区 分:都市と山村の交流 | |
タイトル:星と文化の里づくり | |
都道府県名:福岡県 | 市町村名:星野村 |
1 地域の概要 県の南部に位置する星野村は、大自然の懐に抱かれ、満天から星が降り注ぐ山村、北部の耳納連山から、大分県と境を接する東の熊渡山、南部の石割岳に続く山々。熊渡山に源を発する星野川が、村の中央を東西に横切り、川筋に沿って県道が浮羽郡、八女市方面と結んでいる。村の面積の約8割が山林で、耕地面積はわずか6%。それも、ほとんどが山の急傾斜地に棚田として切り開かれている。約700年前から茶の栽培が行われ、特に玉露はその品質が全国的に高い評価を受け、村の基幹産業となっている。また、花木の産地としても有名で、伝統の技術から生まれた星野焼や星野民芸もある。村では現在、村名にちなんだ星とお茶をテーマとした「星と文化の里づくり」を進めている。 |
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2 事業(取組)の背景と経緯 (1)取組の背景 交通条件に恵まれない山村という地理的ハンディキャップを背負い、過疎化が進み、村の人口は、実に3人に1人がお年寄りとなっている。若者の流出を防ぎ、定住化を図りたくても、星野村の地理的条件での企業誘致は難しい状況である。 (2)取組の経緯 星野村の地域づくりは、都会にはないすばらしい自然という財産を活かした、ふるさとの見直しから始まった。 |
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3 事業(取組)の概要 |
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4 事業(取組)の成果(効果) 星と文化の里整備事業の実施によって、数々の地域づくりの受賞を受けている。環境庁の「星空の街コンテスト」での入賞、村内の棚田が「美しい日本のむら景観コンテスト」で農林水産大臣賞、そして平成10年には「潤いと活力のあるまちづくり部門」で自治大臣賞を受賞している。また、星野の茶、特に玉露は長い歴史と伝統に培われ、農林水産大臣賞を連続受賞している。このような事業の取り組みとそれに伴う各種の受賞は、本村のニュースとして広く紹介されるところとなり、星野村の知名度が徐々に上がるところとなった。その結果、来村者は昭和63年に12万人であったのが、平成9年には40万人を超えるようになった。 また、これらの施設の整備により雇用の場の拡大ができ、「財団法人星のふるさと」を中心に40人強の就業の場ができた。来村者の増加により施設内売店、個人商店、事業所における物品販売が増加し、これらの施設で消費する物品等は極力地元調達に努めているので、生産農家の販売も増加している。また女性グループの特産品開発等の活動が活発になり、所得向上の一助になるとともに村民が自信と誇りを持って星野村を紹介できるようになってきている。 |
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5 今後の課題 星野村では、星と文化の里づくり事業を第一次としてとらえ、今後新たな課題と方向性に向かって、第二次計画としてこれまでに整備した施設を有効に活用した事業展開の方向性と課題を次のように整理している。 ○ 第一次計画では継続的にシンボル施設をオープンさせ、訪れる人々の関心を誘ってきたが、今後は、開発と保全のバランスを図りながら星野村のイメージアップと21世紀に求められる村としての魅力を如何に創造していくか。 ○ 訪れる人々のニ一ズが変化する中、施設の改築や老朽化による改修 ○ 訪れる人々のニ一ズと方向を的確にとらえ、地域産業に波及する商品開発と組織づくり ○ 農林業が低迷する中、グリーンツーリズム感覚をはじめ観光体験型農林業の振興による村の活性化を図る研究 |