区  分 : 都市と山村の交流
タイトル : 五箇山グリーンツーリズム
〜「食」「宿」「伝統文化」を生かした魅力づくりで新たな再生 〜
都道府県名 : 富山県 市町村名 : 平村、上平村、利賀村
1 地域の概要

 五箇山地区は、富山県の南西部に位置し、庄川上流の平村、上平村と庄川支流の利賀川上流の利賀村の三村からなり、総面積366平方キロメートルの約95%が森林で急峻な山と渓谷が多く、白山国立公園や五箇山県立自然公園など自然景観に恵まれ、世界遺産の合掌造り集落をはじめとする歴史的山村文化が古くから培われてきた地域である。
 冬の積雪は2メートルを超え日本有数の豪雪地で、かつては「陸の孤島」といわれたが、岐阜県白川郷につながる国道156号線や国道304号線の改良が進められ、最近では東海北陸自動車道の五箇山ICが完成し一部供用されるなど交通網が改善された。
 人口は、基幹産業であった農林業の不振や交通網の整備に伴い減少傾向にあり、2,000年の人口は、平村1,489人、上平村1,007人、利賀村1,104人の併せて3,600人で、1,990年の3,931人に比べ、この10年で約9%減少している。
2 取り組みの背景と経緯

(1)取り組みの背景 
 五箇山地区では、基幹産業であった農林業を取り巻く情勢や公共事業等に陰りがみられ、新たな地域の活性化に向けた取り組みが大きな課題となっている。
 近年、休暇や余暇を如何に楽しむかが問われ、「物質的豊かさ」から「心のゆとり」へと関心が向けられるなか、農山村での農林作業の体験、自然体験が注目されている。
 この機に、豊かな自然と山村文化などを活用し滞在型ビジターを誘致することにより地域の活性化を図り、地域住民にとっても魅力ある地域づくりをめざす。
(2)取り組みの経緯 
 「食」、「宿」、「伝統文化」、「体験」を提供することにより、@農林、観光産業の振興による所得の向上、A生活環境の改善、B地域住民の新たな結束をもたらし、地域の新たな再生を図ることを基本理念に、1999年、活性化検討委員会を中心に、五箇山グリーンツーリズム五カ年計画を策定し、取り組み始めたところである。

3 取り組みの概要
1999年 @活性化検討委員会の設置。A五箇山グリーンツーリズム推進協議会の設置。Bワーキングチームの結成。C地域資源の見直し・掘り起こし。
2000年 @三村での「体験」の補助体制づくり。A三村協同で五箇山パンフレット作成。B2000年とやま国体に合わせ民宿ワークショップの開催。
2001年 @民宿サミットの開催。A山村文化会議等の開催。
B五箇山版「マイスター制度」の検討。
2002年〜 三村の村民憲章づくり、民宿などと連携した新たな産業づくり、・・・

 

4 取り組みの成果

(1)五箇山グリーンツーリズムのホームページ開設(平村、上平村、利賀村の三村協同)
(2)五箇山シンポジウム「五箇山農林業を語る」の実施(平村、上平村、利賀村の三村協同)
(3)農業公社の設立など中山間地域の活性化の取り組み(平村、上平村、利賀村の三村協同)
(4)道の駅を拠点とした和紙づくりなど体験イベントの充実(平村)
(5)青少年旅行村合掌の里を中心に村内各施設とリンクした体験メニューの充実(上平村)
(6)都市住民の体験イベント「みんなで農作業の日」の実施(利賀村)
(7)交流促進センター、きのこ園、山菜園の整備(H14-15計画 林構事業 利賀村)

5 今後の課題

(1)都市住民などのニーズの把握
(2) 恵まれた自然、世界遺産などの山村文化、合掌造の宿泊体験、山村の食、農林漁業体験、自然体験など三村の特徴を活かし五箇山ならではの「滞在型利用をめざした魅力づくり」
(3) 目標的達成に向けた地元地域の「活性化に向けたムードづくり」、三村の総合的窓口「五箇山グリーンセンタ(仮称)」整備などの「体制づくり」

 



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