作成日:令和3年11月12日
担当:森林整備部技術普及課
令和3年度 技術力維持・向上対策研修(実践研修)近畿中国ブロック
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令和3年度の近畿中国ブロック実践研修は、「一斉人工造林地における地位区分に応じた森林施業」をテーマに3日間の日程で開催しました。
期 間 :令和3年10月27日(水曜日)~10月29日(金曜日)
会 場 :新見商工会館 会議室(岡山県新見市)
古谷国有林527林班(岡山県新見市)
受 講 生 :府県職員(4名)、近畿中国森林管理局職員(2名)、国立研究開発法人(1名)、民間事業体職員(4名)
研修内容:
1日目
【講義】
1) 今後の森林づくりの考え方について
2) 多様な森林づくりの構想について
【グループ演習】
現地検討前のうちあわせ、机上調査
2日目
【現地検討】
1) 一斉人工造林地における今後の森林施業(地位等の森林の状況の調査)
2) 天然力を活用した森林づくり(天然生広葉樹の活用事例の調査)
【グループ演習】
現地検討結果を踏まえて、「一斉人工造林地における今後の森林施業」をテーマとして、目標林型等について検討し、発表をとりまとめ
3日目
【グループ演習】
「一斉人工造林地における今後の森林施業」をテーマに発表・意見交換
概要:
【1日目】 開講式の後、受講生の緊張を解くためのアイスブレイクや研修の内容、グループ演習の進め方等の説明を行いました。
その後、「今後の森林づくりの考え方について」(近畿中国森林管理局計画課 植田流域管理指導官)と「多様な森林づくりの構想について」(森林総合研究所関西支所 山下森林生態研究グループ長)の講義を行いました。
講義終了後、3班に分かれて、翌日の現地検討に向けた、調査方針の設定やプレゾーニングを含む机上調査等のグループ演習を行いました。
講師による概要説明 | プレゾーニング(3班) | プレゾーニング(1班) | 調査方針の検討(2班) |
【2日目】
朝から古谷国有林にて現地検討を行いました。
先ず、皆伐跡地で天然更新した広葉樹を育成するとともに、広葉樹の間にヒノキ植栽を行い、植栽本数及び下刈り回数の低減による低コスト造林を行っている林分を現地踏査しました。講師から、天然更新の状況や可能性について説明を行い、質疑応答を行いました。
続いて、40haの一斉人工造林地における今後の森林施業を検討することを目的に、グループ単位での踏査を行いました。各グループは、前日の机上調査等で決めたルートを歩き、当該林分の林況、人工林の成長、後継樹の更新状況等を確認、時には標準地調査を行い、目標林型や森林施業について検討を行いました。
現地踏査後、新見商工会館に戻り、グループごとに「一斉人工造林地における今後の森林施業」をテーマとして検討を行い、翌日の発表のとりまとめを行いました。
現地検討の概要説明 | 調査ルートの確認 | 講師による指標植物の説明 | 研修生(11名) |
【3日目】
最終日は、各班から「一斉人工造林地における今後の森林施業」について発表を行いました。
1班からは、地位や公益的機能の発揮状況等に応じて木材生産林や渓畔林、針広維持林等の5つの目標林型にゾーニングを行い、所有者の意向の変化(木材市況や相続等)に応じて柔軟に対応するための施業として、ユニークな列状間伐による針広混交林化の森林施業も提案されました。
2班からは、地位や地利に応じて林業経営林、育成複層林化、渓畔林等の5つのゾーニングを行い、ゾーニングに応じた皆伐(早生樹植栽含む)、択伐、列状間伐による複層林化等の森林施業が提案されました。
3班からは、現地踏査の結果等を踏まえた渓畔林、木材生産林、公益的機能林の3つのゾーニングを行い、木材生産林は、更に、スギ一斉林、ヒノキ一斉林に加え、天然更新によるスギ・ヒノキ林、天然更新による広葉樹林にエリア分けし、エリア毎の森林施業が提案されました。
発表後は、参加者間の意見交換、講師による講評を行い、3日間の研修を終了しました。
1班の発表 | 2班の発表 | 3班の発表 | 山下講師の講評 |
受講生からは、「限られた時間で、グループの意見を一つにまとめる練習になった」、「ゾーニングのポイントを理解する機会となった」、「現場を歩く重要性を再認識した」等の感想が聞かれました。
また、本研修は、毎日の検温、移動バスの座席間隔の確保等の新型コロナウィルス感染予防対策を行いながら実施しました。
お問合せ先
森林整備部技術普及課
担当者:企画官(民有林連携)
代表者:06-6881-3500(内線3524)
ダイヤルイン:050-3160-6786