいので、担当者や現場職員の協力が得られるよう署(所)内での打ち合わせ、調整が重要とのまとめとなりました。

 

 閉会

グループ討議には、関係課、林野庁からそれぞれコメントを行い、最後に中西森林整備部長のまとめで閉会しました。

 

閉会林野 閉会中西
▲林野庁齋藤企画官によるコメント ▲中西森林整備部長による3日間の総括
   

お問い合わせ先

森林整備部技術普及課
ダイヤルイン:050-3160-6700
FAX:06-6881-3564

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