2012年1月4日(第35号)
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謹賀新年
2012年がスタートしました。今年も「中部森林管理局メールマガジン」をどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回は新年最初のメールマガジンということで、中部森林管理局長の年頭所感を掲載した他、東濃森林管理署長からのメッセージやお知らせを掲載しています。
最後までお読みいただければ幸いです。
INDEX
- 年頭所感-------------------------------中部森林管理局長城土 裕
- 森林管理局からのメッセージ-------------東濃森林管理署長永井 寛
「裏木曽地域の多彩な国有林」 - 今月のトピックス------------------------公共建築物等への木材利用
- お知らせ-------------------------------「地域管理経営計画」及び「国有林野施業実施計画」の策定等について(公告・縦覧)
- 広報「中部の森林」----------------------12月号掲載
- 業務関連情報--------------------------公売入札情報
年頭所感
中部森林管理局長 城土 裕
新年明けましておめでとうございます。当メールマガジン読者の皆さんにおかれては、ご家族と清々しい新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
また、日頃から中部森林管理局の管理運営に当り、格別のご支援とご協力をいただいておりますことに対し、紙面を借りて厚く御礼申し上げます。
今年の干支は壬辰(みずのえたつ)であり、易学上、「壬」は水のように自在に適応する状態を意味し、「辰」は正義感と信用を意味するとされております。昨年の東日本大震災や福島原発事故等からの実質的な復興・復旧が始まる今年、まさに日本人の正義感、そして世界からの日本に対する信用を拠り所として、「水は方円の器に随う」の例えにならって、現地の被災状況を踏まえた着実で計画的な作業が進められることを期待しています。
少し余談になりますが、辰、すなわち龍は十二支の中で唯一、想像の動物とされていますが、古代中国で「龍」は現在でも生息が確認されている揚子江ワニだったという説があります。
さて、森林・林業・木材産業を取り巻く昨今の情勢を振り返ってみますと、第1に昨年3月に発生した東日本大震災及び長野県北部地震の発生に触れざるを得ないと考えます。これらの地震は、人命や財産のみならず、森林や木材加工施設にも未曾有の被害をもたらし、改めて自然災害の恐ろしさを私たちに再認識させた出来事でした。中部森林管理局としては、これら被災地における森林等の復興・復旧に向けて、関係する地方公共団体等と連携しながら、人的・技術的な支援を行っています。
第2に、平成21年12月に「10年後の木材自給率を50%以上とすること」を目標とした「森林・林業再生プラン」が策定されたことを契機として、我が国の木材生産等における生産性の向上や木材需要の拡大に向けた体制整備が進められたことが挙げられます。
具体的には、平成22年10月に我が国の森林資源の有効活用に向けて、国等の低層な公共建築物は木造を基本に整備すること等を内容とした「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されるとともに、昨年5月には、国土交通省が定める「官庁営繕基準」の中に新たに「木造計画・設計基準」が設けられ、木造の建築設計に関し、耐久性、防耐火、構造計算等の技術的な事項及び標準的な手法が定められました。また、平成13年に改定された森林・林業基本法に基づく「森林・林業基本計画」が昨年7月に変更され、森林・林業再生プランの推進のほか、地球温暖化対策や生物多様性の保全など各般にわたる施策の対応方向が閣議決定されました。
第3に、昨年12月に林政審議会は「今後の国有林野の管理経営のあり方について」と題して国有林野事業の一般会計化に向けた提言を取りまとめ、鹿野農林水産大臣に提出しました。いよいよ、国有林の会計制度の転換に向けた国会での審議が始まる見込みとなっています。
第4に、昨年は国連が定めた「国際森林年」であり、「森を歩く」という国内テーマに沿って1年間にわたり局署を挙げて様々な取り組みを進めて参りました。国民の皆さんにもイベント等に多数ご参加を頂き、お陰様で成功裡に終了することができました。
こうして迎えた本年は、冒頭に触れた大震災等からの復興・復旧を着実に推進すること、森林・林業基本計画を踏まえた林業・木材産業の構造改革を確実に実施すること、そして何より昭和22年の林政統一以降初めて会計制度を転換することなど大きな課題に取り組むこととなります。
このように林政の基本的な方向が大きく変わろうとする中で、中部森林管理局といたしましては、国土の保全や水資源のかん養、地球温暖化防止に向けた森林吸収源対策の推進、安定的な木材の供給、森林域での生物多様性の保全などの国民の皆様からの期待に適切に応えられるよう、関係する県や市町村等とも連絡を密にして、着実な施策の展開を図っていく必要があると考えておりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
結びに、読者の皆様並びにご家族の皆様の益々のご健勝とご発展を祈念して、年頭のご挨拶といたします。
森林管理局からのメッセージ
「裏木曽地域の多彩な国有林」 東濃森林管理署長 永井寛
