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津軽森林管理署金木支署喜良市森林事務所
首席森林官 櫻田 洋治
久しぶりの現場勤務となり2年目の春を迎えました。山歩きは体力的に少し不安もありましたが、体を慣らしつつ除々に感覚を取り戻し、全身に汗しながら毎日山歩きに励んでいます。
喜良市森林事務所が管轄する喜良市(旧金木町)・飯詰(五所川原市)担当区は、青森県津軽半島のつけ根に位置します。東側には津軽山地を望み、眺望山自然休養林である梵珠山(標高468m)はヒバ・ブナ等の天然林を眺めながらの登山道が4コースあり、四季を通して登山者の多い山です。西側の津軽平野には水田地帯が広がり、内陸には至る所にリンゴ園が見られます。遮るものがない冬の津軽平野は地吹雪地帯になり、今年も積雪が多く厳しい冬となりました。また、雪解け後の4月以降も低温が続き、水稲の生育が振るわず、5月下旬ようやく田植が本格化しリンゴも開花しました。
岩木山
半島沿岸部には池や沼が点在していますが、内陸には農業用水を貯蓄するためのため池がいくつもあります。大きいダム湖も喜良市・飯詰それぞれにあります。飯詰ダム上流の国有林には渓床勾配の強い沢が多く、下流部は融雪や豪雨等で昔から洪水被害が絶えませんでした。上流部の坪毛沢には大正時代から木堰堤工が採用され、利用された木材は、腐れにくく耐久性の強い地元の青森ヒバで、資材は当時の被害木を活用したそうです。木堰堤は、大正時代に施工されたものが5基、昭和時代のものが6基現存します。大正5年施工基は大分損傷がありますが、1世紀にわたり流域の保全に役立ってきた証だと思われます。木堰堤の昭和時代もまだまだ現役で頑張っています。
4号木堰堤 1号木堰堤
土砂の流出を抑止し、津軽平野の重要な水源地である森林を守っているヒバの木堰堤群は、坪毛沢上流の1号から下流の11号まで約2kmで、沢を下りながら眺める事が出来ます。ヒバ材の強度に着目した先人の知恵が今なお生きていました。管内での森林整備の歴史に触れ、これからも微力ながら森林の整備・保全に努めていきたいと思いました。