実践環境教育マニュアル
【森へのアプローチ】「ホンドテンは森をどう見ている?」
みなさんは、ホンドテンを知っていますか? ホンドテンは、長くほっそりとした体つきと短い手脚が特徴です。 海岸近くから奥山まで日本各地に広く生息している身近な動物で、日本に生息する哺乳類の中では最も幅広く動物や植物(主に果実)などを食べる動物でもあります。ネズミ類はもちろん、サワガニなども大好物で、バッタ類や甲虫類も好物です。樹上のリスや鳥も襲います。 植物では、イチゴ類やクワ、カキ、ヤマブドウ、サルナシなどを食べ、日本に生息する哺乳類の中でもトップクラスの幅広い雑食性を誇ります。 ホンドテンは、ネズミ等の小動物を食べ、その数を調整し、植物の実を食べながら、糞として種子を散布するといった森林生態系の中で重要な役割を果たしています。 赤谷プロジェクトでは、赤谷プロジェクト・サポーター(ボランティア)が中心となってホンドテンの糞を採取し、赤谷プロジェクトが分析・評価するホンドテン・モニタリング調査(通称:テンモニ)を2005年から行ってきました。 採取したサンプリングした数は2015年までの10年間で5,199個にも及びます。 テンモニは、ホンドテンの生活を観察することによって森を理解することを目的にしています。 先行研究や最近の知見から、ホンドテンは幅広く動・植物を採餌対象としていることが知られており、これら採餌物を解析すれば生息する森林環境の理解につながる可能性が示唆されています。 それにしても、フンから森が見えるなんて!おもしろいと思いませんか? 今回、この成果を環境教育活動にいかしたいと考え、赤谷センターとテンモニに携われている赤谷プロジェクト・サポーターのみなさん(ホンドテン・モニタリングチーム、通称テンモニ隊)と協働で「実践環境マニュアル【森へのアプローチ】ホンドテンは森をどう見ている?」とホンドテンやモニタリングの方法をわかりやすくまとめた「始めよう!ホンドテン・モニタリングどうしてホンドテンなの?~」を作成しました。 読んでいただいた後にやってみたくなったら、みなさんはもうテンモニ隊の一員です。 ぜひ、一緒に取り組んでみませんか? |
実践環境マニュアル【森へのアプローチ】ホンドテンは森をどう見ている?の作成にあたって森の中は、弱肉強食の厳しい世界で、「生と死」とが繰り返され、それぞれが生きるために競争していて、その中でつながりあっています。 だから、すべてが必要とされています。 倒れた木でさえも次の「いのち」をつなげていく役割を担っています。 そうして「いのち」が過去から未来へとつなげられ、空気や水が絶え間なく私たちに届けられていることを考えたとき、私たちはこの世界に生まれた瞬間から、森やそこに生きるすべてのいのちとつながっていることに気が付きます。 引き継がれてきたこの世界を次のいのち、「未来」へつなげていくことができるのは、今を生きる私たち一人一人です。 ホンドテンのモニタリング調査を手がかりとして未来に豊かな森をつなげていくために必要なことを考え行動していきたいと思います。
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