ナラ枯れ被害
更新日:令和3年01月15日
ナラ枯れ発生状況
近年、カシノナガキクイムシ(カシナガ)が媒介するナラ菌により、ミズナラ等が集団的に枯損する「ナラ枯れ」が発生しています。
令和元年度の全国のナラ枯れ被害量は、前年度より増加し、約6万立方メートルとなりました。

注1民有林については、都道府県からの報告による。
2国有林(官行造林地を含む。)については、森林管理局からの報告による。
3少数点以下第二位を四捨五入した。
4四捨五入により、「都道府県別ナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(総数)」の合計値と一致しない場合がある。
ナラ枯れ被害量について、詳細はこちら
「令和2年度 森林病害虫被害量(速報値)」について(PDF : 453KB)
全国のナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(平成12~令和元年度)(PDF : 108KB)
都道府県別ナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(総数)(平成27~令和元年度)(PDF : 86KB)
民有林における都道府県別ナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(平成27~令和元年度)(PDF : 84KB)
国有林における都道府県別ナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(平成27~令和元年度)(PDF : 89KB)
<平成30年度森林病害虫被害量の訂正>
令和元年10月18日付けでプレスリリースした「「平成30年度森林病害虫被害量」について」に、数値に誤りがあったことから、次のとおり訂正します。
訂正資料はこちら
【訂正版】資料4-1都道府県別ナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(PDF : 89KB)
【訂正版】資料4-2民有林における都道府県別ナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(PDF : 107KB)
【訂正版】資料4-3国有林における都道府県別ナラ枯れ被害量(被害材積)の推移(PDF : 80KB)
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ナラ枯れ被害地 (写真提供:一般社団法人日本森林技術協会) |
被害木の状況 大量のフラス(カシナガが孔道を掘った木くずや糞などの混ざったもの)がみられる (写真提供:一般社団法人日本森林技術協会) |
ナラ枯れ発生のメカニズム
カシノナガキクイムシ(写真提供:一般社団法人日本森林林業技術協会) (体長4.5~5.0ミリメートル) |
羽化脱出 (翌年の夏) |
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孔内で成長・羽化したカシナガの新成虫は、主に翌年の6月から8月に脱出。この際、ナラ菌が持ち出される。 | ナラ菌が感染した部分の細胞が死ぬと、道管が目詰まりを起こすため、通水障害を起こす。この結果、多くのナラは7月下旬頃から8月中旬にかけて葉が変色し、枯死に至る。 | 持ち込まれたナラ菌は、孔道を伝ってまん延し、樹木の細胞に害を与える。また、卵からかえったカシナガの幼虫は、孔道内で生育する。 | 羽化脱出したカシナガは、健全なナラに飛来。集合フェロモンによって集中的にせん入し、産卵。このとき、病原菌であるナラ菌を持ち込む。 |
ナラ枯れの防除手法
予防手法(秋~春)
健全木へのカシノナガキクイムシの侵入を防ぐため、粘着剤等の塗布またはビニールシートの被覆を実施
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カシノナガキクイムシの付着を防止するためのビニール巻き |
ビニール巻き(写真提供:一般社団法人日本森林技術協会) |
・「殺菌剤の樹幹注入」により、樹木を枯らすナラ菌や、カシノナガキクイムシの餌となる酵母等を殺菌し、樹木の枯死やカシノナガキクイムシの繁殖を防止
殺菌剤の注入(アンプルの底部に穴をあけ自然圧で注入) |
施工後(写真提供:一般社団法人日本森林技術協会) |
伐倒駆除手法(秋~春)
被害木内のカシノナガキクイムシを駆除するため、羽化脱出前に薬剤によるくん蒸または焼却を実施
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<被害立木のくん蒸> 比較的地際に近いところにせん入する性質を利用し、立木の状態でせん孔し、くん蒸剤(カーバム剤等)を注入した後、布製のガムテープで被覆し、駆除後に伐倒する。 |
ナラ枯れ被害対策マニュアル
林野庁森林環境保全総合対策事業(ナラ枯れ被害の総合的防除技術高度化事業)により、各地で取り組まれている様々な防除技術を評価するとともに、これを組み合わせて地域にあった総合的な被害対策を検討・構築するために必要な事項をとりまとめ、これに最新の情報や詳細な手法の紹介を加えた「ナラ枯れ被害対策マニュアル改訂版(平成27年3月版)」を作成したので、現場での効果的な被害対策の実施にご活用ください。必要な方は、お問い合わせ先までご連絡ください。
お問合せ先
森林整備部研究指導課森林保護対策室
担当者:保護指導班
ダイヤルイン:03-3502-1063
FAX番号:03-3502-2104