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2010年6月22日

龍谷大学で「里山学」の講義に出講

6月21日(月曜日)に、龍谷大学深草キャンパスにおいて、「里山学」コースの一環として、福田所長から当所の取組について講義を行いました。龍谷大学では、「里山学研究センター」を設置して、生物多様性や人文科学・社会科学の観点から、里山の総合研究を進めており、「里山学」は、リレー講義形式で、里山の生態的・社会的価値を学ぶ講義となっています。講義には、学生と教員あわせて40名程度が出席しました。
当日は、福田所長より、パワーポイント資料(※講義パワーポイント資料(PDF:3,941KB))により、国有林の概要を紹介した上で、高台寺山国有林における林相改善、銀閣寺山国有林におけるマツ林再生、嵐山国有林における合意形成の取組について説明を行いました。その上で、森林再生に向けた活動を進めるためには、森林に手を加える以前に、関係者の間で目的(何のために)・目標(何を目指して)を共有することが不可欠であり、そのためには、日頃から率直な意見交換を行うことのできる組織の形成が重要である旨指摘しました。
更に、里山全般について、最近、「里山」の価値が無条件に称揚される傾向があるが、かつて、「里山」が維持されてきたのは、あくまで、エネルギー供給を森林に依存せざるを得なかったためであるに過ぎない、現在、経済的価値が殆ど無い「里山」において、あえて労力を投入して「里山再生」を進める意味は何なのかについて、是非考えて欲しい旨問題提起を行いました。

講義2 kougi1

講義の様子

 

出席者からは、国有林の存在感を高めるためには、市民や学生の参加による森林整備を更に推進すべき、民有林におけるカシノナガキクイムシ対策の実施における問題点は何かなどの点について熱心な質問がありました。

講義終了後に出席者から提出して頂いたアンケートには、以下のような感想がありました。
・京都の東山、嵐山が国有林である由来を聞き、その後の変遷についてもよく分かり、大変興味深かった。
・カシノナガキクイムシはナラ類を枯らすため、一方的に悪い存在だと思っていましたが、今日の話を聞いて、カシノナガキクイムシは昔からいて、それが現代になって大きな害を与えるようになったのは、人間の森林利用形態の変化によるのだ分かりました。
・森林再生のためにまず手を加えるのではなく、まず意見交換をすることが大切だというのが特に印象に残りました。関係者の間で目的、目標を共有しないと、やはり、森林再生もうまくいかないと思います。
・今まで単に里山学の講義を受けてきた気がしますが、これからは里山再生を進める意味や目標について考えていきながら講義を受けていきたいと思いました。

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京都大阪森林管理事務所 
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