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上川北部地区森林計画実行管理技術研修会を開催
【上川北部森林管理署】
上川北部地区における民国連携の一環として、平成30年8月9日(木曜日)、下川町の民有林において「上川北部地区森林計画実行管理技術研修会」を開催しました。
この研修会は、地域の林業関係者による人工林の育成・管理の実践事例の視察を通して、将来を見据えた低コスト造林や地域の特性に応じた適切な森林施業の実行管理に必要とされる技術・知識を向上させることを目的に、上川総合振興局北部森林室、下川町、北海道森林組合連合会との共催で開催したものです。 当日は、上川総合振興局、当署管内の市町村、森林組合、周辺市町の指導林家、旭川管内の各森林管理署・支署等から64名が参加しました。
初めに、将来を見据えた低コスト造林の事例として、クリーンラーチの低密度植栽試験地及びクリーンラーチ大苗植栽試験地(どちらも下川町有林)を見学しました。
下川町有林(クリーンラーチ低密度植栽地)
これらの試験地では、下川町の担当者から造林方法(1,000/haの低密度方形植栽)や旺盛なクリーンラーチの樹高成長、また大苗を植栽することで3年間無下刈を達成でき、かつ生存率も98%以上であること等について説明を受けました。 質疑では、「どのぐらいのコストカットが見込めそうか」、「主伐の時期は何年先を見込んでいるのか」、「大苗を植えるに当たって雪害の対策は行ったのか」、「大苗が流通できる体制が整う可能性はあるのか」などの質問がありました。 さらに、当署の西署長から「導入当初に懸念されていた大苗の欠点等について、下川町が森林総研からの助言を仰ぎつつ、それらを克服するために試行錯誤されている点は素晴らしい」などのコメントをしました。
次に地域の特性に応じた間伐施業の事例として、トドマツ列状間伐地(木原静子氏所有林)及びカラマツ定性間伐地(梅坪龍雄指導林家所有林)を視察しました。
木原静子氏所有林(トドマツ列状間伐林分)
木原静子氏所有林は、「平成29年度ほっかいどう地球温暖化防止貢献の森林づくりコンクール」で最優秀賞を受賞した森林で、ここでは木原さんの孫で上川地域青年林業士でもある佐藤大地さんより、亡き祖父から山を受け継いで管理する思いをお話いただきました。 その後、当署の海野森林技術指導官より国有林における間伐の方法や列状間伐のメリット等についても説明しました。
カラマツ定性間伐地では梅坪指導林家より、「どのような計画を立てて山林を買い集めてきたのか」、「林業を始めた50年前の計画が達成できたのか」等について説明を受けました。
研修会の最後には、適切な森林施業による木材の安定供給の事例として、三津橋農産株式会社の北町工場を見学しました。
三津橋農産(株)北町工場
この製材工場には、国有林材10%、道有林材50%、民有林材40%の割合で原木が供給されています。 またこの工場で製材される住宅建材は、100%トレース可能(生産地から販売先までの経路の追跡が可能)になっているという説明がありました。
今回の研修会は、「新たな森林管理システム」の施行が近づく中で、今後の森林管理に向けて重要な課題である、造林の低コスト化と地域の特性に応じた効率的な森林施業がテーマであったことから、どの現地でも活発な意見交換が行われ、これらのテーマへの関心の高さを改めて伺い知ることができました。 今回は行程上の制約があり、国有林内を案内できませんでしたが、今後も道や管内市町村等と連携を取りながら、地域林業の課題を解決するヒントになるような研修会を開催していきたいと考えています。
(業務グループ:山崎)
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お問合せ先
総務企画部企画課
ダイヤルイン:050-3160-6271
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