6月12日(金曜日)に、天龍寺(京都市右京区)において、「嵐山国有林の取扱に関する意見交換会」の第1回会合を開催しました。
嵐山国有林は、かつてはアカマツとヤマザクラが主要樹種であったと言われていますが、松枯れの拡大や広葉樹の成長により、往事の姿から大きく変化しつつあります。このため、当所では、昭和57年より、嵐山保勝会との連携により、往事の嵐山の復活を目指して、小面積の択伐を行った上でサクラやカエデを植栽する取組を進めて参りました。
しかしながら、取組開始から27年を経て、嵐山国有林を取り巻く環境は大きく変化していることから、改めて、嵐山国有林の取扱方針について、幅広い観点から検討を行う必要が生じています。このため、今般、地元関係者及び専門家の参加による意見交換会を開催することとしました。
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天龍寺庭園と嵐山国有林 |
意見交換会には、嵐山保勝会や天龍寺などの関係者6名と景観、植生、獣害及び治山の4分野における専門家4名、計10名に委員として参加して頂きました。あわせて、京都市・京都府の関係部署から4名にオブザーバーとして出席して頂きました。
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当日は、まず、近畿中国森林管理局の佐古田睦美計画部長より開会挨拶を述べた後、福田所長より、「嵐山国有林の取扱について」と題して、嵐山国有林の概要、「嵐山国有林基礎調査」の結果、及び今後の議論の方向について発表を行いました。
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意見交換会の様子 |
発表を踏まえて、委員の間で熱心な議論が行われました。議論の中では、委員より主に以下の点について発言がありました。
・植樹行事で植栽したサクラやカエデは枯れているものが多い。植栽の場所や方法を再検討すべき。植栽後の管理も重要。
・嵐山国有林内には京都市内を一望できる箇所もあり魅力は高いが、危険な箇所も多くある。入林のルールが必要。安全の確保がまず重要。
・次代を担うこども達に対して、嵐山の現状を教えることが重要。
・シカやサルによる被害はそれほど多くないのではないか。
・林内から流れ出る水の量が減っている。「水」についても取り扱って欲しい。
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次回会合は、9月4日(金曜日)に開催することとしました。次回会合では、植生及び景観の2分野について、専門委員から報告・提言を行う予定です。意見交換会では、今後4回の会合を重ねて、年度内にとりまとめを行う予定です。
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※資料へのリンク
・議事次第他(PDF:20KB)・発表資料(PDF:1,774KB)・参考資料
(PDF:218KB)
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