ホーム > 森林管理局の案内 > 森林管理署等の概要 > 京都大阪森林管理事務所 > 京都伝統文化の森推進協議会が「清水山の景観改善に向けた森づくり(子安観音地区)」を開催
更新日:2011年12月21日
~京都市制定の「三山森林景観保全・再生ガイドライン」を現場で実施~
12月18日(日曜日)に、高台寺山国有林において、「京都伝統文化の森推進協議会」の主催による「清水山の景観改善に向けた森づくり」が開催されました。「京都伝統文化の森推進協議会」では、常緑広葉樹のシイが優占しつつある高台寺山国有林を対象として、林相の多様化に向けた林相改善事業に取り組んでおり、高台寺山国有林(子安観音地区)において、ヒノキ林に侵入した常緑広葉樹の除伐を行いました。
除伐作業前の林内の様子
今回は、京都市が制定した「三山森林景観保全・再生ガイドライン」を現場で実施するという目的もあり、歩行者の視野を確保させる景観的改善を図るため、目線の高さを占める低木・亜高木性常緑広葉樹を除伐し、適切な場所に切断、集積、棚済みをしました。さらには、専門技術者により、ヒノキを被圧しているコジイ、タマミズキの大径木の伐採やヒノキの間伐を行うことにより、林内の風通しを良くし、さらに健全なヒノキ林を育成することにしました。
このイベントには、「京都伝統文化の森推進協議会」より、大西真興清水寺執事長、高田研一森林保全・景観対策専門委員(森林再生支援センター常務理事)が来賓として参加しました。清水門前会、祇園商店街振興組合、京都市都市景観部や公共建築部局の職員ボランティアなど総勢78名が参加しました。当所からは、外山所長、高山流域管理調整官、八田東山森林官の3名が運営に協力しました。
当日は、まず、清水寺境内(子安の塔)にて、開会式が行われました。開会式では、大西清水寺執事長より、「清水山は手入れの必要な里山です。これからも関係者の協力により着実に森林の手入れが行われていくことを期待しています。」旨の開会挨拶が行われました。
大西清水寺執事長の挨拶の様子
続いて、外山所長より「これまでの関係者の協力により少しずつではありますが、景観改善が進んできています。ただし、この清水山一体は、日本の森林でもあまり例のない急激な植生遷移が進んだ箇所でもあることから、往時の姿に戻すためには、長い年月が必要となることを理解しておいて頂きたいです。」旨の挨拶を行いました。
外山京都大阪森林管理事務所長の挨拶
高田専門委員からは、「ガイドラインから見た本日の作業に位置づけについてと題して」清水山における除伐作業の趣旨・目的について説明が行われました。
高田専門委員の説明の様子
三嶋京都の森づくり推進担当課長からは、「本日は刃物を使いますので、怪我のないよう十分注意していただきたいです。また、木材搬出の一手法であるシューター(昔から『しゅら』と呼ばれていた手法)を実演します。」旨の作業概要の説明がありました。
その後、参加者は、ヘルメット、作業手袋、手鋸、剪定バサミを身につけ、5分ほど移動し、作業箇所に到着しました。4班に分かれ、各班のリーダーの指示に従って、樹高1~7m程度のシロバイ、コジイ、サカキ、カナメモチなど常緑広葉樹の除伐作業を行いました。なお、作業箇所に生育してるアオキ、ヤブツバキ、アリドオシの3種類の常緑広葉樹は美しい花や実をつけることから残すことにしました。参加者たちは、伐採、切断、集積する作業を1時間30分間取り組み、作業箇所は見違えるほど明るく見通しが良くなりました。
除伐作業の様子
次に、木材搬出の一手法であるシューター実演場所に移動し、2mに玉伐ったヒノキ丸太が勢いよく滑り落ちる状況を見学しました。これは、全ての山に道を作ることにはならないことから、伝統的な搬出方法を現代版に改良し、いかに簡易に木材が搬出できるのかを一般参加者などを見て頂き、少しでも木材の搬出・利用拡大の推進を図る目的で実施したものです。
木材搬出の一手法であるシューター実演の様子
最後に、記念写真を撮影して、本田徹都市計画担当局長からお礼の挨拶を述べた後、解散となりました。
参加者全員による集合写真
当所としては、今後も、「京都伝統文化の森推進協議会」による取組を積極的に支援していく方針です。
京都大阪森林管理事務所
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