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白神山地世界遺産地域の概要
白神山地は、青森県南西部と秋田県北西部の県境にまたがる標高200mから1,250m余に及ぶ山岳地帯の総称です。
この白神山地の核心部に位置し、人為的な影響をほとんど受けず、原生的なブナ林が残されている地域、約1万7千haが、1993年(平成5年)12月に世界遺産条約に基づく世界自然遺産に登録されました。関係する町村は、青森県鰺ヶ沢町、深浦町、西目屋村、秋田県藤里町の3町1村で、全域が林野庁所管の国有林となっています。
区分 |
青森県側 |
秋田県側 |
計 |
---|---|---|---|
核心地域 |
7,673 |
2,466 |
10,139 |
緩衝地域 |
4,954 |
1,878 |
6,832 |
計 |
12,627 |
4,344 |
16,971 |
遺産地域には、我が国の冷温帯における気候的極相であるブナ林が原生的な状態で残存しています。林内や山頂部の風衝地、崖すい、露頭部の岩れき地等において500種以上の多様な植物が確認されています。
この中には、アオモリマンテマ等の地域固有の植物や、トガクシショウマ等の分布が極めて限られている種、北限・南限に当たる種、あるいは高山植物などの貴重な植物も含まれています。
豊かなブナ林を主な生息地として、多くの哺乳類、鳥類、昆虫類、は虫類、両生類、淡水魚類等が生息しています。
世界遺産地域は、適切に保全管理を図っていくため、核心地域については、自然環境保全地域の特別地区、国定公園の特別保護地区、森林生態系保護地域(保護林)の保存地区として厳正に保護しています。
緩衝地域については、自然環境保全地域の普通地区、森林生態系保護地域の保全利用地区等として保全しており、緩衝地域の一部には国定公園、県立自然公園も含まれています。
遺産地域内に生息する動物のうち、ニホンカモシカが特別天然記念物に、クマゲラ、イヌワシ、ヤマネの3種類が天然記念物に指定されています。
また、遺産地域全域が野生鳥獣の保護のため、鳥獣保護区に指定されています。
条約の概要
世界遺産のカテゴリーと登録件数(※2013年6月現在)
カテゴリー |
対象 |
登録件数 |
|
---|---|---|---|
文化遺産 |
普遍的価値を有する記念工作物、建造物、遺跡 |
759 |
|
自然遺産 |
普遍的価値を有する特徴ある自然の地域、脅威にさらされている動植物種の生息地等 |
193 |
|
複合遺産 |
文化遺産と自然遺産の両面の価値を有するもの |
29 |
|
合計 |
981 |
世界自然遺産への登録基準
次のクライテリア(評価基準)の一つ以上に合致し、法的措置等により価値の保護・保全が十分担保されていること、管理計画を有すること等の条件を満たすことが必要です。
【地形・地質】
過去の生命の歴史や地球の歴史の証拠となるような、重要な地形、地質等がよくあらわれている地域
【生態系】
現在も進行中の生物の進化や生物群集の見本となるような、極めて特徴のある生態系を有する地域
【自然景観】
ひときわすぐれた自然美をもった自然現象や景観を有する地域
【生物多様性】
絶滅危惧種の生息地や生物多様性の保全上最も重要な生物が生息・生育する地域