区分:都市住民と山村の交流
タイトル 日帰りで手軽な森林とのふれあい     
都道府県名:神奈川県 市町村名:山北町
1 地域の概要

 山北町は、神奈川県西部に位置し、山梨県道志村及び山中湖村、静岡県小山町に隣接する県際の町である。町域は県内第2位の面積を有しており、その約9割が丹沢大山国定公園や県立自然公園等に指定されている、東京から約80キロメートルの都市近郊にありながら、豊かな自然を有す、緑と水のきれいな町である。
 山北町の産業の一つである農林業では、町の耕地面積の約5割を果樹園が占め、茶、みかん、キウイフルーツ、梅等が栽培されており、地域経済を支えるとともに、自然環境の保全や水資源の涵養等、重要な役割を担っている。
2 事業(取組)の背景と経緯

(1)事業(取組)の背景
 山北町の三保地区は丹沢湖、中川温泉をはじめとして、恵まれた自然環境にあり、地域の自然や産物を活かした施設が点在しているが、自然とのふれあいや農林業体験の後、くつろげる交流の場が無く、利用者からの不満が多かった。
(2)事業(取組)の経緯
 山北町は都市近郊の地の利を活かし、昭和63年より東京都品川区と交流協定を結ぶなど、都市住民との交流に早くから取り組んできた。近年の自然志向と日帰り中心となった自家用車利用の実態に注目し、町の森林や地域産物を見直して活用するとともに、都市住民と地域住民の憩いの場を提供し、併せて地域の林業者の雇用を確保する施設の整備を行った。

3 事業(取組)の概要

 山北町三保地区には、分収きのこ園や森林・林業の展示が行われている「丹沢森林館」、品川区との契約農園や炭焼き窯がある「ひだまりの里」、自然教室や観察会を行う「玄倉ビジターセンター」、県内屈指のスギ美林がある「西丹沢県民の森」など、地域の自然や農林業を体験できる施設が林構事業をはじめ各種事業により整備された。また、平成10年に国体のカヌー会場となったことをきっかけとして、河内川の清流を利用したカヌー競技場の整備とオートキャンプ場、道の駅の整備も行われた。
 これらの施設利用者の疲れを癒す憩いの場として、また、地域の林業者の就業の場、地域産物の販売の場として、林構事業により「ぶなの湯」は整備された。既存の中川温泉の源泉を有効活用するとともに、自家用車による日帰り観光客のニーズに対応している。
 「ぶなの湯」ではこれら町内の各施設やイベントの紹介をするとともに、地域産物の展示・販売にも力を入れている。

〜町内施設で開催される交流イベント〜


【きのこ狩り】


【手作りカヌー教室】

4 事業(取組)の成果(効果)

 「ぶなの湯」は、農林業体験や森林体験等の疲れを癒す場として好評であり、地域の林業者の就業の確保、地域産物の販売拡大も実現することができた。自然とのふれあいを求める都市住民と地域住民の憩いの場として平成10年には4万人を超える利用者が訪れるようになり、利用者の要望で平成10年度に町単独事業による露天風呂の新設、休憩スペースの拡大を図ったところ、評判も良く、地域産物の販売量も増加するようになった。
 地域産物販売量の増加に伴って生産者の意欲も向上しており、原木栽培にこだわった「丹沢まいたけ」の生産等も盛んになってきている。各施設で開催される「きのこ祭り」や「手作りカヌー教室」等、ソフト事業のイベントも定着してきており、賑わいを見せている。町の自然や地域産物を活用した体験、参加型のイベントが多いのが特徴で、見るだけの観光と異なり、リピーターが増えてきている。いい汗かいた後はもちろん、「ぶなの湯」へ。

【ぶなの湯 年度別入り込み者数】

平成9年度

平成10年度

平成11年度

平成12年度

平成13年度

41,373人

37,237人
1,2月は増築工事のため休館

51,973人

62,040人

67,865人

5 今後の課題

 施設整備の目的の一つは都市住民と地域住民の交流なので、接客はもちろんのこと都市住民のニーズを感じ取れる人材の配置、育成が必要。作られた観光資源だけでなく、潜在的な観光資源がまだまだ豊富にあるはずである。都市近郊という立地条件を活かし、自然や地域産物等の未利用資源の有効活用をさらに図っていくことが必要。
 また、既存施設やイベントについても、ワンパターンとなって飽きられることの無いよう、展開について常に検討していくことが必要である。


もどる