プレスリリース
平成16年9月21日
林    野    庁

第3回森林国営保険に関する検討会の概要について

1 日 時  平成16年9月16日(木)14:00〜16:00

2 場 所  林野庁 林政部会議室
3 内 容
(1)説明
   森林保険の必要性及び民間の森林保険の現状等に関して説明

(民間損害保険会社からの参考人による説明)
○民間の森林火災保険は、火災保険としてのシェアが極めて低い。
○民間の場合、被保険者は紙・パルプ会社、系列会社、大規模森林所有者が一般的だが、会社によっては個人の森林所有者も多い場合がある。
○民間では、森林火災保険を特別に募集するルートはなく、一般の代理店が募集を行っている。
○自然災害リスクが高まっていること、損害査定にかかる負担が大きいことから、気象災や噴火災を保険として担保する方針がない。
○現在のように火災のみの森林保険では、森林所有者にとって魅力が乏しく、加入者を増やすことは難しい。一方で、気象災及び噴火災を保険対象とすることはリスクが大きく更に困難であることから、市場は限定され、規模も小さくなる。事務コストがかかることから、積極的な活動はしていない。
○大規模な災害がたびたび発生する気象災を対象とすれば、保険の安定経営ができない。
○損害保険の自由化に伴い、競争が激しくなり、手間暇のかかる森林保険に対する熱意が低下している。
○我が国の大規模自然災害は1990年以降、増加しており、自然災害の保険金支払額が増加傾向にある。このような中で、民間損害保険会社は、森林の自然災害を補てんするような自然災害リスクを新たに負担することに極めて慎重である。このようなリスクの高い自然災害に対する保険は国で行った方がよい。
○気象災を対象とする方向になく、国営保険と同様のものを行うのは困難である。
(2)主な意見

○森林は、毎年のように局所的で小規模な自然災害を受けている。林業が低迷する中では、このような災害は、林家の経営意欲や森林管理意欲を低下させるので、森林保険により、損害を補てんすることは必要である。
○森林所有者にとっては、森林育成は超長期に亘るものであり、森林国営保険は何らかの形で残すべきである。問題は、現状に合った国営保険とすることである。
○多面的機能を有する森林を守るという公益性から森林国営保険は必要。
○森林所有者としての市町村からすれば、森林保険は公有財産保全のためにも必要なのではないか。
○森林所有者は、森林保険が必要という認識を持つ者が多い。これが加入に結びつかないのが問題である。
○被災後の復旧資金を確保するとともに、投入資金を保全して、林業経営の安定と被災後の再造林の確保に資するためには、森林保険は必要である。
○民間損害保険会社の意見等を踏まえれば、気象災や噴火災は、リスクが大きいこと、市場規模が小さい割には損害査定の負担が大きいなどコストがかかることなどから、森林国営保険と同様の保険を民間で実施することは困難である。
問い合わせ先
林野庁森林整備部森林保全課
担当者 青柳 浩(内線6314)
      小林辰男(内線6315)
電話 03(3502)8111(代表)
    03(3501)3843(直通)

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