2月2日(水曜日)、御立籔(おたてやぶ)国有林(京都府木津川市)において、マダケ50本を、昨年に引き続き東大寺二月堂の「お水取り(修二会:しゅにえ)」行事に使用するため提供しました。
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【お水取り」の松明に使われるマダケ
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東大寺職員による伐竹作業
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東大寺職員による搬出作業
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東大寺関係者の話では、近年お水取り行事の松明に使用するマダケ(5年生程度の古竹で、目周り長25~29cm、直材6m)の入手が東大寺近隣の竹林からは入手困難になってきており、遠方の地域から調達せざるを得ない状況にあるとのことでした。
御立籔国有林は、東大寺から車で約20分の距離に位置し、松明に適した竹材が入手可能であることから、昨年から提供しています。
当日は、東大寺の職員10名により、マダケの伐採・搬出・積込作業が行われました。あらかじめ、選出しておいたマダケを手際よく伐採し、松明用として7.5m程度(余尺を付ける)に玉切り、残りの部材も積込み易い長さに玉切っていました。根元に近い1m程度の部分は、根を付けて掘り採っていました。まさに1本の竹を丸ごと余すことなく使用する先人の知恵(今時の言葉で言う「勿体ない」)には感心しました。
運び出された竹材の中から、10本の「お松明」が選別され、残りの竹材は、「火の行」とも言われる「お水取り」で使われる何種類もの松明や花器などに加工されます。これらは、すべて、「修二会」を裏で支える「童子」たちによって作られることとなります。
なお、花器用の根付きの竹材は、熱湯できれいに洗われ、花入れ部分の加工が施されます。お水取りの行事に使われた後は、信者の手元に渡るそうです。水受の部品(金属の器やガラスコップ)を追加し、手入れが良いと永い年月使用できるとのことです。
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東大寺職員によるマダケ株の掘り採り作業
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花器に加工される根付きのマダケ株
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東大寺二月堂の「お水取り(修二会:しゅにえ)」は、毎年3月1日から14日かけて開催されます。 この時使われる、「お松明」は、本来、二月堂に上堂する練行衆(れんぎょうしゅう)の道明かりとして灯されるので、12日の籠松明が有名ですが、修二会期間中は毎日あげられています。
12日と14日以外は19時に大鐘がならされ、それを合図に「お松明」が始まります。
11名の練行衆が一人一人、二月堂での行のために上堂するための道明かりですが、「処世界」という役はすでに準備のため上堂しているので必要なく、通常10本の「お松明」があがります。ただし、12日だけは、全ての練行衆が上堂するので11本の「お松明」があげられることになります。
12日の籠松明ともなると、長さ6mほどの根付きの竹の先端に、杉の葉やヘギ・杉の薄板で籠目状に仕上げ、直径1mほどの大きさの松明に仕上げられた物が使われます。
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