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東北森林管理局

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    津軽森林管理署(令和3年8月)

    りんご畑と地域の森林

    森林官補 遠藤 修平

     

     私の勤務する相馬森林事務所は、青森県弘前市の市街地から車で20分程走った相馬地区(旧相馬村)にあります。当事務所は弘前市の南側、秋田県境沿いの約7,700haの国有林を管轄しています。
     私は今年度4月に当事務所に着任し、初めての森林官業務と飛び交う津軽弁に苦戦しつつも充実した日々を過ごしております。
     さて、弘前市といえば、弘前城の桜や津軽富士こと岩木山、ねぷた祭り等が有名です。また、りんごの生産量は日本一を誇り、いたる所にりんご畑が広がっています。相馬地区でもりんごの生産は盛んで、「飛馬りんご」と呼ばれる高品質なブランドりんごを生産しています。相馬地区には岩木山に面した丘陵地等が多いため、現場への移動中等ふとした瞬間に、季節や時間によって様々に変化する岩木山とりんご畑の美しい風景を堪能できます。

    弘前市りんご公園から岩木山方面の眺望 岩屋不動尊 石燈籠は尾太鉱山の三上兵助により寄進

     
     津軽森林管理署管内の国有林は、かつて津軽藩の直轄領として、組織的に管理・経営されていました。特に、当事務所管内と両隣の大鰐・砂子瀬森林事務所管内等では、1600年代には尾太(おっぷ)鉱山をはじめとする鉱山で銀等の採掘が行われており、そこでは製錬のための燃料や坑道の坑木等に利用する木材が必要とされました。
     当時の津軽藩にとって鉱山は重要な収入源であり、その経営に欠かせない周辺の森林資源もとても重要だったようです。その後これらの鉱山は、技術の進歩や時代等の影響を受け開発・閉山を繰り返し、長い所で1970年代まで操業されていました。今ではかつての大規模な鉱山集落は、その面影をわずかに残すのみとなっています。
     鉱業は衰退したものの、山林と集落が近く、山中で年季の入ったママチャリとすれ違うことも多い当事務所管内の森林は、今も地域の方々の生活空間なのだと日々感じています。
     今後も地域の方々の身近な森林を良好な状態に保つべく、日々業務に取り組みます。

    弘前城西濠の夜桜