1 山地災害等の多発と森林の整備・保全
 平成16年は、相次いで上陸した台風や集中豪雨、地震により、山地災害や森林被害等が各地で多発しました。この結果、平成16年における山地災害の被害額は、過去10年で最大の2,500億円にのぼっています。
 我が国の森林は、急峻な地形や脆弱な地質、集中豪雨に見舞われやすい気象等、山地災害や森林被害等が発生しやすい条件下にあります。このため、被災箇所の早期復旧をはじめ、治山施設の整備や機能の低下した森林の整備を行い、災害を未然に防止し、安全で安心できる豊かな暮らしを実現できるよう、災害に強い森林づくりを一層推進していく必要があります。
 また、このような森林の整備・保全を担う人たちが、山村において安定的に就労し、定着することによって、将来にわたる森林づくりの展望も開けます。 
 新潟県中越地震被災地においては、二次災害の防止と早期復旧に寄与するため、林野庁から呼びかけた近隣県及び森林管理局の治山技術者が新潟県と合同で山地災害危険地区等の緊急点検を行い、応急対策や復旧対策を早期に実施していくこととしました。また、激甚な山地災害や森林被害等が発生した地域において、荒廃山地や地すべり地の早期の復旧や被害木の整理、跡地への造林を集中的に実施することとしています。

過去10年間の山地災害発生状況
資料:林野庁業務資料


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