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更新日:2010年11月17日

「森林・林業交流研究発表会」で近畿中国森林管理局長賞を受賞

    11月11日(木曜日)から12日(金曜日)にかけて、近畿中国森林管理局にて開催された「平成22年度森林・林業交流研究発表会」において、当所の坪倉上賀茂森林官と赤木治山主幹が「地域密着型の治山事業の実行について~貴船区におけるソフト整備のさらなる充実を図って~」と題する研究成果の発表を行いました。

    発表では、まず、貴船地区の概要(位置、地形、歴史)について説明し、地区の特性から必要な治山事業(ハード事業)の実施状況及び地域住民と連携したリスクマネジメント(ソフト事業)の重要性について説明しました。その上で、地域のお年寄りが体験した災害の概要や、災害の前兆として昔から言い伝えられている事柄を聞き取りし作成した貴船地区防災マニュアルを紹介しました。

防災マニュアル01 防災マニュアル02

貴船地区防災マニュアル

 

    質疑応答では、出席者より、『治山事業でこのような取組を実施していることに驚いた。全国的に同様の取組を行っているのか。』『貴船地区の要望で、最近気になることはあるか。』『こういう取組は、重要なので、他の地域でも広げてもらいたい。』との質問や意見がありました。これに対して、坪倉森林官、赤木主幹より、全国的には数少ない取組であると考えていること、シカ等の獣害対策について要望があることなどを回答しました。

 
    坪倉森林官、赤木主幹の発表は、審査員より高い評価を得ることができ、審査の結果、「近畿中国森林管理局長賞」を受賞することができました。当所では、今回の研究成果を踏まえて、引き続き、地域住民と連携したハード事業、ソフト事業に取組む考えです。

 

受賞者

    局長賞を受賞して喜ぶ坪倉森林官(右)、赤木主幹(左)

 

 
 ※発表資料(PDF:6,891KB)

-発表の概要-


    京都市北部に位置する貴船山国有林・鞍馬山国有林は、面積約220ha、京都の奥座敷として「川床」料理が有名な貴船地区の両側を囲むように存在しています。
傾斜は平均30~40°の急傾斜地で地質も脆弱なため、古くから治山事業を実施し、地域の人々の生活や、観光に訪れる人々の安全を確保してきたところです。

    国有林では、今まで主に山腹工や渓間工などの「ハード」の充実を目標に計画的な事業実行に勤めてきましたが、近年の異常気象の影響による局地的な豪雨、暴風など、予測不能な災害の発生に備えて、住民の防災意識の高揚や、治山事業に対する理解を深めてもらうための「ソフト」の整備も必要不可欠となってきています。

    そのような状況の中、平成22年3月15日に地域住民を対象とする治山事業見学会を開催しました。現地見学、事業の概要説明、質疑応答などで治山事業に関する知識を深めてもらうとともに防災に対する意識を高めてもらうことができました。
    見学会において地域の人の話を聴くと、過去に災害を経験した人達と、それより若い人達との間に、防災に対する意識に差があることがわかりました。過去の災害の記憶が薄れつつある現在、あらためて必要な情報と、過去の教訓をとりまとめてマニュアル化し、国有林と地域で共有化すれば、連携したリスクマネジメントに役立つのではないかと感じました。

    地域のお年寄りに実際体験した災害の概要や、災害の前兆として昔から言い伝えられている事柄を聞き取りし、それを基に、どの程度の状況でどのような行動をとればよいか、そのときに何処に避難するのかなど、貴船地区独自の災害対策マニュアルを作成しました。また、マニュアルを地域の人々に配布することにより、さらなる「ソフト」の充実を図ったところです。

    今後の課題や取り組みとしては、貴船地区の安全確保のためには治山事業のハード面、ソフト面のバランスのとれた実行が必要不可欠です。ハード面では、地元の要望、意見等を大事にし、計画的な事業実行を続ける事が必要であり、ソフト面では、治山事業説明会の継続的な開催を目指します。そして、今回作成した防災マニュアルをさらに充実させ、防災意識の高揚を図れるよう、これまで保たれてきた地元との良好な関係を維持していく事が必要です。
    今後も国有林と住民との情報の共有化を図り、連携したリスクマネジメントに取り組みたいと考えます。

お問い合わせ先

京都大阪森林管理事務所 
ダイヤルイン:075-414-9822
FAX:075-432-2375

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