知床森林生態系保全センターブログ(2017年3月)
3月2日 知床世界自然遺産地域科学委員会
先月(2月21日)開催された「知床世界自然遺産地域科学委員会」に当センター職員が出席しました。この委員会は、
「知床の自然環境を把握し、科学的なデータに基づいて管理を行うために必要な科学的助言を得るために、
平成16年に設置された学識経験者や行政機関で構成される会議」
です(知床データセンターより一部引用。詳しくはこちら)。
年に2回開催されており、今回は平成28年度第2回目でした。
写真は会議の様子です。
委員会の下には、急務の課題に対応するために目的別にワーキング・グループ(WG)等が設置されています。
委員会で、各WG等から課題への対応状況の報告がありました。
このうち、当センターが特に関わる内容について、抜粋して簡単に紹介します。
【エゾシカ・陸上生態系WG】
(知床半島におけるエゾシカによる生態系への影響を把握し、シカの保護管理に必要な科学的助言を得ることを目的として設置)
★「第3期知床半島エゾシカ管理計画」の作成・・・平成29年度から平成34年度の知床半島のエゾシカの管理計画を作成しました。
★個体数調整事業計画について・・・WGでの話し合いの内容を踏まえて、エゾシカの個体数調整事業(捕獲等)を行っています。
写真は、今年の1月にエゾシカを捕獲した様子です。
シカによる森林生態系への影響は、知床においても深刻です。
【河川工作物アドバイザー会議】
(世界遺産地域内にある河川工作物(ダム等)の改良工事及び魚類遡上のモニタリングについて、
科学的視点からの助言を受けることを目的として開催する会議)
★河川工作物の改良の検討状況について・・・サケなどの魚が、より自然に遡上・産卵できるよう、ダムや橋の改良を検討しています。
写真は、改良を検討しているダムの一つです。
この他に、海域WG、適正利用・エコツーリズムWG、知床半島ヒグマ保護管理方針検討会議からの報告など、
多くの議題がありました。
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