知床森林生態系保全センターブログ(2017年8月)
8月9日 平成29年度 第1回 知床世界自然遺産地域科学委員会
8月4日(金曜日)に斜里町において、「平成29年度第1回知床世界自然遺産地域科学委員会」が開催され、出席しました。委員会については、以前もブログに書きましたので、こちらもご参照ください。
今回の主な議題のうち、「長期モニタリング計画」についてご紹介いたします。
(科学委員会会場の様子)
★長期モニタリング計画とは
正式名称は、「知床世界自然遺産地域長期モニタリング計画」です。
委員会では、世界遺産地域を順応的に管理するために、長期モニタリングを実施しています。
自然は未知な事柄も多く常に変化するため、予測が難しい面があります。
そのため、モニタリングを行い、その結果に合わせて柔軟に管理していくことが必要です。
そのモニタリング項目と内容を定めるのが、この計画です。
計画期間は2012年4月から2022年3月の10年間です。
概ね5年毎に見直しを行うため、今年度と来年度の2カ年で見直しを行います。
★評価項目とは
知床世界遺産のクライテリア(注)が維持されているか、ユネスコからの勧告に対応できているか等を評価するために設定しています。
「遺産登録時の生物多様性が維持されていること。」等8つの項目を定めています。
(注)クライテリアとは、世界遺産に登録される「評価基準」です。4つの基準があり、1つ以上を満たさないと登録されません。
知床は、「生態系」「生物多様性」の2つが評価され、登録されました。
★モニタリング項目とは
評価項目を評価するために必要なデータを得るために設定しています。
例えば「エゾシカの影響からの植生の回復状況調査」等37項目があります。
1つの評価項目に対して複数のモニタリング項目を設定しているため、項目が多くなっています。
各項目について、評価の実施主体、手法、評価指標、評価基準を定めています。
★評価方法
(1)「モニタリング項目の評価」を各ワーキング・グループ(WG)等で行う
(2)「モニタリング項目の評価」を踏まえて「評価項目の評価」を科学委員会で行う
詳しくはこちらをご覧ください。
今回の会議では、主にモニタリング項目の現状確認と見直しの方針について話し合いました。
今後、各WG等において具体的な見直しを行います。
最後に、先月の羅臼湖三の沼です。
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