作成日:平成29年12月15日
担当:森林整備部技術普及課
平成29年度実践研修(近畿中国ブロック)
林野庁では、市町村森林整備計画の策定等市町村への指導・助言の役割を担うべき森林総合監理士等の技術的水準の維持向上を図るため、森林総合監理士等を対象として、全国7ブロックで実践研修を開催しています。 |
平成29年度実践研修(近畿中国ブロック)では、近畿中国森林管理局管内の森林総合監理士等17名(府県職員9名、森林管理局職員8名)を対象に、3日間の日程で「一斉人工造林地における地位区分に応じた森林施業と天然力を活用した森林づくり」をテーマに研修を行いました。
研 修 期 間:平成29年10月25日~平成29年10月27日
研 修 会 場:近畿中国森林管理局森林技術・支援センター会議室(岡山県新見市)
古谷国有林527林班(岡山県新見市)
研修対象者:森林総合監理士、都道府県職員、市町村職員、森林管理局職員、民間職員等
研 修 内 容:1日目:【講義】
(1)一斉人工造林地における今後の森林施業
(2)多様な森林づくりの構想について
2日目:【現地検討】
(1)一斉人工造林地のゾーニング(古谷国有林527林班)
(2)天然力を活用した森林づくり(古谷国有林527林班)
3日目:【検討発表全体討論】
「一斉人工造林地のゾーニング」及び「天然力を活用した森林づくり」をテーマに今後の施業などについて検討・発表
1日目(平成29年10月25日)
実践研修(近畿中国ブロック)がスタートしました。
この研修には、近畿中国管内(石川県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県)から、17名の森林総合監理士等が岡山県新見市に集合しました。
開講式
林野庁近畿中国森林管理局 高井森林整備部長が「林業が産業として成り立つためには、今後どのように取り組んでいくべきであるかを常に考えるマインドを持っていただきたい。森林総合監理士として指導にあたる者は、広く長いスパンで山づくりを考えることが大切である。今回の研修では、森林全体を見ていかに合理的に経営していくのか、森林の多面的機能発揮、生態系・生物多様性の保全の観点からもどのような経営をしていくべきかを考えていただきたい。そして、今後の実務において、役立てていただきたい」旨の挨拶を行いました。
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オリエンテーション
事務局から、研修全体の注意事項の説明の後、倉石プロセスマネージャー(林野庁近畿中国森林管理局 技術普及課 企画官(民有林連携担当))が、緊張を解きほぐすゲームを行いました。研修生の緊張がほぐされ、和やかな雰囲気に包まれました。
まずは背伸びをして緊張をほぐします |
緊張がほぐれてきた?研修生と講師 |
緊張がほぐれたところで、各班内で意気込みを含めて自己紹介を行いました。
はじめまして! |
よろしくお願いいたします! |
実践研修ガイダンス
続いて、櫻井講師(林野庁近畿中国森林管理局 森林整備部 企画官(技術開発・普及))が、研修のねらいと全体のカリキュラム等について説明しました。
ねらい:(1)適切な目標林型を設定する能力
・一斉人工造林地をゾーニングし、目標林型を導き出す能力の習得
(2)天然力を活用する能力
・天然更新の可能性の判断や成林の不確実性の最小限化のための基礎的な知見の習得
・天然力を活用した森林づくりに関する知見・意識の向上
研修の「ねらい」について説明する櫻井講師 |
カリキュラム等の説明を行う櫻井講師 |
【講義】一斉人工造林地における今後の森林施業
渡部講師(林野庁近畿中国森林管理局 計画保全部計画課 流域管理指導官)が、森づくりの基本的な考え方、新たな森林・林業基本計画で示された望ましい森林の姿、目標林型と計画制度の関係などについて、講義しました。
森づくりの基本的な考え方などについて |
渡部講師の講義を真剣に聴講 |
【講義】多様な森林づくりの構想について
続いて、奥田講師(森林総合研究所関西支所森林生態系グループ長)が、森林づくりの構想を考える目的、目標林型の考え方、持続可能な森林の管理の基本、天然更新の成否の見極め、広葉樹更新のための要素などについて、講義しました。
森林づくりの構想を考える目的などについて講義を行う奥田講師 |
奥田講師の講義を真剣に聴講 |
質疑・応答
講義終了後の質疑応答
