2 吸収量確保の見通し

○ 人為活動が行われた森林による吸収量の推計

[対象とする森林]

人為活動が行われた森林としては、

@育成林

A天然生林のうち、保安林、保護林及び自然公園(特別保護地区、第1種特別地域、第2種特別地域)

 これらの重複を排除し、基本計画が目標通りに達成されたものと仮定すれば、全森林の約70%が「人為活動が行われた森林」となり、この場合、確保できる吸収量は約3.9%と推計。

注)現時点で推計可能な手法を用いて試算を行ったもので、約束期間においては、基本的にはその時点での実測をもとに算定することとなっており、その手法について来年のCOP9までにIPCC(気候変動に関する政府間パネル)で検討。この検討に、我が国より専門家を参加させ、我が国の人為活動の考え方が国際的に認められるよう対応。

(森林・林業基本計画、平成13年10月)
◎ 森林の有する多面的機能の発揮に関する目標及び木材供給・利用に関する目標

区   分 平成12年 目標とする森林の状態

(参考)
指向す
る森林
の状態

平成22年
2010年

平成32年

(万ha)

総森林面積
 育成単層林
 育成複層林
 天然生林

合   計

1,030

90

1,390

2,510

1,020

140

1,350

2,510

970

230

1,310

2,510

440

870

1,200

2,510

総蓄積 (百万m3)
ha当たり蓄積 (m3)

3,930

156

4,410

176

4,730

188

5,080

202

総成長量(百万m3)
ha当たり成長量(m3)

89

3.5

80

3.2

69

2.7

58

2.3

総伐採量(百万m3)

25

32

41

注:総伐採量は、上記計画における木材供給目標値(素材ペース)を立木材積に換算したものである。

京都議定書の締結に向けた国内制度の在り方に関する答申

中央環境審議会答申(平成14年1月24日)より抜粋

 我が国に必要な吸収量を確保するため、森林・林業基本法に基づき2001年10月に策定された森林・林業基本計画に基づき、健全な森林の整備、保安林等の適切な管理・保全等の推進、国民参加の森林づくり等の推進、木材及び木質バイオマス利用の推進等を着実に進めていくことが必要である。森林・林業基本計画に示された森林の有する機能の発揮の目標と木材供給及び利用の目標通りに計画が達成された場合、議定書の対象の森林全体で、対基準年排出量比3.7%、さらには森林経営による獲得吸収量の上限値(1300万炭素トン、対基準年排出量比3.90%)程度の吸収量の確保が可能と推計される。
 一方、現状程度の水準で森林整備等が推移した場合、確保できる吸収量は3.7%を大幅に下回るおそれがあり、森林・林業基本計画に基づき、現状の水準を上回るペースの森林整備、木材供給、木材の有効利用等を着実かつ総合的に実施することが不可欠である。


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