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北海道森林管理局

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    美瑛町(朗根内地区)における造林・保育の省力化及びコスト縮減に関する取り組み

    1.目的

    • 上川地域においても、戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎え、今後、主伐の増加が見込まれる状況にあること等を踏まえ、公益的機能の発揮及び計画的な資源造成を図るため、主伐後の再造林を推進する必要があります。その際、育林経費の大半を占める造林初期におけるコストの低減を図り、再造林が円滑に行われるようにすることが極めて重要です。
      このため、当署においても、伐採から造林までの一貫作業システムの導入、コンテナ苗の活用、低密度植栽、機械化等による低コスト造林技術の実証・普及により、地域の森林・林業関係者の更なる造林・保育コストの縮減に向けた意識醸成を推進します。

    2.試験の概要

    • 1.試験地の概要

      場所:美瑛町朗根内地区国有林1047林班の小班
      林齢:52年生
      下層植生:クマイザサ(高さ150~170cm)
      蓄積:120m3/ha
      傾斜:10~15°
      施業履歴:S42地拵・
      植付(秋植)トドマツ3,000本/ha植栽、S43~51下刈、H16間伐(37年生時)

      (1回目間伐跡とササの繁茂状況)


      (試験地を上空から見たところ)



    • 2.実証事業の概要

      伐採から地拵・植付までの一貫作業システムを導入しました。
      伐採作業:伐採幅33メートルの誘導伐(更新伐・複層伐)、伐採率33%
      地拵作業:地拵幅3メートル、残し幅4メートル
      植付作業:カラマツコンテナ苗2条植、約2,500本/㏊

      (伐採作業後の様子)


      (地拵作業後の様子)


    • 3.試験の概要

      伐採帯ごとに「一般的なバケット」「グラップルレーキ」「全回転格子バケット」の3種類のアタッチメントを使用した地拵作業を行い、完了後にカラマツコンテナ苗を植栽します。
      次の調査を実施しました。なお、対照区として「刈払機」による地拵作業も併せて実施しました。
      (1)アタッチメント別地拵作業の功程比較:各アタッチメントの試験区において、実作業の時間観測を行いました。
      (2)アタッチメント別植付作業の功程比較:各アタッチメントの試験区において、実作業の植付本数観測を行いました。
      (3)
      地拵作業から植付作業までの総コストの比較:造林標準単価より試算しました。
      (4)
      アタッチメント別根系除去率の比較:各アタッチメントの試験区において、30cm×30cm×50cmの穴を掘り、その中の根や地下茎をカウントしました。

      試験地のイメージと使用したアタッチメント)
      試験地のイメージ
      ※画像をクリックすると別ウィンドウで開きます。

      (各アタッチメント等による地拵作業後の地表面の様子)
      地拵作業後の地表面
      ※画像をクリックすると別ウィンドウで開きます。

    3.結果

    • 1.アタッチメント別地拵作業の功程比較

      各アタッチメント等ごとに作業者1人が1日当たりに行う地拵面積で比較しました。一般的なバケットによる地拵作業が、0.37ヘクタールで最も成績が良好であり、次いで、グラップルレーキが0.30ヘクタール、全回転格子バケットが0.20ヘクタールとなっていました。また、刈払機を使用した地拵作業では、0.07ヘクタールでした。大型機械による地拵作業は、刈払機による地拵作業よりも作業効率が3倍から5倍程度良いことがわかりました。

      結果1
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    • 2.アタッチメント別植付作業の功程比較

      各アタッチメント等ごとに作業者1人が苗木を1日当たりに植栽する本数で比較しました。グラップルレーキによる地拵後の植付作業が、993本で最も成績が良好であり、次いで、全回転格子バケットが923本、一般的なバケットが900本となっていました。また、刈払機を使用した地拵後の植付作業では、630本でした大型機械地拵後の植付作業は、刈払機による地拵作業後の植付作業よりも作業効率が3割から6割程度良いことがわかりました。

      結果2
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    • 3.地拵作業から植付作業までの総コストの比較

      これまでの結果から各アタッチメント等ごとに各作業の標準単価を用いて、地拵作業から植付作業までの総コストを試算してみました。大型機械地拵を採用した場合、刈払機を使用した地拵作業よりもコスト縮減が図られました。また、大型機械地拵後の植付経費は、刈払機を使用した地拵後の植付経費よりも2万円程度低コストとなることがわかりました。

      結果3
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    • 4.アタッチメント別根系除去率の比較

      各アタッチメント等ごとに地拵作業後の根や地下茎をカウントして、その本数を比較しました。すべての根や地下茎で比較すると、全回転格子バケットでは、除去率80%で最も成績が良好であり、次いで、グラップルレーキが46%、一般的なバケットが36%となっていました。また、現地の下層植生の優占種であるクマイザサについては、大型機械地拵で約7割以上除去できることがわかりました。

      結果4
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    参考資料


    お問合せ先

    林野庁 北海道森林管理局 上川中部森林管理署

    担当者:森林技術指導官、地域林政調整官
    ダイヤルイン:0166-61-0206
    FAX番号:0166-61-0690