国タイトルの裏木曽(うらきそ)地域とは、ウィキペディアによれば『岐阜県南東部の地域で、東濃地域東部の通称である。信濃国木曽(現長野県木曽郡、旧西筑摩郡。木曽谷、木曽地域ともいう)と阿寺山地を挟んで裏側(西側)にある地域から、こう呼ばれている。岐阜県の使用している地域とは異なるが、通称としてよく使われる。東濃ひのきの産地である。』とされています
。この「裏木曽」地域に存在し、歴史ある森林と清流に恵まれた魅力溢れる多彩な顔を見せる国有林について紹介しますので、是非一度読者の皆様の目でご覧いただきたいと思っています。
「木曽ヒノキ備林」
おや?っと思われる方もいらっしゃるでしょう。「美林」の誤植ではなく、「備林」なのです。
このエリア約700ヘクタール余を第二次世界大戦までは、「出の小路神宮備林」と称して、20年に一度行われる伊勢神宮の式年遷宮に必要な木材を確保するために大切に取り扱われてきました。江戸時代には、尾張藩が山の荒廃と資源の減少を防ぐために地元住民の伐採を禁じる「留山(とめやま)制度」により、この地域の森林保護を図っていました。
このような保護政策により、現在でも、樹齢300年~400年の天然ヒノキやサワラが鬱そうとした森林なのです。
平成25年に行われる第62回式年遷宮の「ご神体」をお納めする器(御樋代(みひしろ))の御用材を伐採した式典の跡地や、直径150センチメートルを超え樹齢1,000年と言われる二代目大ヒノキ、ヒノキとサワラが合体した「合体木」、そして、それらを取り巻く木曽ヒノキとサワラ、トチノキなどが林立した森の様子は、まさにここでしか見ることができない感動的な姿なのです。
「裏木曽古事の森」
作家の故立松和平氏が、平成13年頃に「木造文化を守りたいたいのならば根底に豊かな森がなければならない。・・・このままでは、世界最古の木造建築物である法隆寺の大修理も思うにまかせない。」(「日本の歴史を作った森」(立松和平氏著))との考えから林野庁に提唱し、大径材を目指す森林づくりの場として「古事の森」を作り始めました。
現在全国に10箇所ありますが、平成16年に6番目の古事の森として「裏木曽古事の森」が設定されました。上述した「木曽ヒノキ備林」の入り口にあります。
「青川(あおかわ)源流の森」
「青川」とは木曽川に注ぐ清流付知(つけち)川の昔からの異名です。
そう呼ばれるように、あまりにも美しいので「青く」見えるのです。その付知川の源流部に位置する付知峡自然休養林を中心とした国有林約650ヘクタールについて、平成20年に地元の方々で組織するNPO団体と協定を締結し、清流と豊かな森が織りなすこの地域で、自然散策、観察、林業の体験などを行うために遊歩道や案内標識の整備などを行うこととしました。地元
の方々だけでなく、多くの都市部の方々にも来ていただき、自然に触れていただきたい素晴らしいところです。
お知らせ
「木曽ヒノキ備林」の歴史秘話や森の生命力を最新の機器を駆使して撮影した番組「不入山(ふにゅうざん)~日本の歴史を作った森~」がNHK名古屋放送局の特別番組として1月20日に放映されます。
また、東濃地方などを舞台とした2時間ドラマ浅見光彦シリーズ「還らざる道」(内田康夫原作)がロケ中であり、1月27日にフジテレビ系の金曜プレステージで放映される予定です。
今月のトピックス
公共建築物等への木材利用について
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(平成22年法律第36号)が平成22年10月に施行されました。中部森林管理局においても森林管理署庁舎等への木材利用を積極的に行っています。
昨年12月に農林水産省から、国の機関における木材利用の取組状況が発表されました。
☆詳しくはこちらをご覧ください。https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/111207.html
お知らせ
「地域管理経営計画」及び「国有林野施業実施計画」の策定等について
神通川、木曽谷、飛騨川の各森林計画区における国有林野の管理経営に関する基本的事項等を定める「地域管理経営計画」並びに「国有林野施業実施計画」を策定するとともに、庄川、千曲川下流、中部山岳、千曲川上流、伊那谷、宮・荘川、長良川、揖斐川、木曽川、尾張西三河、東三河の各森林計画区の「地域管理経営計画」並びに「国有林野施業実施計画」の変更を行うため公告・縦覧中です。
縦覧期間は、平成24年1月20日までです。
☆詳しくはこちらをご覧ください。https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/press/kikaku/111221.html
広報「中部の森林」12月号
中部の森林 12月号(第93号)
「中部の森林」12月号は、国際森林年を記念して「森林鳥獣や病害虫の生態、被害状況等への理解を深める」をテーマに開催した講演会などの記事を掲載。
東日本大震災の復旧対策へ当局から応援派遣している職員から届いた便りを「宮城からの便り」として紹介しました。
シリーズ現場最前線は、「熟練の技で効率的な作業を展開」と題して東信署真田班を紹介しています。
風景紀行は飛騨署管内の「天生県立自然公園」を掲載しました。
☆詳しくはこちらをご覧ください。 https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/koho/koho_si/index.html
業務関連情報
公売・入札情報
中部森林管理局メールマガジン「中部の森林」バックナンバーです。
最後までお読みいただきありがとうござました。
次回の「中部森林管理局メールマガジン」もお楽しみに!
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総務部総務課広報担当
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