27年度実践研修(近畿中国ブロック)
近畿中国森林管理局では、若手技術者(准フォレスター等)を対象に、地域において森林総合監理士活動を実践していく上必要な知識技術をレベルアップさせるため、地域特性等を踏まえた課題等をテーマに設定し現地検討方式で行う実践研修を、岡山県新見市で行っています。 |
実践研修では、近畿中国管内の若手技術者16名(県府職員12名、国職員4名)を対象に、3日間の日程で「低コスト造林への取り組みに向けた技術者としての在り方」をテーマに現地検討を行います。
- 1日目:【講義】伐採~造林までの一貫作業システム、コンテナ苗の生産技術ほか
- 2日目:【現地確認】コンテナ苗の活着や成長、植付作業の容易性などを確認
- 3日目:【検討発表全体討論】「トータルコストの縮減に向けた工夫」をテーマに課題や解決策の検討・発表
平成27年10月21日~平成27年10月23日
1日目(平成27年10月21日)
実践研修(近畿中国ブロック)がスタートしました。
この研修には、近畿中国管内(福井県、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県)から、16名の研修生が岡山県新見市に集合しました。
開講式
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近畿中国森林管理局 片山技術普及課長から「この度の実践研修は、「トータルコストの削減に向けた技術者の在り方」がテーマです。伐採~植付までの一貫作業システム、コンテナ苗の生産技術、植栽本数の低減、
ニホンジカの捕獲などについて、事例紹介、現地検討を行う予定です。造林コストの低コスト化には様々な手法が考えられます。実践研修で紹介する取組を参考に、皆さんの地域にあった低コスト造林を検討いただきたい
。」旨の挨拶がありました。
オリエンテーション
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事務局から、研修全体の注意事項について説明がありました。細川博之講師(森林技術支援センター所長)によるアイスブレイクが行われました。受講者の緊張もほぐされ、和やかな雰囲気に包まれました。
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アイスブレイクで緊張がほぐれたところで、各班毎に今回の研修への意気込みを含めて自己紹介を行いました。
細川講師から、研修の概要とカリキュラムについて説明がありました。
「主伐期を迎える森林が多くなりつつある現状の中、伐採後の再造林が採算性等の問題から難しくなっています。このため、主伐後の再造林について、できるだけ低コストで簡単に造林を行うノウハウが求められています。
実践研修では、低コスト再造林実用化の実現に向け知識や技術を補強し、現地検討を行います。」
【講義】伐採~造林までの一貫作業システム
研修1日目、奥田史郎講師(森林総合研究所関西支所森林生態系グループ長)から、伐採から造林までの一貫作業システム、及びこのシステムに不可欠なコンテナ苗の特徴について講義がありました。
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【講義】コンテナ苗生産の工夫と現状について
続いて、長畑州三講師(豊並樹苗生産組合組合長理事)から、コンテナ苗の生産育苗方法、技術の特徴について講義がありました。
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コンテナ苗ついて講義を行う長畑講師 |
真剣に聴講する研修生 |
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コンテナ苗を観察する研修生 |
根鉢部分を半分に切断 |
切断部分 |
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質問に答える奥田講師 |
質問に答える長畑講師 |
【講義】植栽本数低減例紹介
さらに、藤原昭博講師(近畿中国森林管理局森林整備部企画官(自然再生担当))より、低密度植栽林分の状況(下刈終了後等の林分の事例紹介)、成林した林分における形質材質の検証(標準伐期齢を越えた低密度植栽林分(事例)における幹形(細り)木材強度の状況)について、講義がありました。
講義中の藤原講師
【講義】シカ捕獲の取り組み事例
研修1日目の最後は、坂田宏志講師((株)野生鳥獣対策連携センター常務取締役)から、再造林の回避及び造林育林コスト増大の一因となっているシカ被害の低減に向けて、シカの捕獲技術(体制を含む)や捕獲効率の向上について講義がありました。
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講義中の坂田講師 坂田講師へ質問する研修生 研修生からの質問に答える坂田講師
明日は、現地(新見市内の国有林)で現地実習を行います。1日、お疲れ様でした。
2日目(平成27年10月22日)
研修2日目は、新見市内の国有林(三光山国有林入開国有林)で現地実習です。
