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関東森林管理局

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    森のQ&A

    Q   人工林と天然林ってなんですか?

    Q   人工林の手入れはどんなことをするの?

    Q   ブナの木が大きな木になるまで何年かかるの?

    Q   木は寒い冬にどれくらい()えられるの?

    Q   木は、どのくらい二酸化炭素(にさんかたんそ)を吸うのですか?

    Q   二酸化炭素を吸収(きゅうしゅう)した木を伐採したら二酸化炭素は出てくるのですか?

    Q   森林は水をためてくれるけど、いつ、どうやって水を出すの?どうして水をためてくれるの?

    Q   人工林と天然林は水のしみこむ量はちがうの?

    Q   森に来ると、なぜ(すず)しいの?

    Q   生き物は森にどれくらい生活しているの?

    Q   木はどんな生き物の住みかになっているの?

    Q   木材は机やいすの他にも使われているの?

    Q   災害が起こった後はどうやって片付けているの?

    Q   間伐(かんばつ)や枝切りで切った枝や木は、再利用していますか?

    Q   刈った草とかはそのままにしているんですか?

    Q   森の木を切った後に木を植えないとどうなるの?

    Q   天然林は手入れしなくていいの?

    Q   木を切るのはどんな道具でどんな服装なの?木はどうやって道具になるの?

    Q   人工林と天然林ってなんですか

    A   森林には、大きく分けると2種類あります。一つが人工林、もう一つが天然林です。

      人工林というのは、「人が作った森林」という意味で、人が木を植えて育てている森林です。

      天然林はその逆で、自然の仕組みで成り立っている森林のことです。

      人工林はそのままほったらかしておくと、木がうまく育たなかったり、森林が荒れてしまったりするので、きちんとお手入れをしなければなりません。

    Q   人工林のお手入れはどんなことをするんですか

    A   人工林の手入れには、下刈り、つる切り、間伐といったものがあります。

      下刈りは、植えた木の周りの雑草を刈り取る作業です。高く成長する木も最初は背が低く、何もしないと周りの草におおわれて光がとどかず成長できなくなってしまいます。だから、木が十分成長するまで周りの雑草を刈り取る下刈りが大切なんです。

      つる切りは、木に巻き付いた「つる」を取りのぞく作業です。「つる」というのは、他の植物に巻き付いて成長する植物のことです。「つる」に巻き付かれると、木の成長がじゃまされたり、木の形が悪くなってしまいます。つる切りは、この「つる」から木を助けだす作業なんですね。

      間伐は、成長した木の中から何本か選んで切る(「間引き」ともいいます)作業です。せまい場所で何本も木があると、お互いに成長をじゃましたり、森林が暗くなって地面に他の植物が育たず土が流れ出やすくなったりします。

      間伐をすることで、残った木が良く成長できるようになるし、光が森林の中に入ってきて他の植物が生えるようになります。
      こうした森林の手入れをきちんとやることで、人工林の森は元気になるのです。

    (リンク「お山ん画」)

    ・下刈りとつる切りの巻  https://www.rinya.maff.go.jp/j/kouhou/kouhousitu/jouhoushi/attach/pdf/29sp-10.pdf

    ・間伐しよう!の巻https://www.rinya.maff.go.jp/j/kouhou/kouhousitu/jouhoushi/attach/pdf/29sp-3.pdf

    Q   ブナが大きな木になるまでに何年かかるの

    A   ブナはゆっくり成長する木です。木の高さが5mくらいになるまでには大体50年~60年、10mくらいになるまで70年~80年、さらに成長して20mくらいになるときには120年~130年かかります。()長生きなものではなんと700年以上生きるブナもあります。

    Q   木は寒い冬にどれくらい()えられるの

    A   木の種類や樹齢(じゅれい)(木の年れいのこと)、生えている場所などによってさまざまで、気温が0度よりも低くても大丈夫な木もありますし、寒すぎると成長できない木もあります。また、寒さが続くと木の中の水分が(こお)り割れてしまうこともあります。

       木にはたくさんの種類があり、暖かい場所が好きなもの、寒い場所が好きなものなど、木の種類によってさまざまです。

       ちなみに、新潟県でよく見られるブナの木はマイナス30度でも生きることができるんですよ。

         

