ホーム > 森もり!スクエア > 各地からの便り > 国有林におけるNPO団体等活動発表会
北海道森林管理局管内の4つの森林環境保全ふれあいセンターは、自然再生や森林環境教育についてNPO団体等と連携して取り組んでいます。 これらNPO団体等が森林環境保全ふれあいセンターとともに取り組んでいる活動を発表するとともに、有識者による基調講演及び参加者等との意見交換を行った活動発表会を開催しましたので、その概要をお知らせします。 |
報告会プログラム(開始13時30分、終了16時00分) 1 主催者挨拶 北海道森林管理局長 津元 賴光 |
平成24年12月8日(土曜日)に札幌市教育文化会館にて開催しました。当日は降雪により足元の悪いなか、120名の方々がご来場され、多くの方々に国有林の森林環境保全ふれあいセンターと連携しているNPO団体等の取組の発表をさせていただくことができました。
津元北海道森林管理局長から、ご来場の皆様へのご挨拶を皮切りに開幕しました。
2002年に設立した認定NPO法人北海道市民環境ネットワーク(通称:きたネット) の10年間の取組みや、森林保全活動団体のネットワークによる森づくり活動とコープさっぽろと連携した人材育成活動を通して、森づくり団体が求めていることや課題、ボランティア団体のネットワークの必要性について基調講演していただきました。
北海道森林管理局は、平成16年9月の台風18号により被害を受けた野幌の森林を、100年前の原始性が感じられる自然林に再生するため、多くの市民と協働し「野幌森林再生プロジェクト」を開始。
一方、野幌森クラブは「野幌の森を利用している人々と一緒に森の環境を考え、行動する」ことを目的として平成12年に発足。平成17年より、台風で傷ついた森の再生に協力しています。クラブの目標である「人間と生態系との持続する共生の森の創出」を目指して活動を続けている様子について発表がありました。
自然豊かなオホーツク地域の環境の中で日常生活を送っている私たちとっても、イメージでは“自然は素晴らしい、大切なもの”と感じてはいるものの、実際に足を踏み入れて森林を知る機会や森林づくりに携わる機会はそう多くはありません。
私たちは、身近にある森林に触れ・親しみながら、森林について学び、在るべき森林づくりの手助けをし、その輪を広げていくことを目的に森林ボランティア「オホーツクの会」を立ち上げました。
発足時の状況、活動の目的、組織・運営、活動を発展させつつある現状、そして今後の課題などについて発表がありました。
雷別地区国有林は、釧路湿原にある三大湖沼の一つ「シラルトロ沼」の最上流部に位置する国有林です。平成12年の冬、多くのトドマツが立枯の被害に遭いました。立枯の跡地は、現在でも笹が生い茂るだけの疎林状態となっています。
雷別ドングリ倶楽部は、この立枯跡地で、広葉樹を主体とした植樹活動や、植樹活動に使用する種子の採取、苗木育成などの森林再生活動を行うボランティア組織として立ち上げられました。現在は、間伐等の林業体験や森林環境教育に係る体験活動なども実施しており、幅広い年齢層に受け入れられるような活動を展開している様子について発表がありました。
2003年、函館山のスギ林(函館山国有林の学校林)を「市民参加で手入れし、その間伐材を利用してツリーロードを作りたい」と思い新聞で呼びかけ、賛同した市民が集まり行動を起こしました。学校林の間伐材等を利用し、市民ツリーやベンチ等の作成、ミニ魚礁の設置を行いました。また、「森を知る活動」として保育園児のクラフト教室や間伐作業見学、虫害の調査などを実施、「森を育てる活動」として七飯町大沼の吉野山国有林で森林環境保全ふれあいセンターが行っている「大沼地域自然再生等モデル事業」に参加し、下刈や保育間伐、植生調査等を行いました。活動10年間を振返ると、「森を知り、育てる」ための多くの技術を体験し知識も得ました。
今後も、林業体験で得た技術や知識を生かし「森を知り、育てる」「森や山を好きになる仲間を増やす」活動を続け、更に「大沼地区の自然再生事業」に関わることで森に関する勉強をし、楽しみながら活動を続けて行くことについて発表がありました。
講演・発表後に、ご来場の皆様と講演者・発表者を交え、質疑応答・意見交換会を行いました。主な意見は下記のとおりです。
Q1 各団体の活動情報発信はどうされていますか。
A1 森林管理局(各ふれあいセンター)や各団体のホームページに活動計画などを情報しています。
A2 また、地元紙や新聞社等に情報して活動計画等を周知してもらっています。
Q2 取組みを進めていく上で、一番の課題は何ですか。
A1 会員の高齢化が課題ですが、みんなができる活動に取り組んでいます。(函館の森林の再生と活用を考える会)
A2 活動の活性化と会員の拡大です。(雷別ドングリ倶楽部)
A3 「まず森に入ろう」との趣旨で取り組んでいるため、課題は特にありません。(オホーツクの会)
A4 森林管理署や森林環境保全ふれあいセンターとのスムーズな連携が課題と思っています。(野幌森クラブ)
Q3 (オホーツクの会へ)大学との連携は、どういう窓口からどういう流れで始まりましたか。継続性はどうですか。 |
オホーツクの会の会長が大学の教授であることから、その学生たちが参加しています。
また、もう一つの大学は学内に生物に関するクラブがあり、顧問の先生が当センターのホームページで森林づくりに興味を持ち、それをきっかけに、「オホーツクの会」の活動にも学生が参加するようになりました。
なお、「オホーツクの会」と両大学の学生との意見交換を予定しており、そこで学生たちと活動内容等を調整することとしています。今後、継続性のある活動にしていきたいと考えています。
Q4 (野幌森クラブへ)外来種はどのように扱っていますか。(樹、草本、動物) |
※ Q3とQ4は、当日の時間の都合から回答できなかった質問です。このホームページ上にて回答させていただきました。
平野計画部長から、お礼の言葉を最後に閉幕しました。