講師に質問 研修生の質問に答える奥田講師
事前検討(グループワーク)
研修1日目の最後は、翌日の実習(現地検討)の事前準備を行いました。最初に、倉石プロセスマネージャーが、現地検討の進め方及び発表の取りまとめ方について説明をした後、班ごとに分かれ、事前に配付された資料(各種図面、航空写真、収穫予想表等)をもとに、現地でどのようなことを確認する必要があるのか等を検討し、踏査の計画を立てました。
事前検討を行う |
事前検討を行う |
事前検討後、翌日の予定について説明し、1日目の研修は終了。
お疲れ様でした。
夜の懇親会では、研修生と講師、研修生同士が各地域の森林・林業の状況や現在取り組んでいる課題等について、情報交換を行いました。
2日目(平成29年10月26日)
研修2日目は、朝から新見市内の国有林(古谷国有林)で現地検討を行い、その後、討議、発表取りまとめを行いました。
【現地検討】古谷国有林(527林班)
午前中、45haの一斉人工造林地において、渡部講師が現地の概要(森林の状況、施業履歴、検討のポイント等)について説明した後、班ごとに踏査に入り、地位区分に応じた森林の取扱いや今後の施業方針の検討を行いました。
現地に向けて出発です! |
まずは対岸から一斉造林地を遠望するため移動 |
遠望しながら渡部講師が概要説明 |
林況を確認 |
遠望できるポイントで議論 |
棹で樹高を調べ地位を判定 |
午後から、天然生広葉樹を活用して針広混交林の造成を行っている林分に移動し、岩田講師(林野庁近畿中国森林管理局森林技術・支援センター所長)が現地の概要(森林の状況、施業履歴、検討のポイント等)について説明した後、班ごとに踏査に入り、天然力活用の成功ポイント、今後の施業方針などについて、検討を行いました。
岩田講師が現地の概要について説明 |
植栽したヒノキと天然生広葉樹の生育状況を調査 |
調査結果を踏まえて林内で議論 |
発表取りまとめに必要な現地の情報を収集し、現地検討は終了。
【討議】 「一斉人工造林地のゾーニング」及び「天然力を活用した森林づくり」をテーマに今後の施業などについてグループ討議
古谷国有林から、森林技術・支援センターの会議室に戻り、岩田講師がマルチコプターで撮影したデータをオルソ化した画像により補足説明を行った後、 「一斉人工造林地のゾーニング」及び「天然力を活用した森林づくり」の2テーマについてグループ討議を行いました。
岩田講師がオルソ画像により補足説明 |
グループ討議 |
講師は必要に応じてアドバイス |
【発表とりまとめ】
続いて、最終日の発表に向け、各班の発表テーマを決定し、班ごとに発表のとりまとめを行いました。
KJ法で課題を整理 |
発表取りまとめを行う |
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最終日の発表に向けて取りまとめを行い2日目終了。研修生の皆さんお疲れ様でした。
3日目(平成29年10月27日)
研修最終日です。研修で学んだことを踏まえて、2日目に検討した内容について発表を行います。
発表
各班がKP法(紙芝居プレゼンテーション法)を用いて発表を行い、質疑応答を行いました。
取りまとめた成果を発表する(1班) |
1班の発表内容 |
取りまとめた成果を発表する(2班) |
2班の発表内容 |
取りまとめた成果を発表する(3班) |
3班の発表内容 |
取りまとめた成果を発表する(4班) |
4班の発表内容 |
発表後に質問を受ける研修生 |
講師からもするどい質問が飛びます! |
質問することも勉強です! |
するどい質問にも自分たちの考えを説明します |
質疑応答のあと、各講師が講評を行いました。
講評をする渡部講師 |
講評をする岩田講師 |
講評する奥田講師 |
最後に、林野庁近畿中国森林管理局高井森林整備部長が講評し、発表を終了しました。
講評をする高井部長
このあと、研修生は3日間の研修をふりかえりながらアンケートを記載し、すべての研修カリキュラムを無事終了しました。
閉講式
林野庁近畿中国森林管理局 高井森林整備部長が、研修生の皆さんへ、今後の活躍への期待を込めたメッセージを述べて研修を締めくくりました。
研修生の皆さん、3日間の研修お疲れ様でした!
お問合せ先
森林整備部技術普及課
担当者:企画官(民有林連携)
代表:06-6881-3500(内線3524)
ダイヤルイン:050-3160-6786