    Q   木は、どのくらい二酸化炭素(にさんかたんそ)を吸うのですか

    A   木の種類や樹齢(じゅれい)(木の年れいのこと)によって異なりますが、例えばブナは1本あたり1年間で11kgの二酸化炭素(にさんかたんそ)CO(シーオーツー)2)を吸収(きゅうしゅう)します。人が1年間で呼吸(こきゅう)によって出す二酸化炭素は320kg、つまり約30本のブナで一人の出す二酸化炭素を吸ってくれていることになりますね。
       ちなみに、日本の森林全体では1年間におよそ733億kgの二酸化炭素を吸収している(※)といわれています!森林がとってもたくさんの二酸化炭素を吸収していることがわかりますね。


        
    (※森林総合研究所平成13年度研究成果選集http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2001/18matsumoto.htmlを炭素量から二酸化炭素量に換算)

    Q   木は二酸化炭素(にさんかたんそ)を吸収して酸素を出してくれますが、二酸化炭素を吸収(きゅうしゅう)した木を伐採(ばっさい)したら二酸化炭素は出てくるのですか

    A   吸収(きゅうしゅう)した二酸化炭素(にさんかたんそ)は木の体の一部になるため、伐採をしても二酸化炭素を排出(はいしゅつ)することはありません。しかし、そのまま森林の中に放置しておくと、土の中にいるとても小さな生き物などのはたらきで、ゆっくりと長い時間をかけて分解されていきます。すると、

        ・森林の土の一部になるもの、

        ・森林の肥料(ひりょう)となってもう一度木などの植物の体の一部になるもの、

        ・二酸化炭素としてまた空気の中に戻っていくもの

    に分かれていきます。二酸化炭素として空気の中に戻っていくものも、もともと、木が空気から吸収したものだから、二酸化炭素が増えるわけではありません。

    だけど、切った木を木材として長く使うことで、空気の中の二酸化炭素を減らすことにつながっていくのです。

    ~森林の土にも二酸化炭素がたっぷり!~


    ちなみに、森林の土の中には、森林の樹木にためられている二酸化炭素の約5倍の二酸化炭素がためられています!

    枯れたり、切られた木などが森林の土になると、数百年もの間、分解されずに森林に残ります。

    つまり、木が吸収した二酸化炭素がとっても長い間、森林の土の中にためられるということなんですね。

     Q4

    Q   森林は水をためてくれるけどいつ、どうやって水を出すの。どうして森林は水をためてくれるの。

    A   森林の土にはたくさんの小さな穴があいています。これは、土の中で植物が根っこを伸ばしたり、とても小さな生き物たちが動き回ったりしてできたものです。雨や雪となって森林にやってきた水は、こうした土の中の小さな穴を通ってゆっくりとしみこんでいきます。その水はさらにゆっくりと地下へと流れていき、山の地面からずっと下の方を流れる地下水に合流して、最後は地表にしみ出して川へと流れ込みます。おおよそ5年から長いものでは20年以上かけて流れ出る水もあるようです。みんながふだん使っている水は、長い間森林がためてくれていたものなんですね。

        

    Q   人工林と天然林は水のしみこむ量はちがうの?

    A   その森林に生えている木の種類によってもちがいますが、人工林よりも天然林のほうが水がしみこみやすいと言われています。

    Q   森に来ると、なぜ(すず)しいの?

    A   森の中は木の枝や葉が日光をさえぎってくれているから、日陰(ひかげ)の場所が多くできます。また、木は蒸散(じょうさん)といって、葉っぱから水分を空気中にはき出しています。そして、その水分が熱をとりさってくれています。だから、森の中にいくと(すず)しく感じるんですね。


    Q   生き物は森にどれくらい生活しているのですか

    A   日本にはおよそ5~6万種類の動物がいると言われていますが、その中でも森に住む動物は多数います。世界全体でみると、陸上に住む動物のおよそ80%は森林で生活しているといわれているんですよ!


    Q   木はどんな生き物の住みかになっているの?

    A   木は色んな生き物のすみかになっています。例えば鳥の中には木の枝に巣をつくるものがいます。木には自然に穴ができることがあるけど、その穴は動物たちにはとてもいごこちがいいみたいですね。フクロウなどの鳥や、ムササビやモモンガ、大きな穴であればなんとクマまで、ねぐらとして使っていることがあるんです。森の大工さんといわれるキツツキは、自分でくちばしで木に穴をあけて住みかをつくっています。ほかにもたくさんの動物や昆虫が木を住みかにしています。

    Q   木材は机やいすの他にも使われているんですか?

