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北海道森林管理局

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    手を取り合って

    相互交流見学会を通して地域における森林づくりの知見を共有

    ~北海道大学雨龍研究林見学会~


                                                                                                                                         【北空知支署】


    平成30年9月21日(金曜日)、北海道大学雨龍研究林(以下、研究林)において相互交流見学会が行われました。
    当日は、研究林から林長と職員、幌加内町から産業課長と林務担当職員、当支署からは支署長をはじめ職員の計18名が参加しました。

     
    本見学会は、9月4日に開催した幌加内町町有林及び幌加内国有林での「幌加内地区相互交流見学会」に続く2回目の開催で、幌加内町内で森林を管理している機関がそれぞれの現場を見学し合い、森林づくりの取り組みや技術を共有し、課題解決に向けて知見を交換し合うことを目的としています。

    見学会は、研究林で取り組まれている掻き起こし施工地、表土戻し天然更新地、トドマツ低密度植栽地、ヤチダモ造林地、およびドローンによる森林管理技術紹介とオートパイロット実演と盛り沢山な内容でした。

    樹冠下掻き起こし施工地では、実際に掻き起こし作業の実演を見学し、表土を掻き起こす程度や作業に掛かる時間について説明がありました。周辺はミズナラの天然木も多く、多くの更新が期待できそうでした。

    樹冠下掻き起こしの実演
    樹冠下掻き起こしの実演

    また、積雪期と無雪期とで樹冠下掻き起こしを施工する時期に注目し、施工にかかる労力や天然更新の違いについて試験されており、積雪期に施工する方が、ササが雪に覆われているため作業場所までアクセスが容易になり、重機を入れやすいこと、また、天然更新も良いとのことでした。

    積雪期による樹冠下掻き起こしの説明
    積雪期に樹冠下掻き起こしを施工した箇所


    さらに、重機が入れない急な斜面においては刈り払い機で掻き起こしができないか検証されていました。併せて、掻き起こしを行う際に、ルートカッターで施工地の周囲のササの地下茎を切断し、その後のササの侵入や天然更新について経過観察されていました。

    表土戻しは、押し出した表土を一定期間後に施工地に敷き戻す方法で、ササの回復の防止と埋土種子の発芽が期待されます。
    表土戻し施工地では、通常の掻き起こし施工地に比べてカンバ類の成長が良く、その違いは驚くほど明らかでした。

    表土戻し施工地
    表土戻し施工地の生育状況

    表土戻し施工地と通常の掻き起こし地の遠望
    表土戻し施工地と通常の掻き起こし地の遠望

    表土戻しは、カンバ類が旺盛に繁茂する傾向にある一方で、針葉樹の天然更新を妨げているのということが明らかになってきました。
    通常の地表処理を行って針葉樹の更新を図るか、表土戻しを行ってカンバ類の更新を図るか、その場所に適した方法を模索していく必要があると思われます。

    トドマツ低密度植栽地(1haあたり1000本程度)では、過去にトドマツ枝枯病が発生した経緯から、下刈を行わないようにしていたようです。しかし、ササに被圧されることなくトドマツが成長しており、下刈の省力化を考える上で興味深く思いました。

    3機関が所在する朱鞠内地域は、湿地性土壌が広く分布しています。
    今回見学したヤチダモ造林地は、かつてはヨシに覆われ、重機の侵入が困難であったという湿地だったようですが、現在は施工地一帯がササ地になっていました。どのようにヨシ地からササ地に植生が移り変わったのか気になるところです。

    ヤチダモ造林地
    ヤチダモ造林地

    森林・林業分野でのドローンの活用が増えてきていることから、研究林で試験的に行われているドローンによる立木の個体数と蓄積の推定方法について紹介があり、決められたルートと高度を自動で飛行するドローンのオートパイロットの実演を見学しました。
    これらの技術により、推定できる精度が高く、これからの森林調査への活用が期待されます。

    ドローンのオートパイロットの実演
    ドローンのオートパイロットの実演

    最後に、幌加内町産業課課長から「研究林としてどのように森林を管理しているのか良くわかった。また、ドローンを使った森林管理方法は参考になった」とコメントがあり、当支署長より「表土戻しを行うことで天然更新木の成長が良くなることに驚いた。掻き起こしについて、針広混交林を目指していく上でとても参考になった」と総評を送りました。
    今後も相互見学会などを通して知見を共有し、地域の森林づくりの課題解決に取り組んでいきたいと思います。


     (業務グループ  久保)

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    総務企画部企画課
    ダイヤルイン:050-3160-6271