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東北森林管理局

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    路網整備(林業専用道)

    長期的に停滞している林業を再生するためには、採算性の回復を図ることが重要であり、採算性を回復するためには生産費を縮減する必要があります。そして、この生産費の縮減には、路網の整備が必要不可欠となります。

    東北森林管理局では、木材自給率50%の実現に向け、基幹路網である林道を簡易な構造により低コストで開設する「林業専用道」を主体としており、当支署においても、この「林業専用道」により路網密度の向上に取組んでいます。

    林業専用道とは

    林内路網については、主としてトラック等の車両が走行する「林道」と主として集材や造材等を行う林業機械が走行する「森林作業道」の2種類があります。

    林業専用道は、この2種類の内「林道」に区分され、【林業専用道作設指針】に基づき開設するもので、森林作業道と組み合わせて森林施業の用に供する道をいい、10トン積程度のトラックや林業用車両(大型ホイールタイプフォワーダ等)の走行を想定しており、森林作業道の機能を木材輸送の観点から強化・補完するものです。

         また、東北森林管理局では、【林業専用道作設指針】に基づき、必要最小限の規格・構造とするなど林道開設コストの低減を図っています。

    平成29年度林業専用道開設状況

    今年度は、「大洞林道(林業専用道)」(1,000m)と「野沢額林道(林業専用道)」(未成工事:800m)の2路線を開設しました。
    また、「大洞林道」については、昨年度開設した路線と同様に「鉄鋼スラグ」※を利用した簡易舗装を施工しました。
    (※「鉄鋼スラグ」については、平成28年度の開設状況を参照)

    さらに、昨年度に引き続き「鉄鋼スラグを利用した簡易舗装に係る現地検討会」を開催し、関係機関へ新技術の情報提供に
    取組みました。

    大洞完成1

    完成した
     大洞完成2

    大洞林道
    路面アップ
    簡易舗装(アップ)

     

    平成29年度鉄鋼スラグを利用した簡易舗装に係る現地検討会

    日時:平成29年8月3日(木曜日)13:40~
    場所:遠野市附馬牛町字東禅寺国有林  大洞林道(林業専用道)新設工事箇所ほか
    参加者:岩手県農林水産部森林整備課、一関農林振興センター、県南広域振興局林務部、遠野農林振興センター
              花巻農林振興センター、遠野市林業振興課、大槌町農林水産課、住田町林政課
              盛岡森林管理署、三陸北部森林管理署、三陸中部森林管理署、宮城北部森林管理署、遠野支署
              (総勢35名)

    実施内容
    • 鉄鋼スラグについての説明
    • 施工状況視察
    • 施工完了区間の視察
    • 前年度施工路線の視察
    • 質疑・応答
    【実施状況】
    参加者
    総勢35名の参加者

    ストック状況
    鉄鋼スラグのストック状況


    【簡易舗装の施工状況】
    工事の受注者である株式会社山下組様にご協力いただき、実際の施工方法を視察していただきました。
    施工手順:敷均し→散水→転圧

    敷均し状況
    鉄鋼スラグの敷均し状況
    散水・転圧
    散水しながら転圧
    転圧状況
    転圧状況


    【完了部分の視察】
    施工後2~3週間経過した部分の視察
    既にかなり硬化しており、水が浸透しないことから雨水が路面上を流れ、横断排水箇所から路肩へ流れ出た部分が洗掘されていました。
    洗掘防止の水路工設置予定箇所
    完成部分視察
    完成部分の状況確認
    横断溝確認
    横断排水施設の確認

    【昨年度の施工現場の視察】
    現場を移動して、施工後約1年経過した現場の路面状況を確認しました。
    表面1~2cmは硬化しなかった部分がありましたが、その下側はしっかり硬化していました。
    硬化しなかった表面部分について、原因は不明であり今後も検証が必要です。
    夏焼1
    昨年度の施工箇所へ現場移動
    夏焼2
    施工後、1年経過した路面の確認
    夏焼3
    路面のアップ

    今後は、
    実際に丸太を積載したトラックやクローラタイプの林業用機械等が走行した場合にどのようになるのか
    破損した場合の補修方法はどうするのか
    集中豪雨後、路面、路肩、排水施設等へどのような影響があるのか
    防草効果はどの程度あるのか
    等を経過観察し、継続して検証していきます。

    ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

    平成28年度林業専用道開設状況

    今年度は、「夏焼林道(林業専用道)」(1,256m)と「セイコク沢林道(林業専用道)」(1,000m)の2路線を開設しました。
    また、この2路線では、グリーン購入法で特定調達品目となっている「鉄鋼スラグ」※を利用した簡易舗装を施工しました。

    ※鉄鋼スラグ:鉄を精錬する段階で発生する副産物
    鉄鋼スラグ特有の潜在水硬性(水と反応して自ら固まる性質)を活用した舗装材で、適量の散水と重機による転圧を行うことで徐々に硬化していきます。
    通常の林業専用道で施工している砕石路盤工と比較すると、強度もあり防草効果も期待できるため、維持管理費の縮減につながります。

    鉄鋼スラグ路盤工1 鉄鋼スラグ路盤工2


    現地検討会

    当支署では、この鉄鋼スラグを利用した簡易舗装について、関係機関へ新技術の情報提供をすることを目的に現地検討会を開催しました。

    鉄鋼スラグ説明
    鉄鋼スラグについての説明
    鉄鋼スラグ施工方法
    施工方法の説明
    鉄鋼スラグ施工方法2
    実際の施工

    現地検討会には、県、市、森林組合など地域の関係機関の方々に参加していただきました。
    今後も新技術や木材利用の新工法に取り組み、情報提供等にも努めていきます。



     

    平成27年度林業専用道開設状況

    今年度は、「夏焼林道(林業専用道)」と「下恩徳林道支線(林業専用道)」の2路線を開設しました。

    夏焼林道(林業専用道)新設工事(延長:900m)

    夏焼完成1

    夏焼完成2

    夏焼完成3

     

    下恩徳林道支線(林業専用道)新設工事(延長:1,053m) 

    下恩徳完成1

    下恩徳完成2

    下恩徳完成3

     

     【木材利用】

    林道工事等の公共土木工事における木材利用の促進については、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」をはじめ、法に基づく「新農林水産省木材利用推進計画」等により、積極的な木材利用の促進に努めています。また、土木工事における木材を利用した新工法の開発にも取組んでいます。

    木製呑口保護工

    木製呑口保護工(試験施工)

    木製路面排水工

    木製路面排水工

     

     

     

    お問い合わせ先

    岩手南部森林管理署遠野支署
    担当者:業務グループ
    ダイヤルイン:0198-62-2670
    FAX:0198-62-9628