ますは、三光山国有林において、普通苗とコンテナ苗の生長量について学び、実際にコンテナ苗の植付作業を体験、その後、植栽試験地での生育確認を行いました。
続いて、入開国有林に移動し、シカネット(斜め張り)試作箇所と一貫作業システムで事業を行った試験地の見学、コンテナ苗の活着状況の確認、調査を行いました。
【現地実習】三光山国有林
最初に植栽試験地の概要と普通苗、コンテナ苗の生長量についての説明がありました。
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細川講師より概要説明 |
池田則男講師(森林技術支援センター森林技術専門官)より生長量の説明 |
池田講師からコンテナ苗の植付作業の功程や植栽方法、植栽器具の説明が行われ、研修生自ら、実際にコンテナ苗の植え付けを行い、普通苗を植栽した時よりも植付の容易性などを確認しました。
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池田講師より植付作業について説明 |
池田講師より植付方法について説明 |
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植付体験をする研修生 |
植付体験をする研修生 |
次に森林総合研修所試植栽験地(季節別植栽箇所)において、各グループ毎に春植え、夏植え、秋植えの生育等の調査確認を行った。
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奥田講師による説明 |
試験地を確認・調査する研修生 |
池田講師による生育調査等の説明 |
続いて、森林技術支援センター植栽試験地において生育確認を行った。
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池田講師による説明 | 試験地にて生育確認を行う研修生 | 試験地にて生育確認を行う研修生 |
【現地実習】入開国有林
午後からは、入開国有林に移動し、シカネット(斜め張り)試作箇所と一貫作業システムで事業を行った試験地の見学、コンテナ苗の活着状況の確認、調査を行いました。
最初に細川講師より試験地の概要とコンテナ苗と普通苗の活着や成長状況などについて説明がありました。
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その後、シカネット(斜め張り)箇所と一貫作業システムで事業を行った試験地の現地確認を行いました。
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池田講師よりシカネット(斜め張り)について説明 |
シカネット(斜め張り)の説明に聞き入る研修生 |
シカネット(斜め張り)の説明に聞きいる研修生 |
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細川講師より一貫作業システムについて説明 | 講師に質問する研修生 |
発表とりまとめ
研修会場にもどり、明日の発表に向け、現地で確認した問題課題を整理し、次の点の取組を中心に、その解決策の検討を班毎に行います。
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【題名】 トータルコストの縮減に向けた工夫
【キーワード】 一貫作業システム 地拵え コンテナ苗 保育作業 植栽本数 獣害対策
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検討が終われば、2日目は終了です。研修生の皆さんお疲れ様でした。
3日目(平成27年10月23日)
研修最終日です。2日目に検討した内容について、4班に分かれて発表を行います。
発表
本日は、各班毎に、KP法(紙芝居プレゼンテーション法)を用いて発表を行い、その後質疑応答を行いました。
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1班 | 2班 | 3班 | 4班 |
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各班の発表を聞く研修生 | 質問に答える発表者 |
最後に、講師陣からの講評と取り纏めがあり、検討は終了です。
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細川講師 |
長畑講師 |
奥田講師 |
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藤原講師 | 池田講師 |
閉講式
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閉講式では、近畿中国森林管理局片山技術普及課長から、研修生の皆さんへ、今後の活躍への期待を込めたメッセージで締めくくりました。
研修生の皆さん、3日間の研修お疲れ様でした。
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講師と研修生の皆さん |
お問合せ先
代表:06-6881-3500(内線3524)
ダイヤルイン:050-3160-3786