    A   例えば家や建物を建てる時に柱や(ゆか)の板、かべ(がみ)として使われています。ほかに、

    ・たんす、テーブル、(たな)などの家具、

    ・おわん、お(はし)、マグカップなどの食器、

     
    本やノートなどに使われる紙

    木琴(もっきん)やバイオリンなどの楽器

    ・つみ木や木馬(もくば)

    などにも木材は使われています。

    めずらしいものでは、電車の車両に使われることもあります!みなさんの身近な鉄道でも木材が使われているかもしれませんね。

    また、燃料としても使用されていて、昔から使われてきた(まき)炭のほか、発電などにも使われています。

    ほかにも木材が使われているものはまだまだたくさんあります。みなさんも木材が使われているものを探してみてくださいね!

    ~日本の木を使うことで日本の森林が元気になる!~

      

    日本では、手入れがされず元気の無い人工林が増えています。

    日本の木をもっと使うようにすることで、

    手入れをする人も増えて、森林に元気がもどってくるのです。





     

    Q    災害が起こった後はどうやって片付けているの?

    A    例えば土砂くずれなどが起こったときは、人の手だけでは難しいことが多いので大型の機械を使って直しています。

    また、ただ片付けたりするだけでなく再び災害が起きにくくなるように工事を行います。山の地面が簡単にくずれないようにコンクリートなどで支えたり、植物で地面をおおうようにするために、植物の種をまいたりします。

    Q   間伐(かんばつ)や枝切りで切った枝や木は、再利用していますか?

    A   使うこともあります。例えば小さい木でも鉛筆や割りばしなどに加工されています。また、皆さんが授業で使っている紙の原料にもなります。皆さんが枝切りや間伐(かんばつ)をしたスギの葉は線香(せんこう)の原料として使われることもあります。

       使われない枝や木についても、森林に住むとても小さな生き物たちによりバラバラにされて、栄養分(えいようぶん)になり森林の肥料(ひりょう)となります。森林の中には葉っぱや木の枝、()れた草などが落ちていますが、こういうものはみんな森林にとっては栄養のもと。だから、森林には肥料(ひりょう)をあげなくても自然に成長できる仕組みがあるのです。

    Q   刈った草とかはそのままにしているんですか?

    A   刈った草は植えた木にかからないようにして、そのまま森に残しています。残した草は森林のとても小さな生き物たちが分解して森林の肥料(ひりょう)にしてくれるからです。

    Q   森の木を切った後に木を植えないとどうなるの?

    A   日本のように、暖かくて雨がよく降るところでは、もともと植物がよく育ちやすくなっています。さらに、木を切ったあとの場所は日光がよく当たるので植物にとってはまたとない絶好のチャンス!だから、いろんな草や木の種が風で飛んできたり、動物に運ばれたりしてそこに芽が生え、やがてまた森林になります。
       ただし、木を切った周りに森林がないと種をとばす植物がいないので、また森林になるとは限りません。だから、木を切るときは一度に全部ではなく、少しづつ切るようにして、森林をこわさないようにしなければなりません。

         
       また、木を切ったままにしておくと土が流れ出てしまったり、山が崩れてしまったりすることがあります。だから、早く森林にもどるように、苗木を植えて
    大きく育つようにしていくことが大切です。
       木が大きくなったら切って使い、また森林を育てる、という繰り返しを続けていくことが人と森林の両方にとって大事なことなんですね。

    Q   天然林は手入れをしなくていいの?

    A   天然林には、木や草が成長し、子孫を残していく仕組みが自然にできています。だから、人の手を加えなくても自然に森林が続いていくのです。

    Q   木を切るにはどんな道具でどんな服装なの・木はどうやって道具になるの?

    A   昔は、()のこぎりの大きい物を使って木を切っていました。今では技術が発達して、チェーンソー(のこぎりのような刃が自動で回転する機械)や大型の機械を使っています。また、山での仕事なので汚れても大丈夫な動きやすい服装、安全に作業するためのヘルメット・長ぐつ・手袋をつけます。さらに、チェーンソーを使う場合は目や耳を守るためゴーグルや耳せんなどもつけることもあります。
    こうして切られた木は使いやすいサイズ(丸太)に分けられ、それを必要な人が買って、さらに機械や手作業で道具に加工されていきます。

        

    お問合せ先

    上越森林管理署

    担当者:総括森林整備官
    ダイヤルイン:025-524-2180
    FAX番号:025-524-2189