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東北森林管理局

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    久慈支署(令和3年12月)

    変わりゆく現場

    森林官 舘山 幸則

      私が野田森林事務所に配属され、来年4月で3年になります。ここでは、森林官として、岩手県沿岸北部に位置する青森県との県境の洋野町と久慈市、野田村の約7,300haの国有林を管理しています。
     管内を含む岩手県沿岸は、東日本大震災により甚大な被害を受けました。

    震災前から変わらず立つ
    野田村イメージキャラクターのんちゃん
    ナラ枯れ被害地 三崎山国有林



     大震災以前に隣接署の森林事務所に勤務していたことがあり、買い物などで野田村をよく通っていましたが、当時、村内の国道沿いにあった約一万本弱のクロマツ防潮林は、巨大な防潮堤に姿を変え、道路を挟んだ向かいには公園が整備されるなど、風景が一変してしまいました。
     また、十数年ぶりに岩手県沿岸に配属になり変わっていたことは、山で見たり聞いたりする動物がカモシカやツキノワグマくらいであったものから、日本各地で大きな問題となっている二ホンジカやイノシシが話題となっていたことです。
     ツキノワグマは見かける頻度が昔に比べ格段に増え、沿岸の今までいないと言われていた場所でも爪痕や目撃情報などが寄せられるなど、生息域の広がりが感じられます。また、動物以外にも、令和元年に森林事務所管内で初めてナラ枯れ数本を駆除したほか、令和2年度は450本、今年度は約670本と被害が増加しているところです。
     このナラ枯れ被害の発生地は、太平洋側の被害先端地となることから、見慣れていない漁師の方から「最近枯れている木が見えるけどなんだ?」と声が上がり、ナラ枯れで調査駆除を行っていることを説明しています。
     こうした被害が拡大しないよう林野巡視の強化を図りながら防除対策に取り組んでいるところです。
     また、管内では、マツタケが採れますが、ここ数年は数十年に一度と言われる大凶作と大豊作が起こり、採取時期もずれるなど、マツタケ採りの人達が「もう少し平均的に出でくれないかね」と嘆く状況となっています。
     このように、ここ十数年で山の状況が色々と変わったように感じられていることや頻発、激甚化の見られる集中豪雨など、日々起きる状況に対応するため、市町村との連携を図っていくとともに、住民からの要請に応えていくため、広く意見を聞く姿勢と情報発信に努めていきたいと思っています。