赤谷の森では、近年ニホンジカの増加が顕著です。既に一部の植生が食害を受けており、放置すれば農林業や生態系への深刻な被害が予想されます。赤谷プロジェクトでは、シカが低密度の段階から個体数管理を行うべく、2017年からシカの捕獲試験を毎年行っています。
捕獲方法は誘引による罠捕獲で、林内に鉱塩(家畜用の塩のかたまり)を置き、それを舐めにきたシカをくくり罠または箱罠で捕まえます。罠を設置する箇所は計6箇所で、くくり罠4箇所、箱罠2箇所です。捕獲期間は9月26日から10月28日です。
罠の近くには自動撮影カメラを設置しており、動物の画像がセンター職員に送信されるようになっています。加えて、林業試験場の坂庭氏から提供いただいた罠が動作したことを知らせる“通報装置”も設置しています。これにより、罠の見回りの軽減を図ることとしています。また、これまで電波の届かない箇所では、そうした仕組を使用することはできていませんでしたが、長距離無線を使用した捕獲パトロールシステムを導入することにより、そうした箇所でも見回りの軽減ができるようになりました。
今年は6月にも同様の捕獲試験を実施しましたが、空弾きが多く捕獲にはいたりませんでした(
こちら)。今回は、空弾きの原因のひとつと考えられた足くくり罠のワイヤー径の見直しを行ったので、1頭でも捕獲したいところです。また、昨年度は1頭のメスジカを対象とした行動把握調査によって、その個体の越冬地や移動経路を把握することに成功しました。こちらも調査できた個体数が1頭のため、今年度さらに数を増やしたいと考えています。行動把握調査の詳細は
こちらの記事をご覧ください。
捕獲試験については、動きがありましたら随時ご報告したいと思います。
報告者:いとうちゃん
これからもどんどん、赤谷プロジェクトの様々な取組を紹介していきます。
また、赤谷プロジェクトでは、サポーターを随時募集しています。http://www.nacsj.or.jp/akaya/sup_index.html
AKAYA(赤谷)プロジェクトホームページより