平成15年10月2日
林     野     庁

第12回世界林業会議の結果概要について

1.時期・場所・参加者等
 9月21日(日)から28日(日)までの間、カナダ・ケベック市において、カナダ政府(天然資源省)及びケベック州政府(天然資源・野生生物・公園省)の共催、国連食糧農業機関(FAO)の後援により、「第12回世界林業会議(World Forestry Congress)」が開催された。同会議には140を超える国から政府、国際機関、大学・研究機関、産業界・企業、非政府組織(NGO)の関係者や学生など、計4,061人が参加した。
 わが国からは、林野庁から前田次長、山田計画課長、今泉海外林業協力室課長補佐、山之内同室係長の4名が出席したほか、森林総合研究所、国際協力事業団(JICA)などからも出席があった。
2.主な討議内容
(1)今回の会議は、「森林、いのちの源」を全体テーマ、「人類のための森林」「地球のための森林」「人類と森林の調和」の3つを副テーマとして討議が行われ、全体会議のほか、副テーマをさらに38の課題に分けての分科会討議、5つの生態地域(熱帯及び亜熱帯湿潤地域、熱帯乾燥地域、亜熱帯乾燥地域、温帯地域、亜寒帯地域)別討議、喫緊の課題に関する公開討論会、現地検討会(計28コース)などが行われた。
(2)また、会議場内に設置された展示会場では、各国、国際機関、企業、非政府組織など計137の主体がそれぞれの取組などを紹介する展示を行った。さらに、会議の休憩時間等を利用して、様々な主体の主催による100以上のサイド・イベント(セミナーなど)が開催された。
(3)会議は、最終日に、会議の討議内容を集約し世界中の関係者に対して持続可能な森林経営の推進のための適切な法令の策定と施行、関係者間のパートナーシップ、研究・教育・能力開発の推進などを呼びかける声明文(別添1参照)を採択して閉幕した。
(4)なお、次回(第13回)の世界林業会議は、6年後の2009(平成21)年に開催される予定。開催地は、2005(平成17)年のFAO理事会において決定される見込み。現在までのところ、韓国及びオーストラリアが開催地として立候補する意思を表明している。
3.第15回モントリオール・プロセス・ワーキンググループ会合(ハイレベル会合)
(1)今回の世界林業会議の機会を利用して、9月22日(月)、第15回モントリオール・プロセス・ワーキンググループ会合が開催され、わが国を含むメンバー国12カ国が参加した。
(2)今回の会合は、1995(平成7)年にメンバー国間で7つの基準と67の指標を採択した「サンティアゴ宣言」以来の取組の成果及び今後の活動の方向等を確認することを目的に開催されたものであり、各国から森林行政部局又は研究機関の幹部クラスが出席した(わが国からは、上記林野庁の4名及び森林総合研究所家原資源解析研究室長が出席)。
(3)会議では、各国の代表者からステートメントが発表され、各国における基準・指標に沿った政策の展開などの取組が紹介された。わが国からは、前田次長より、森林・林業基本法の制定など国内法制度の整備や国際協力の推進など「持続可能な森林経営」の考え方に沿ったわが国の取組を紹介しつつ、各メンバー国が、モントリオール・プロセスの成果を国連森林フォーラム(UNFF)などの国際的な議論に積極的に活かしていくべきことを呼びかけた。
(4)また、
@「2003年モントリオール・プロセス第1回森林概要レポート」(各メンバー国の森林状況を、7基準から各1指標を選んで取りまとめたもの)の完成発表
A 各国から提出されている「モントリオール・プロセス第1回国別森林レポート」の紹介(わが国からは7月に提出済み)
B 基準・指標が持続可能な森林経営の推進に重要な役割を果たしうること、そのため、メンバー国は今後も各指標に関するデータの計測・評価・報告に積極的に取り組んでいくことなどを盛り込んだ「ケベック市宣言」(別添2参照)の採択
が行われ、会議は終了した。
※(参考
問い合わせ先
 林野庁計画課海外林業協力室 今泉・山之内
    電話(代)03-3502-8111(内6212、6213)
       (直)03-3591-8449

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