ホーム > 森林管理局の案内 > 森林管理署等の概要 > 奈良森林管理事務所 > 情報コーナー > 実施済み、イベント概要 ほか > H26春日奥山古事の森イベント


ここから本文です。

更新日:00年00月00日

担当:発表元部局名

伝統的建築物の修復用材を育てる ~「奈良・吉野林業三百年」森づくりの「技」に学ぶ~

 平成26年10月18日(土)「春日奥山古事の森」の普及を目的に、奈良県文化会館において、社寺仏閣などの伝統的建築物の修復用材について考えるシンポジウム「伝統的建築物の修復用材を育てる」が春日奥山古事の森育成協議会(会長:岡本彰夫春日大社権宮司)の主催により開催されました。
 「春日奥山古事の森」は、歴史的木造建造物の修復用資材の供給に寄与するため、社寺や民間企業、関係行政機関、NPO法人等でつくる「春日奥山古事の森育成協議会」と連携・協力を図りながら、200~400年というこれまでにない超長期にわたる森林づくりの象徴的な取組として、平成15年度に春日山原始林に隣接する地獄谷国有林(奈良市)に設定されています。
 当日は、一般参加者や春日奥山古事の森育成協議会関係者、ボランティア団体など、約260名が参加し、第1部のシンポジウムでは、ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所長西村康氏から、「奈良ドキュメントの意義から見た「木の文化」」と題した基調講演で、日本の伝統的な木造建築物の修理方法が世界的に周知される契機となった「奈良ドキュメント」を中心に、木の文化を引き継いでいくために何が必要か、森づくりの必要性を含めて問題提起がされました。また、清光林業株式会社会長岡橋清元(きよちか)氏からの基調講演では、「吉野林業に見る大径材生産と古都奈良の木造文化」と題して、吉野林業300年の歴史と技術の紹介に加え、経営基盤を安定させるための路網整備やエンドユーザー現地見学会など、様々な取り組みが紹介されました。
 基調講演の後、(財)ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所長西村康氏をコーディネーターとし、春日大社権宮司岡本彰夫氏、清光林業株式会社会長岡橋清元氏、奈良県農林部次長田中俊雄氏、近畿中国森林管理局上席自然再生指導官才本隆司氏の4名がパネラーとなり、「伝統的建築物の修復用材を育てる」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
 各パネラーからは、伝統的建築物を後世に残すための修復に必要な資材を確保するための苦労話や、建築技術の継承、木曽五木を例に木材資源を保護制度、林業・木材産業が生業として成り立つために取り組んでいる様々な施策、我々国民も木造住宅を建てることで木の文化の継承に関わりを持つことができるなど、活発な意見交換が行われました。

 第2部では、春日山原始林の散策と興福寺中金堂再建現場見学の2コースに分かれ、春日山原始林散策はグリーンあすなら(奈良巨樹・巨木の会)会員の案内で、平成15年度に植栽した「古事の森」の生育状況を見学した後に春日山原始林を散策しました。また、興福寺中金堂再建現場見学では、株式会社瀧川寺社建築興福寺中金堂復元工事作業所所長國樹彰氏の案内で、興福寺中金堂は奈良時代の礎石がそのまま残っており、当時の姿を復元することができたなどの説明がありました。
 参加者からは、「大径木になるには途方もない年月がかかるのに驚いた。」、「修復資材の大切だが、それを扱う技術の継承が必要だと思った。」などの感想も聞かれました。
 当所では、今後も古事の森育成協議会と連携して「古事の森」の普及啓発に向けて取り組む方針です。

H26古事の森1

春日奥山古事の森育成協議会

会長 岡本彰夫春日大社権宮司の開会挨拶

H26古事の森2

基調講演:「奈良ドキュメントの意義から見た「木の文化」」
ユネスコ・アジア文化センター文化遺産保護協力事務所

所長 西村 康 氏

H26古事の森3

基調講演:「吉野林業に見る大径材生産と古都奈良の木造文化」
清光林業株式会社

会長 岡橋 清元(きよちか) 氏

H26古事の森4

パネルディスカッション風景

左から岡本彰氏、岡橋清元氏、田中俊雄氏、才本隆司氏

H26古事の森5 多くの一般参加者が熱心に耳を傾けていました。
H26古事の森6

興福寺中金堂再建現場見学風景

熱心に説明する國樹所長

H26古事の森7 春日奥山古事の森現地の状況
H26古事の森8

春日山原始林散策風景

長い年月をかけて育った巨木に驚く参加者

お問い合わせ先

奈良森林管理事務所 
ダイヤルイン:050-3160-6150
FAX:0742-53-1502

森林管理局の案内

リンク集