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北海道森林管理局

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    北海道森林管理局長  新年のご挨拶「新たな取組に挑戦」

    渕上北海道森林管理局長北海道森林管理局長  渕上和之

    平成30年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

    昨年を振り返りますと、景気については緩やかな回復基調が続き、日経平均株価がバブル経済崩壊後の戻り高値を更新するなど明るい話題がありましたが、他方、全国各地で自然災害が発生し、九州北部では記録的な豪雨が観測され、甚大な被害が発生しました。

    また、昨年11月には、米国を除く11カ国で新たな環太平洋経済連携協定(TPP)が大筋合意に至り、欧州連合との間で経済連携協定(EPA)についても、7月の大枠合意を経て、12月には交渉妥結に至りました。これらを受けて、政府は、国内産業の競争力を強化することとしており、林業分野においては、原木供給の低コスト化や加工施設の効率化等を推進することとしています。

    北海道の森林は、全国の森林面積の約2割に相当する広大なものです。これらの森林の公益的機能を十分に確保しつつ、資源として有効活用することで、道内の林業・木材産業は、グローバル経済の下でも、地域経済に貢献する産業としてさらに発展することが期待されます。

    このような中、私ども北海道森林管理局は、新しい一年におきましても、職員一同全力で、北海道国有林の有する山地災害防止等の公益的機能の高度発揮や林業の成長産業化に貢献して参ります。

    公益的機能の高度発揮につきましては、近年の自然災害の多発傾向も踏まえ、山地災害発生時の迅速な対応や被災箇所の早期復旧、関係機関と連携した予防対策に取り組んで参ります。特に、昨年の九州北部の豪雨災害を踏まえた流木対策として、流木捕捉式治山ダムの設置、間伐等による根系等の発達促進などに取り組んで参ります。また、天然生稚樹の成長促進など天然力を活用した多様な森林づくり、知床をはじめとする原生的な森林生態系の保護・管理やシマフクロウなど希少野生生物の生息環境の向上を目指した森林施業の推進、関係行政機関等と連携したエゾシカ被害対策等にも取り組んで参ります。

    林業の成長産業化につきましては、人工林資源が成熟し主伐期を迎えつつある中で、道内の林業が成長産業として発展し、それが地域の活性化につながることが重要と考えています。このため、林産物の安定供給に取り組むとともに、主伐後の伐採跡地等での再造林を着実に推進するため、苗木生産者との安定需給協定によるコンテナ苗の利用拡大に取り組んで参ります。

    また、伐採から再造林に至る一連の工程における効率的な作業システムの先駆的な実行等を通じて、伐採・造林作業の省力化・低コスト化に取り組んで参ります。この取組には、多くの課題がありますが、新技術の導入がこれらの課題解 決のカギになるものと考えています。中にはリスクが大きく民間企業だけでは対応できない取組もあると思いますので、私どもの組織・技術・資源をフル活用し、新たな取組に対して積極的に挑戦して参ります。

    併せて、林野庁の地方組織として、森林・林業分野における地域のニーズへの対応や諸課題の解決に向けて積極的に取り組んで参ります。その際には、地域の皆様と十分に対話を重ねながら進めていきたいと思いますので、引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

    新しい年が皆様にとって良い年となるとともに、地域の森林・林業の再生と活力ある地域づくりの飛躍の年となることを祈念して、新年のご挨拶といたします。